ヘアメイクはすべての仕上げの責任は全部自分。そんな私が「人に任せる」ということを学んだ話 〜なぜ、「オンラインのメイク講座」をはじめようと思ったのか?⑦〜
オンラインのメイク講座をはじめた最初の頃は、毎回、目の前の講座のことで精一杯でした。
資料をつくって、添削をして、質問に答えて、また次の講座の準備をする。毎日、その繰り返しでした。
あの頃は、「自分がやる」が当たり前でした。
30年以上ヘアメイクの仕事をしてきて、現場では、自分の手で仕上げます。仕上がりの責任は全部、自分です。だから講座も同じでした。「自分がやればいい」。それ以外のやり方を知らなかったんです。
でも、受講生が少しずつ増えてきた頃から、ふと考えるようになりました。このままで、本当に続けられるのかな……。
忙しいからではありません。体力的に大変だからでもありません。
もし私が仕事を続けられなくなったら、この講座もそこで終わってしまうんだろうか。
そんなことを考えたんです。
そのとき、自分自身に聞いてみました。
私は、何を残したいんだろう? メイクの技術だろうか? 資料だろうか? 動画だろうか?
考えても、どれもしっくりきませんでした。頭に浮かんできたのは、受講生のみなさんの顔でした。
「今日、鏡を見るのが嫌じゃありませんでした」
「娘に『最近なんかいいね』って言われました」
「今日の私、なんかいいかも」
その笑顔ばかり思い出したんです。あぁ、私が残したいのは、この気持ちなんだ。だったら、私ひとりでは残せません。そう思って、人にお願いするようになりました。
……と言うと、すんなり進んだように聞こえますよね。
でも、全然そんなことはありませんでした。お願いしては気になって、また自分でやりたくなって。「やっぱり自分がやったほうが早い」。そう思ってしまう。そんなことを何度も繰り返していました。
はじめて講師をお願いした日は「大丈夫かな」「困ってないかな」と気になって、何度もZoomを開いてしまいました。
講座をやるのは私じゃないのに、なんだか私のほうが落ち着きませんでした(笑)。
でも、講座が終わったあと、受講生のみなさんが笑顔で話している姿を見て、ホッとしたんです。そして同時に、少し驚きました。私なら言わない言葉で寄り添っている。私にはつくれない空気をつくっている。その講師だから話せることがある。
その景色を見ながら、すごくうれしくなり。「あぁ、想いは届くんだ」。そう思いました。
……と思ったのも束の間でした。
次の講座では、また口を出したくなっている自分がいました。人って、そんなに簡単には変われないんですよね。私も同じでした。
少し任せられたと思ったら、また抱え込む。少し手放せたと思ったら、また心配になる。その繰り返しでした。
でも、その繰り返しがあったからこそ、少しずつ信じられるようになったんです。私じゃないからこそ届くものがある。私ひとりでは見ることのできなかった景色がある。
そのことを、講師のみなさんが教えてくれました。振り返ると、一番変わったのは講座ではありません。私でした。
「私がやらなきゃ」。そう思っていた自分が、「私じゃなくても、この想いはちゃんと届く」。そう信じられるようになった。
もちろん、今でも全部任せられるわけではありません(笑)。
でも、あの頃のように「全部自分でやらなきゃ」と思うことは、ずいぶん少なくなりました。何度も戻って。何度も迷って。そのたびに、少しずつ前に進んでいます。

なぜ、プロのヘアメイクである自分の手を加えることのない「オンラインのメイク講座」をはじめたのか。noteで、はじめるきっかけから、今に至るまで、そのストーリーを集中連載で綴っていきます。
・はじめるきっかけ
・なぜ、はじめようと思ったのか?
・最初からオンラインありきだったのか?
・周囲の反対は? それに対する自分の気持ちは?
・はじめるにあたっての準備、試行錯誤、壁、トラブル等は?
・どんなふうに続けていったか?
・どんなときがたいへんか? どんなときがうれしいか?
・続けてみて今思うこと、感じること
そして、「今の自分に合うメイクが、自分でできるチカラ」を伝えているのが、私が書いた本『なんとなく自己流から抜け出す 今の自分に合うメイクの正解』です。よかったら、読んでみてくださいね
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