見出し画像

父の日

15年前の3月、
東京で家族と離れて暮らしていた俺は、
福岡にある父の入院先へ見舞いに行った。

父は病室で、涙を流しながら俺に言った。
「お前の将来が心配でならん。好きにやらせてきたが、俺が無理矢理にでもレールを敷いて導くべきだったんじゃないかと思って、後悔している。」

あの厳しかった父が、声を震わせながら泣いた。

俺は「ごめん」と言うのも違う気がして、何も言えなかった。
一緒にいた母も妹も、ただ静かに涙をこらえることしかできなかった。

その約2ヶ月後、父は他界した。
あれが、父との最後の会話だった。



葬儀の日。 住職が説教の中で、こんな話をしてくれた。

「人はあの世へ行くと仏様となり、すべてに対して悟り、何の後悔も残しません」

その言葉が本当かどうかは分からない。

でも――

あの時、少し心が救われた気がした。

お父さん。
今も俺は、前を向いて頑張ってるよ。

鏡の中の自分に 「Are you happy?」 と問いかけ、
笑顔で 「Yep!」 と答えられる、そんな毎日を送れるように。

お父さん、ありがとう😊

いいなと思ったら応援しよう!