映画ちいかわを初めて見た衝撃5つ挙げさせてくれ
ちいかわを何も知らない状態で、映画を見に行った。
「暗い」とか「怖い」とか、ちいかわのイメージに合わないキーワードで話題になっていたからだ。私はミーハーだ。
私はちいかわのことを何も知らなかった。
今思えば、映画に限らないことだったのだが、
映画ちいかわが始まってすぐに、え?何これ?なんだ?まじか?と心の中でツッコミを入れながら見ていた。
ちいかわを初めて見たときのことを、驚いたことをここに書き残したい。(以下、映画のネタバレを軽く含む。)
①主要キャラ3人のうち、1人しか言葉をしゃべらないんかい
序盤で、ちいかわ、ハチワレ、うさぎの3人組がメインキャラクターのようだと理解した。
が、主人公らしいちいかわは、「ん…」「えっ…」とかモジモジ言うだけで、人間語を話さない。
正確には、人間である我々には理解できないが、ちいかわワールドでは、ちいかわは意思を伝えているということになっているらしい。
ハチワレという面白い名前の友達がおり、
ちいかわなどの人間語非対応のキャラクターの発言に対して、フォローを行う立ち回りをしている。
ちいかわのモジモジの後、ハチワレが
「〜なんだね!わかる〜」
といった翻訳を行っている。
そしてうさぎは、なんだか元気で「いやっほー」とか言っているだけである。
いまだかつて、主要キャラが口を聞かないという、そんな設定の人気エンタメがあったのだろうか?
②その他のキャラが全部灰色で描かれているんだけどどうしたの?
メインらしきキャラクターたちはカラフルに描かれ、もちろん衣装や目や口もあるけれど、周りのキャラクターは灰色だ。
経費削減か?合理的じゃないか。
顔のパーツもない。
輪郭しかない。
輪郭しかないけど、汗をかいたりはしていた。汗腺はあるようだ。
絵を描くコストを下げるためなのだろうか、
メインのキャラを際立たせるためなのだろうか、それとも、
現代の街中ですれ違う人々を確かに我々も灰色の大勢として認識していることを、表現しているのだろうか。
③くりまんじゅうは酒を呑むしかしないんかい
映画では結構な冒険や戦いが描かれているが、
そのなかで「くりまんじゅう」という、頭頂部が茶色でそのほかはクリーム色をしているおやじみたいなキャラクターがいる。
くりまんじゅうは、酒を呑み、「ハアーッ!」と言うところしかほぼ出てこない。
ハアー!と言う瞬間、眉間に皺がいっぱい寄るのが可愛すぎる。
シリアスな場面もあるこの映画の中で、時がたつにつれ、くりまんじゅうがひょうきんな音楽と共に登場すると、「ハァーッ」を期待している自分がいた。
シリアスな場面もあるこの物語で、一貫して安心感とユーモアの供給を担っているのが、このくりまんじゅうであったのだろうと思う。
④メロディは美しすぎるのに、歌詞が食べ物を連ねてばかりすぎて逆に詩的で狂気だろ
ちいかわ映画の最大の魅力の一つは音楽の素晴らしさではないだろうか。
トクマルシューゴさん作曲ということをエンドロールで知って驚いた。
美しいメロディ。
場面によって不気味だったり恐ろしいメロディが、しかし美しく響く。
それなのに、歌詞の様子が普通ではないのだ。
少なくとも私が映画館で聴いたことのないタイプの歌詞だ。
「わたあめ ビールにじゃがバター てりてりソースの やきそば」
そういった歌詞である。
そういった歌詞を、美しい声の声優さんが歌いあげる。
それはあまりにも不気味で、シーンによっては楽しげでもあり、
今思えば、そういった、一見モノを並べただけの言葉群に、詩的な意味がこもっているのだと思う。
普通、歌詞といえば
君が好きとか 君が大切だとか 抱きしめたいとか ハッピーハッピー とか イェーイイェーイ みたいな感じである。
要はわかりやすく感情を表現していることが多いのではないかと思う。
ちいかわは「食べ物を連ねただけの歌詞」と書いたが、
よく考えてみると、
わたあめ
じゃがバター
てりてりソースの焼きそば
こういったコッテリした祭りの食べ物は、観念的な言葉であるといえるのかもしれない。
喜び。にぎわい。手の届くごちそう。幸せ。いつか終わる幸せ。
幸せ
幸せの 幸せ〜
翻訳するのならそんな感じだろうか。
動物界で生まれた動物の歌のようなテイストを感じる。
ありんこにとっては たとえば「砂糖」がごちそう、幸福、宝、冒険、繁栄の象徴かもしれない。
そんなありんこ界のありたちにとってみたら、
砂糖〜砂糖〜 という歌があったとしても きっと心に響くだろう。
ちいかわの 歌はそんなちいかわ界の幸福、
男女も年齢も家族という概念も存在しない世界の、つまり恋も結婚も存在しない世界の、
幸福をうたった歌詞なのではないか?
わたあめ ビールに じゃがバタ〜…
⑤可愛いくせに、話が面白すぎる
映画ちいかわの前評判として、
「東野圭吾のような話」という投稿がSNSで流れてきた。まさにそんなテイストであった。
伏線がはられ、不気味な気配の中で、島のリゾートやユーモラスなキャラの可愛さに惹かれて忘れているうちに事件が起き、真実が明らかになっていく。
東野圭吾原作の映画『真夏の方程式』を思い出した。
様々な人の思惑が入り乱れ、事件が起き、切なさの残る映画だが、夏休みの雰囲気も感じられるのが楽しく、何度も見た。
映画ちいかわも同様、観ながら南の島のリゾートな雰囲気に浸かり、楽しい気分になりながら、ドキドキもできるのだ。
ちいかわの映画は、エンタメの極みだ。
謎があり、独自の世界観があり、可愛さと、笑いと、不気味さがある。
私は結局、全部で3回、ちいかわの映画を見に行った。出勤時もパンフレットをいつもカバンに忍ばせ、幾度となく読み返して味わっている。
週末はつい、ガチャガチャを観に行ってはグッズがないか探してしまうようになった。
毎晩寝る前には、ちいかわグッズの入ったちいかわ袋を広げて、ただ見るだけで幸せになれる不思議な感覚を味わい、眠りにつく中年になりつつある。
なぜだろう、なんなんだろう。
アニメのちいかわも全話見た。
普段は労働に従事しているらしいこの可愛い生き物たちに、ますます共感してしまっている。
どうか薄まることなく、これからもこの独特の世界観を保ち続けて欲しいと思う。
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