ドクターメンヘラPART2
俺は離婚して自由の身になった。
そして、物と家族は失った。
しかし金だけはある。
俺は自由な独身男性として、
麻布十番で人生を仕切り直すことにした。
俺はかつて、親からのお仕着せで、
医学部に入れられた。
しかし、何もかもがガチガチな人生だった。
俺は当時ナースだった元嫁と、
駆け落ち同然で遠い地に逃げた。
そして俺は獣医になった。
俺は子供の頃から犬が大好きだった。
犬は力強いのに従順で、
いじめっ子達を全員やっつけてくれた。
そんな風に幼い頃から、
犬は俺のボディガードだった。
こうして俺は、「犬さえいれば無敵」
という、チート能力を手に入れた。
元いた動物病院は元嫁から、
離婚慰謝料のカタに取られたが、
あいつならすぐに失敗すると思った。
今は雇われ医師として、港区界隈で見つけた、
犬に特化した動物病院を探し、
犬専門の医療スタッフとして働いていた。
俺は月一で通帳記帳をする度に、
昔と違う高い月収にびっくりした。
雇われなので、確定申告の必要もなく、
優雅な独身生活を満喫した。
東京のど真ん中はレベチであり無敵だ。
俺は眼鏡からカラコンにした。
髪型もお洒落にした。
ついでに美容整形もした。
病院に港区女子が犬を連れて来る度、
ジムで体を鍛えた。
運動はきついが、涙で耐えた。
こうして、生まれ変わった俺は、
やっと青春を取り戻した。
俺は病院で目を付けた港区女子と、
今度こそ楽しく会話が出来るようになった。
愛犬の悩み相談に乗る事にしたからだ。
女っていつの時代も頼れる男が好きなようだ。
女からの、
「もっと聞かせて下さい。」
の声に、俺はうんちくを気分よく語った。
ただ、なぜかいつも長続きはしなかった。
後に俺の人生には、大きな災厄が落ちて来た。
俺は横領罪という、冤罪を着せられたのだ。
警察がいきなり警察手帳を出した。
そして、手錠が嵌った。
俺は大声で、
「冤罪だ~~~!!!」
と、叫んだ。
心の中にはホイットニーヒューストンのあの名曲が・・・。
「えんざーーーーーーーーーーーーーーい!」
その後、俺の勤めていた動物病院にも、
税務署の監査が入った。
その後、捕まった院長から、塀の中で説教を食らった。
「お前が客に手を付けるからだ。
本当はお前ひとりが罪を背負うべきなのに・・・。」
後日談で分かったのは、
俺が手を付けた港区女子の中に、
覆面警察官がいたらしい。
「それでも僕は冤罪を貫きますので。」
それを聞いた院長が、不適の笑みを浮かべた。
その後に放った一言が怖かった。
「従業員に過ぎない立場の、お前への給料が、
高過ぎるとは思わなかったのか?」
「・・・・・・。」
「この界隈でのやり方を、
理解していない、
お前が一番悪いんだよ。」
その後、院長だけは高い保釈金を払って、
一抜けした事は、言うまでもない。
※この作品は100%フィクションです。
