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【ワインとイノコ】ヘパリーゼでも防げない深夜の一撃

師走を前に、友人2人と早めの忘年会を開催。

ワインが大好きなA子は、好きが高じてワインエキスパートの資格まで取得。ワインショップでアルバイトし、イタリアにワインを飲みに出かけるほどのワイン通。

ビールの星からやってきたB子も、もちろんワインが大好き。お店開拓に余念がなく、3人で会うときはいつも素敵なお店を提案してくれる。

私も含め、飲むのが大好きなアラカン女子3人組み。

合言葉はいつも、『ヘパリーゼ飲んで楽しもう!』



16時50分、神泉駅改札そばのコンビニ前で待ち合わせ。

すでに到着していたB子が、私に会うなり開口一番、「ももんちゃん、ヘパリーゼは、(コンビニの)真ん中の棚の左奥ね」。
なんとすでに飲み終えていたらしい。なんだこの、万全の布陣は。

私はお手軽な「ヘパリーゼW」を手に取り、店内でグビッ。そこへA子も到着し、同じ棚に直行。手に黒ラベルの「ヘパリーゼW PREMIUM」を握りしめ、レジでお会計。気合が違う!

今夜の舞台は 神泉 遠藤利三郎商店。世界各地から選び抜かれた300種類のワインとグルメが楽しめる人気店だ。

めくるめくワインの世界へようこそ!

予約した17時に入店すると、若いスタッフがメニューを説明してくれた。

「18時までハッピーアワーで、シャンパン・白・赤・生ビールがいずれも1杯500円です」

ハッピーアワー。なんて心地いい響き……ってことで、まずはシャンパンで乾杯!

何はともあれ、かんぱーい!

フルーティーで華やかな泡にテンションはMAX。近況報告をしながら、2杯目に進む。

“このタイミングでビール飲んでおかないと、もう戻れなくなるから”と生ビールを挟むB子。
さすが、ビール星人の矜持ってやつだ。

お通しは、チーズを練り込んだふわふわスナック。
むっちゃチーズッ!

前菜の盛り合わせに舌鼓を打ちつつ、しゃべりまくるアラカン女子3人。「あ!もう17時50分だよ。あと1杯ずつ頼むね!」とA子。相変わらずの手際のよさ、そして飲むのが早い。

大山鶏胸肉のハム、鶏の白レバームース、フランス産生ハム、自家製テリーヌ、豚のリエット、キャロットラペ、ピクルス、本日の冷製スープ(パンプキン)

ハッピーアワー終了。次に3人の目に留まったのは、「13種類のグラスワイン飲み放題」という魔法の文字。

「1時間半で13種類か……じゃ3人で13種類は制覇できるね」

守護神「ヘパリーゼ」の加護を受けた私たちに、怖いものなどない。

最強のアテ、フライドポテト&トリュフ塩(左下)で白が進む~!

その後はワインエキスパートA子の解説付きで次々とワインを制覇。「これは香りがいい!」「これ、飲みやすい!」など言っていた記憶はある。

……3杯目までは。

クリームチーズとイチジクのブルスケッタ、生ハム添え

どんなふうに終了したのか、会計はどうしたのかも記憶があやふや。電車の乗り換えを間違え、駅員さんに「〇〇駅って、どうやって行くんですか?」と小学生レベルの質問をしつつ、幸せ気分で最寄り駅へ。

やっとのことでマンションのエレベーターホールにたどり着いたそのとき――

チリリリーン、チリリリーン。携帯が鳴る。
この時間に? 誰?

……義母イノコだ。

南アフリカ、スペイン、チェコ、フランス産……のどれか。

👩「……こんな時間にどうしたんですか」
👱「ももんちゃん、あのね、私、明日、倉本医院に行ってこようと思うの」
👩「どこか調子が悪いんですか?」
👱「私、ずっと胃が痛いって言ってるのに、先生、お薬、出してくれないでしょ?でもね、一度はっきり言ってやろうと思うのよ」

夜11時前に、なぜ、その話。
薬を出さないのは、あなたがすでに薬漬けだからじゃないですか。私はアルコール漬けですが。はっはっは。

――なんてボケてる場合じゃない。

スペイン、ラ・マンチャのオレンジワイン。
美味しー!

「今、飲んで帰ってきた」とは言いたくなくて、そのまま会話を継続。さっさとエレベーターに乗ってしまいたい衝動を抑えつつ、ホールのベンチでイノコの訴えを受け流す。

胃には何の問題もないし、胃薬だってたくさんもらってある。そもそも90年も動いてきた消化器官、多少の不具合はご愛嬌だ。

でも「病気マウント」のイノコは、自分の胃の不快感を的確に表す病名が欲しくてしかたがない。

もう「食べすぎによる消化不良」でいいんじゃないですかー!
いいかげん、私を開放してーーー!!

ンドゥイヤとタコのペンネアラビアータ。
「ンドゥイヤ」は、豚肉と唐辛子を使ったイタリアの辛い加工品。

さらに追い打ちのようにオットから割り込み着信。

👦「お前、今、どこにいるんだ?」
👩「1階のエレベーターホール。オカーサンの電話に対応中」
👦「放っとけ。早く帰ってこい」

私だって帰りたい!

魅惑の赤ワインたち。
あぁ、このままワインの海に溺れたい。

オットの電話でイノコとの会話が途切れたので、またこちらからかけ直す。

👩「で、オカーサン。要は私に病院に付き添ってくれという、そういう電話なんですね?」
👱「大丈夫、ひとりでも行けると思うの」
👩「なら、なんでこんな時間にかけてくるんですか?」
👱「ももんちゃんに報告しておかなくちゃと思ったの」

……いい加減にしてくれーーー!!!

11時20分、やっと帰宅。倒れ込むようにベッドにもぐりこんだ。

A4黒毛和牛のステーキ。昇天。

翌朝。
あれだけ飲んだのに、ヘパリーゼ効果で二日酔いはゼロ。
ただ体は軽いのに、昨夜のイノコ砲(=深夜の電話)で精神的には妙にぐったり。

👩「オカーサンって、どうしてあんなにタイミング悪いんだろ」
👦「星の巡り合わせが違うんだよ」

――あー、確かに。

もうよれよれでグラスも合わせられず。

イノコとは、ほんっとにタイミングが合わない。
トイレに行ったり、揚げ物を始めるとかかってくる。
そのくせこっちから電話したときは出ないんだから。

……わざとですか?

👦「ありえるね。なんたって俺たちと違う常識の世界に住んでるんだから」

息子にすらそう言われるイノコって、いったい🤣

あーあ、本当に疲れた。
でも最高に美味しかったから、ま、いっか!


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