メイクは70%の仕上がりがゴール
「もう、これでいいかな」
そう思って鏡から離れたのに、玄関の鏡を見たら「あっ、コンシーラーをもう少し」。結局、また部屋に戻ってメイクをする。

昔の私は、そんなことをよくしていました。
左右対称にしたい。シミは全部隠したい。まつ毛も、もっとボリュームを出したい。
「もうちょっと」「あと少し」。そうやって鏡の前にいる時間だけが、どんどん長くなっていきました。
そんな日って、ありませんか?

私は、よくありました。でも今、「あの頃、足りないと思っていたのは、本当にメイクだったのかな?」。そんなふうに思うことがあります。
30年以上ヘアメイクの仕事をしてきて、少しずつ変わったことがあります。
「もう少し足そう」。そう思うことは、今でもあります。たとえば、チークをもう少し足そうかな。アイラインをもう少し長くしようかな。でも、そこで止めます。
そのほうが、その人らしく見えることがあるからです。
100%まで仕上げることと、
その人らしく見えることは、同じじゃない。
それを、たくさんの現場で教えてもらいました。
だから私は、「もう少しできるかな。」と思うくらいで、一度鏡から離れます。

少し時間を置いて、もう一度見る。それでも、「このくらいでいいかな」と思えたら、そこで終わりです。
私が言う「70%」って、たぶんそのくらいの感覚なんです。不思議なんですけど、そのくらいで終えた日のほうが、「なんか、いいね」と言われたり、自分で「なんか、いいかも」と思えることが多いんです。
最初は、「なんでだろう?」と思っていました。でも、30年以上ヘアメイクの仕事をしてきて、自分なりに見えてきたんです。
100%まで仕上げようとすると、「バッチリ決まってるね」とは言ってもらえる。でも、「なんか、いいかも」は、少し減ってしまう気がするんです。
変身するようなメイクも素敵だと思います。イベントの日や、特別な日には、そんなメイクを楽しむのもいいですよね。
でも、私が毎日のメイクで大切にしているのは「自分じゃないみたい」ではなく「これが私」と思えることです。
70%くらいで止めると、自分の顔がちゃんと残ります。
少しくらい左右が違っていてもいい。シミだって、全部隠さなくてもいい。目を無理に大きく見せなくてもいい。
全部をメイクで整えようとしないから、その人がもともと持っている目や眉、笑ったときの表情がちゃんと見える。
左右の違いも、笑ったときにできる線も、ずっと見慣れてきた自分の顔の一部なんですよね。
そこまで全部「直すもの」にしてしまったら、きれいにはなるかもしれないけれど、自分から少し離れてしまうこともある。
70%くらいだと、メイクをしているけれど、ちゃんと「私」も残っている
そのくらいが、私はちょうどいいんと思っています。そして、私の中では「70%の法則」と呼んでいます。
だから今日も、「もう少し」と思うくらいでブラシを置きます。
あとから鏡を見たときに、
「今日の私、なんかいいかも」
そう思えることが多いからです。

私が書いた本、『なんとなくの自己流から抜け出す 今の自分に合うメイクの正解』でも、ヘアメイクとしての30年以上の活動からわかった「シャレる(年齢に抗わず自然体で、今を自分らしく輝いている)メイク」についてもお伝えしています。よかったら読んでみてくださいね。
これからのnoteでも、そんな「大人のための現実的なメイクや美容のヒント」をお届けしていきますね。
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