仕事を辞めるほどの介護、本当にそれしかないのかな
少し前のこと。
私の親戚から、
「職場の同僚の介護の相談に乗ってあげてほしい」と頼まれた。
話を聞いてみると、
親戚の同僚が、お母さんの介護のことで仕事を辞めようか悩んでいるという。
職場としては辞めてほしくないという思いもあり、
お母さんの施設を変えてみたらどうかなど、
いろいろとアドバイスはしていたようだが、
施設や介護の詳しいことが分からず、どう関わっていいか困っている様子だった。
そんな中で、
「詳しい人に一度話を聞いてもらえたら」と、
私に白羽の矢が立ったらしい。
実際にその同僚に会って話を聞いた。
お母さんは有料老人ホームに入っているけれど、
寝たきりの状態で、思いを言葉で伝えることが難しく、表情などから気持ちを汲み取る必要がある状態。
「自分がお母さんの状況を見て、代わりに施設職員に伝えなきゃ」
そんな思いで、毎日、
仕事を数時間早く切り上げて施設に向かい、
様子を見に行き、
自分でもお世話をしているとのことだった。
職場までは車で片道1時間ほど。
それを往復しながら、さらに施設へ。
話を聞いているだけでも、かなりバタバタした毎日なのが伝わってきた。
本当は仕事も続けたい。
でも、このままだと職場に迷惑をかけてしまう。
そう思って、辞めることも考えていると話していた。
その気持ちは、すごく分かる。
でも、少し引っかかった。
施設に入っているのに、
ここまで家族が背負わないといけない状況って、どうなんだろう。
話を聞くと、ケアマネもついているけれど、
どこか施設側の視点が強く感じられて、
うまく頼りきれない様子もあった。
「結局、自分がやるしかないのかな」
そう思ってしまうのも無理はない。
ただ、私は一つ伝えた。
お母さんを大切に思っていることは、十分すぎるほど伝わってくる。
だからこそ、自分のこれからの人生も、ちゃんと考えてほしいと。
そのうえで、
全部を自分で抱えなくてもいい形がないか、いくつか話をした。
その話をもとに、担当のケアマネとも相談して、
最終的に自身で考え動いたそうだ。
生活の場は変えずに、
施設のヘルパーとは別に、信頼できる保険外のヘルパーを入れて、
自分の代わりに関わってもらう形を取り入れた。
その点についても、施設側ときちんと話し合い、
了承を得たうえで進めていくことになった。
そして、
無理のない範囲で休みの日などに面会に行き、
施設職員や保険外のヘルパーとも情報共有ができるように、
ノートを使って様子や気づきを書き合っているという。
少しずつ役割を分けることで、
今は仕事も続けられていると聞いている。
介護って、気づくと
“自分がやらなきゃ”に引っ張られてしまう。
でも、そこまで背負わなくてもいい形が、
どこかに残っていることもある。
「辞めるかどうか」を考える前に、
できることが、まだあるかもしれない。
