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「私の作品、気持ち悪いですか?」55枚の集合体画像を150人に見せてわかった、不快感の正体。

突然ですが、この2つの画像をみて、どのように感じたでしょうか。

きれい。かわいい。ぞわっとする。見ていられない。
人によって、かなり感じ方が分かれると思います。

まずは、自己紹介から。

こんにちは!
趣味で鱗をモチーフにした作品を制作している yunaと申します。

魚が好きが高じて、気づけば鱗をモチーフにした作品を作るようになっていました🐟
展示会などで作品を見てもらうと、いろいろな反応があります。
「好き」
「綺麗」
「集合体が苦手で見ていられない」
「集合体は苦手でもなぜかこれは大丈夫」

しかしその理由を聞くと、なかなか言葉にはしにくいようでした。

何が平気で、何が苦手なのか。
どこから美しさが、どこから不快感が生まれるのか。
制作する立場として、その感覚をもっと詳しく知りたいと思い、
調査記録としてこの記事を書きました。
集合体が得意な人も、苦手な人も、よくわからない人も、
一緒に見届けていただけたらうれしいです!

作品:blue

※この記事には集合体の画像が含まれます。苦手な方はご注意ください。


55枚の集合体画像を作ってみた

調査するには材料が必要です。
ということで、55枚の様々な集合体の画像を制作し、
約150名の方にアンケートに回答していただきました!

実際に使用したアンケートフォームはこちらです。
画像を見て直感的に「気持ち悪いと感じるか」「気持ち悪くないと感じるか」のどちらかを選んでいただくという、シンプルなものです。
※見る順番によって回答に偏りが出ないよう、画像の表示順は回答者ごとにランダムになるように設定しました。

👇興味のある方はぜひ試してみてください。👇
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf-Bdz99fabCTG2iHxc20D25juc2bvuw0ZiH60SUTsPhoOPxw/viewform

制作した画像には、さまざまな要素を組み合わせています。
・密度が高い、低い
・有機的な形、無機的な形
・カラー、モノクロ、
・輪郭のはっきりしている、ぼやけている
・要素の大きさがそろっている、ばらつきがある
・立体的にみえる、平面的にみえる

そして、55枚の中にこっそり自分の作品も混ぜてみました!
私の作品はどういう印象を与えているのか…?
結果は、後ほど…!

150人のアンケート結果

ここからは、アンケートの結果を見ていきます。
まずは、「気持ち悪い」と答えた人が多かった画像TOP5と
反対に「気持ち悪くない」と答えた人が多かった画像TOP5を見ていきます。

気持ち悪いTOP5

1位:62%が「気持ち悪い」と回答

丸の中にさらに丸が入っている構造や、異なる大きさの丸が密集している点が特徴的な画像です。要素が画面全体に広がっており、白と黒のコントラストも大きいため、視覚的な情報量も多く目がチカチカする印象があります。
ただ、それ以上に大きそうなのは、カエルの卵のようなものを連想させることです。抽象的な模様のはずなのに、何かの卵に見えた瞬間、急に生々しくなるのかもしれません。

2位:61%が「気持ち悪い」と回答

2位は、1位のカラーバージョンでした。
構造は1位の画像と同じなので、この構造自体に、不快感につながる要素がありそうです。
色に関しては、補色を使っているので、爽やかな水色や淡い色合いなどの場合、結果がどう変わるのか気になります。

3位:59%が「気持ち悪い」と回答

この画像も、大小さまざまな丸が密集しており、余白が少ないという点では、1位、2位の画像と近い要素を持っています。
一方で、輪郭がぼやけたような質感になっているのが特徴です。
形がはっきり見えすぎないことで、正体のわからなさが生まれ、その曖昧さも気持ち悪さにつながっているのかもしれません。

(左)4位:58%が「気持ち悪い」と回答 (右)5位:55%が「気持ち悪い」と回答

4位、5位に選ばれたこの2枚は、同じモチーフをレイアウト違いで制作した画像です。目や細胞のような生物的なものを連想させることが気持ち悪さにつながっていると考えられます。

気持ち悪くないTOP5

1位:共に97%が「気持ち悪くない」と回答

1位は同率で、この2枚でした。
左の画像は、密度が高く細かい要素が多いものの、星というわかりやすい形やカラフルな色合いのため、集合体というより柄として受け取られやすかったのかもしれません。
右の画像も密度は高いですが、カラフルで爽やかなイメージを感じさせ、グラフィカルな印象があります。

3位:96%が「気持ち悪くない」と回答

この画像は、密度が高く大きさにもばらつきがありますが、輪郭がはっきりしていて、カラフルで明るい印象があります。また、風船のようなポジティブなものが連想され、楽しさを感じます。

4位:94%が「気持ち悪くない」と回答

3位とテクスチャは同じですが、52位に選ばれたこの画像は密度が低く、同系色でまとまっています。
色数が少なくコントラストも弱いため、全体として落ち着いた印象があります。

5位:91%が「気持ち悪くない」と回答

5位に選ばれたこの画像は密度はかなり高いですが、輪郭がはっきりしており、形も無機的です。
さらに彩度のあるカラフルな色使いによって、グラフィックとしての印象が強くなったのだと思います。

データで見てみたものの、単純な話ではなかった

各画像に対して、密度・彩度・輪郭・大きさのばらつきなどのタグをつけ、どの要素が不快感につながっているのかを見てみました。

「ぼんやり」

データ上で最も「気持ち悪い」に影響していそうだったのは、「輪郭がぼんやりしている」という要素でした。
輪郭がはっきりしている画像よりも、形の境界が曖昧な画像の方が、正体がつかみにくくなります。その曖昧な部分を、見る側が脳内で勝手に補完してしまうことで、気持ち悪さにつながるのかもしれません。

「小さいものが不規則に」

2位・7位は「大きさが小さい」「大きさがバラバラ」という要素です。
細かいものが不規則に集まっている状態は、虫の卵や細胞、肌のぶつぶつのようなものを連想させやすいのかもしれません。
同じ形が整って並んでいる場合よりも、大きさにばらつきがある方が不快感を感じるのは、有機的な印象があるからでしょうか。

「モノクロ」

3位〜5位には、「2色以下」「同系色」「彩度がない」という要素が並びました。この3つに共通しているのは、モノクロに近い見え方であることです。
彩りが少ないことで、柄としての楽しさや軽さよりも、異物のような印象が強く出るのかもしれません。
また、白黒の画像ではコントラストが強くなり、目がチカチカするような見え方も生まれます。その視覚的な負荷も、不快感につながっていそうです。

「ぎゅっとばらばらに」

6位・8位は「密度が高い」「整列していない」という要素です。
密度が高い画像は、視覚情報が多くなりすぎることで、不快感につながるのではないかと考えられます。
また、整列していない配置では、規則性が見えず予測ができないため、視線が安定せず、落ち着かない感覚が生まれると考えられます。

一方で、下位には
「整列している」「大きさが大きい」「3色以上」「大きさが一定」
などの要素が入っていました。
規則性があったり、ひとつひとつの形が大きく見やすかったりすると、集合体というよりも、グラフィックとして受け取られやすいのだと思います。

ただ、正直に言うと、
データだけできれいに説明することはできませんでした。

たとえば、上位には「輪郭がぼんやり」が出ていますが、
実際に1,2位になった画像は、むしろ輪郭がはっきりしている画像でした。

また、密度が高くても、星や風船のように見えるものは
あまり気持ち悪く感じられませんでした。

そこで次は、データだけでは見えにくかった部分を、
実際のコメントをもとに見ていきます。

みんなの言葉から見えた、ぞわっとする理由

アンケートの自由記述欄に、
自分が何にぞわっとしたのかを言葉に残してくださった方が複数いました。
ここからは、少し視点を変えて、そうした方々の考察も手がかりにしながら、集合体について考えてみます。

1.何かに見えてくる恐怖

何に見える?

自由記述の中で、最も多く言及されていたのは、
「何かを連想させる」という視点でした。

たとえば、虫や虫の卵。ウイルス
現実の中でマイナスのイメージに結びつきやすいものや、
鳥肌。目。血。といった体の一部を思わせるものなど、
生物的な印象を持つ画像もぞわっとされやすいようでした。

私が作っている鱗も、生物の一部ではあるのですが……笑
鱗からは魚や蛇を思い浮かべる方も多いと思うので、
そうした生き物が苦手な方にとっては、
私の作品も苦手に感じられるのかもしれませんね。

左から、43%(11位)、29%(28位)、19%(41位)

例えば、この3枚は、データに従えば、モノクロの方が気持ち悪いとされるはずでした。しかし、実際には逆の結果になりました。
色がついたことで、肌のような質感を連想させ、それによって不快感を感じる人が増えたのではないかと考えられます。

左から、48%(8位)、36%(21位)

この2枚も、データ上ではモノクロの方が気持ち悪いとされそうでしたが、逆の結果になりました。
理由は、おそらく、いくらのように見えるからですね。

2.色は、楽しさにも不快にもなる

楽しそう?きもちわるい?

次に多かったのは、色についてのコメントでした。
「モノクロ」「不快感のある色の組み合わせ」
が気持ち悪さに影響するというコメントが多くみられました。
「色が綺麗だとギリキモくなかったりする」 という声もあり、
色は、かなり印象を変えるようです。

不快な色の組み合わせ
①ハレーション

明度(明るさ)の差が激しいビビッドな色同士を隣り合わせに配置した際、境界線がチカチカと不快に光って見えたり、目が疲れたりする視覚現象のことです。

ハレーションを感じる色を使った画像

②本能的に危険と感じる色

警告色を使った画像

赤や黄色は警告色と呼ばれ、人間が本能的に危険と感じる色とされています。赤は、血液や火を、黄色は、蜂などの危険生物を連想させます。
踏切や、注意喚起の看板なども、これらの色を使うことで本能的に注意を払うことを促しています。

つまり、色は、不快感の原因になることもあれば、
何かを連想させる媒介として働くこともある。
その違いによって結果が大きく変わっていました。

3.「集合体」として見るのか、「柄」として見るのか。

コメントの中で興味深かったのが、「柄」という言葉でした。
今回はあくまで集合体の見え方を調べるため、
すべて正方形の画像として用意しましたが、
ワンピースの布地や、包装紙、インテリアの模様として見せたら、
結果は大きく変わりそうな気がしています。

ワンピース型に区切った集合体

私の作品は○○位でした。

今回の調査から、
集合体の「気持ち悪さ」は単純な形の問題だけではなく、
そこから何を連想するかや、輪郭など、
いくつかの要素が重なって生まれていることが見えてきました。

そして、55枚の中にこっそり混ぜていた私の鱗の作品は



19位でした。

私の作品

およそ40%の方が、ぞわっとすると回答しています。
正直、少し複雑な気持ちです笑

その代わりと言っては何ですが、
この研究の集大成として、
集めたデータといただいたコメントを元に、
「気持ち悪い要素を集めた鱗」と
「気持ち悪くない要素を集めた鱗」を
制作してみることにしました。

ならば、2つの鱗を作ってみよう

気持ち悪い要素を集めた鱗

この鱗は、モノクロ、大きさや並びがバラバラ、密度が高い、
有機的な形、などの気持ち悪さに関係性の深そうな要素を多く取り入れて制作してみました。輪郭がぼやけているという要素に関してはグレーの色を多く取り入れて、鱗一枚一枚の境界線がはっきりしないようにしました。

気持ち悪くない要素を集めた鱗

この鱗は、カラフルで3色以上、密度が低く、大きさや並びを一定にしました。鱗なので有機的な形ではあるのですが、できるだけ一枚一枚の鱗が同じように見えるように心掛けました。

いかがですか?
私は意外と、どちらも気に入ってしまいました笑
集合体がもつ、人によっては気持ち悪いと表現するような奇妙さも含めて、私は好きなのかもしれません。

鱗が好きな私から、最後に一言。

今回このような調査を行いましたが、
実は私は、自分の作品をすべての人に気に入ってもらいたいと思っているわけではありません。
作品を見て「気持ち悪い」と感じることも、ひとつの大切な反応だと思っています。少なくとも、その瞬間に何かしら心が動いているからです。

その感覚の違いも含めて、集合体の面白さなのかもしれません。
そしてこの研究を経て、
私の作品を見てくれた方と、もう一段深く感想について話せるようになるのではないかと感じています。
「気持ち悪い」「気持ち悪くない」という言葉だけで終わらせずに、その奥にある魅力や感覚について、これからも少しずつ伝えていけたらと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

appendix

気持ち悪い画像ランキング1位〜55位まで



気持ち悪いに関係していそうな要素ランキング

自由記述欄のコメント一覧(お名前除く)

  • 携帯で見てますが、スクロールすると画面の残像の影響だと思うが、それでも気持ち悪いと思うことがありそう。ページ切り替えだと軽減するかも。あとピントが合ってないと気持ち悪いのは職業柄かも

  • 色が黒だったり、細い線が入っている方が気持ち悪く感じました

  • 作例を見て集合体でも嫌悪感を感じる閾値がとても面白く感じました。何かもし機会があればで結構ですので、結果など教えていただけたら幸いです

  • 体調やその時の見え方によってまた変わりそうだなと思った。模様だと思えたり、色合いが受け入れれば気持ち悪く思わないのに、虫っぽく見えたら個人的に不快な色の組み合わせだと、同じ柄でも気持ち悪く見えた。一回目は気持ち悪かったのに、二回目は気持ち悪くないとかもあって、適性検査みたいに同じこと聞かれてたらどんどんそれに対してどう思うかが変わってくる感じがした!面白かったです!

  • 集合体は苦手な方だと思うのですが、フラットなものだと意外と問題なく、肌や虫の卵のように感じられるリアルなもの/質感のあるものは気持ち悪く感じました!

  • 気持ち悪いには、何かを連想して気持ち悪いと目がチカチカする気持ち悪さ2つがありそうだと感じました。

  • それを集合体恐怖症ということを初めて知りました

  • 血や眼など人体に関するものがたくさん出てくるときもい

  • 気持ち悪くない集合体の中には綺麗に見えるものと、何も感じないものがあり、その差も面白いなと答えていて感じました。

  • 規則正しく並んでいる模様の中でも気持ち悪いものと気持ち悪くないものがあるのは、脳の防衛本能と言われますが、それがどれだけ本能に依るものなのか経験に依るものなのか興味深いですね。

  • 体の一部ような色を使ったものや、点が細かすぎるものに気持ち悪さを感じました。

  • 同じ模様でも色によって気持ち悪い/そうでない の感覚が分かれて面白いなと思いました!

  • 予測ができるものは気持ち悪くないのかも!

  • 四角は大丈夫/グラデーションは大丈夫そう/虫の卵の集合とかが本当に無理です/(集合体恐怖症の友人にやってもらいました)

  • 気持ち悪いか気持ち悪くないかの2択となると難しいね!全部気持ち悪いし、気持ち悪くなくもある…気持ち悪い順に並べるとかはできるかも!

  • 色が綺麗だとギリキモくなかったりするからおもろいなんかモザイクかかってる方がグロくて逆にキモかったりした生物的に見えてw

  • 白黒とか不規則な感じで生物み?があると気持ち悪くて感じました、!逆に整列してたりカラフルなものはグラフィカルで素敵だと感じました!

  • 気持ち悪さは3パターンあって、現実のマイナスイメージに近いもの(ウイルス)、集合体、配色(色の組み合わせがよくないor原色など強い色)だった気がする

  • 絵画として見るとほとんど面白かった

  • 基本的に柄だ!と思ってしまう派なのであんまり気持ち悪さを感じないのかなと🤔気持ち悪いを選んでるのは、例えるなら服の柄になった時にちょっと嫌かも!となる感じ?

アンケートへのご協力、ありがとうございました!

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