『手ぶらで来るなら、来るな。』|会社を1%マシにする教訓 #004
『手ぶらで来るなら、来るな。』
■ 意味
相談や会議の場に、自分の考えや仮説を何も持たずに飛び込むと、相手の時間を奪うだけで何も決まらないということ。
■ こんなとき
「この件、どうすればいいですか?」
分からない問題にぶつかったとき、調べもせずにそのまま上司の席へ駆け込む。すると上司から「で、君はどうしたいの? 手ぶらで相談に来ないで」と冷たく返され、萎縮してしまう。怒られた側は「分からないから聞きに来たのに、なぜ冷たくされるのか」と理不尽さを感じるシーン。
■ なぜ?
突き放されたように感じるこの言葉の裏には、実は「考えるためのエネルギー」をめぐる力学がある。
「どうすればいいですか?」という問いは、冷蔵庫の食材を前に「何か作って」と丸投げするようなものだ。言われた側は、献立を一から考え、味付けを決め、調理するまでのすべての負担を背負わされることになる。
人は、ゼロから何かを決める瞬間に最も大きなエネルギーを消費する。
だから、相談に必要なのは完璧な正解ではない。「私はA案が良いと思います。理由は二つあります」という、自分なりの荒削りな仮説だ。それは、自分で野菜を切り、下ごしらえを済ませた材料を机の上に並べることに似ている。材料さえあれば、相手は「じゃあ少し塩を足そうか」と味を調えるだけで済む。
相手が怒っているのは、あなたの知識不足に対してではない。「判断するための下ごしらえ」を丸ごと押しつけられたからなのだ。
■ どうする?
誰かに相談を持ちかけるときは、どんなに小さくてもいいから「自分なりの答え」をポケットに入れていく。
間違っていても構わない。「現状こうなっていて、私はこう動くのがいいと考えています」と、切った材料を差し出すように伝えてみる。
手ぶらをやめるだけで、相談は「叱られる場」から「二人で味付けを決める場」へと変わっていく。
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