ヤマナシと遺伝的多様性
ちょっと前に旅行先でヤマナシとおぼしき果実を一個道端で拾いまして、そいつを種から発芽させて成長させてみた記録と、そこからわかったことのメモです。
発芽
10月頃、拾ってきた果実(写真無し)を土に埋めて果肉を腐らせました。植物種によっては寒冷刺激を受けないと発芽しないものもあるので、念のため冬の間は日陰に置き、十分に寒風に曝します。翌年4月、可愛い双葉を出しました。
発芽したのは二つ、同じ果実から出た種なので兄弟というか双子みたいなもんですが、この時点で大きさに差があります。この二株の環境条件を揃えて生育を比較するため、こののち2年間同じ鉢で育てます。

本葉が出る
約一週間後、本葉が出ました。まだ茎も弱くナメクジにでも食べられたらひとたまりもないので、軒下で毎日チェックします。

あまりに違う二株
肥料も水も日当たりも全く同じ二株ですが、身長差は約二倍。ずいぶんと差があります。


横枝の出方も違う
2025年現在、大きかった方の株は大きく横枝を出し、隣を圧迫するようになりました。


ここまで大きくなると同じ鉢ではきつすぎるので、成長条件を揃えるために鉢を共有するのは終了し、別々に管理することになりました。
何が違うのか
同じ果実から出た種子ですが、花粉の違いや受粉後の受精時の組み換えなどで遺伝子に差が出てくることもあります。一般論として、「やたらと成長が早い」と「病気に耐性がある」など、メリットは両立しません。病気に耐性を持つためのリグニン生成などは、積極的にやると成長が遅れるからです。ですから、見た目上生育が遅れている株も、劣等品種と決めつけることはできません。
わかるのは、「現在の環境における生育に差がある」ことだけ。これが生物の形質を見極める難しさなのだそうです。アメリカの農務省はブルーベリーの新品種育種のため、一度に万単位の株を育て、「甘さ」「収穫のしやすさ」「育てやすさ」「完熟特性」などを何年もかけて見極めていくそうです。
今後
今後はそれぞれ別々の鉢で育て、花が咲くまで見極めてみようと思います。ヤマナシは果実は大しておいしくないそうですが、花は美しいそうなので、楽しみです。
