ロボットにしては人間っぽいし、ゾンビにしては元気なほう
現在参加しているプロジェクトの隣のチームには、わたしと同い年の同僚氏がいる。
お互い所属している会社は違うのだが、以前に別のプロジェクトで一緒になった頃からの知り合いで、なんだかんだ10年くらいの付き合いになるんだろうか。ときのながれ、いとこわし。
現在のプロジェクトは彼からの紹介で参加した経緯があり、弊社としてはそれなりに恩義があるっちゃーあるような気がしなくもなくもない。
隣のチームといえど、私のチームは彼のチームが使うシステムの開発・運用・保守を行っているため、日ごろから密接に連携が必要で、そういう時に付き合いの長い相手だと何かと物事が進めやすく助かっている。
ちなみに、わたしは彼のことを友人だと思っているが、彼はわたしのことをあくまで仕事の同僚だと判定しているらしい。友達にも片思いがあるということを知った。彼から教わることは多い。
同僚氏を見ていると、自分からチームのメンバーに話しかけて、よく雑談している。彼のチームはいつも和やかだ。もともとの気質もあるだろうが、どうやらそれなりに意識的に行っているらしく、リーダーとして、ある種の公平さや平等さを重んじているようだ。誰に対しても同じくらいの温度で、同じくらいの量の会話をしているように見える。いいリーダーだと思う。
ただその平等さが、どうにも"機械っぽい"のだ。ロボットじみているというか。
あのコミュニケーション能力がすべて「仕事だから」という理由に基づいていると考えると、わたしはちょっと怖い。
チーム内では「同僚氏ロボット説」がまことしやかに囁かれている。本人は納得していないみたいだけれど。
でも本当にロボットだとしたら、けっこう人間らしい方だと思う。
そんな同僚氏は体が弱い。見た目にはそんなに貧弱さを感じないんだけど、中身が弱いっぽい。
低血圧らしく朝はだいたい遅刻している。トマトは血圧を下げる効果があるので食べられないらしい。
麻酔をするとかなり酷い眩暈を起こすので、歯医者では麻酔せずに治療するらしい。「痛くないの?」と聞くと「痛いけど、まあ痛いだけだから」とか言う。よく意味が分からない。彼を開発した博士は「痛覚」の装置を作り忘れたんだと思う。
日曜は夜更かししてゲームするので、月曜日の午前中はだいたい体調が悪い。それは自業自得なのでは。
人としてはけっこう弱い方で、どちらかといえばゾンビに近いような気もする。
でもゾンビだとしたら、かなり元気な方の個体だと思う。
そんな同僚氏は最近、ダンス教室に通い始めたらしい。元気なゾンビは新しいことが好きだ。
授業の枠ごとにダンスのジャンルを選べるようで、たしかハウス?とかいうジャンルにはまっているそうだ。
「ロボットダンス」という言葉が頭をよぎったけど、さすがに野暮なので言いたくなかった
ちなみに同僚ロボには、わりと良い「ユーモア」装備がついている
