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コンプレックスに、値段をつけられた日の話

治療をするかどうか決めるため、歯医者に行ってきました。

席へ案内されると、パソコンの画面には私の歯の3D映像が映っていました。
正直、よく見ても私にはそれほど違和感は感じられません。

前回と同じ院長先生が説明に来ました。

「こんな感じにはなります。技工士さんが、できるだけ違和感がないように作ってくれていますが、どうですか?」

私は答えました。

「私はさほど違和感は感じません。先生はどう思いますか?」

先生は少し間を置いて、

「少し歯が大きくなるから、見た目もだけど、舌が当たる感じとか違和感は出ると思います」

と言いました。

「やります」

即決でした。

ここまで準備してくれて、辞めますなんて言えませんでした、というのは半分本当で、
実はもう9割5分、やると決めていたのだと思います。



今回の治療は、コンプレックスだった歯を削り、その上に差し歯を被せるというものです。

仮歯を入れてもらい、次回は型取り、そして完成。
3回で終わると聞いて、少し安心しました。
もともと歯医者は苦手なので、治療が長引かないことは本当にありがたいのです。



そして、差し歯についての説明がありました。

保険適用と、保険適用外があるということ。

それは知っています。
私が知りたいのは、値段です。

保険適用外はセラミック。1本10万円。
私は2本なので、20万円になります。

私の中では、即答でした。

保険適用は1本8,000円。2本で16,000円。

これで十分だと思いました。
私にとっては、自己投資として妥当な金額です。

その旨を伝えると、セラミックの良さをもう一度説明してくれました。
自然な仕上がりになること。見た目の美しさ。

それは、もちろん魅力的です。

でも。

コンプレックスに20万円をかける選択は、
今の私の中にはありませんでした。

だから、やっぱり断りました。



治療を終え、帰宅するころには麻酔も切れていました。

残っているのは、口の中の違和感です。

先生が言っていた、舌の違和感。
今、しっかり満載に感じています。

でもこれは、
私が選んだ違和感です。

コンプレックスより、
少しの違和感を選んだ日でした。


※前回の記事


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