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1次産業、2次産業、3次産業とともに 計画の基本は四季を意識することだ

~四季を意識することで自分の事業の労働力や頭脳労働の振り分けが効率よく出来る~
さて、気がつけば今年も8月。もうすぐ9月を迎えようとしております。
企業によって年度の始まりは異なりますが、4月を年度初めとしている企業であれば、すでに5か月が過ぎようとしています。
皆様の会社では、今年の計画は順調に進んでおりますでしょうか。
それとも、思ったように進んでいないでしょうか。
計画を立てた時点では、「今年はこうなるだろう」「このくらい売れるだろう」「この時期にはこの仕事をして、次の時期にはこちらに力を入れよう」と、ある程度の見通しを立てていたはずです。
しかし、現実はなかなか計画通りにはいきません。特に今年のように異常気象が続き、季節そのものの様子が例年と違ってくると、1次産業、2次産業、3次産業のすべてに、その影響が波及していきます。
そこで今回のオープンチャットでは、「1次産業、2次産業、3次産業ともに、計画の基本は四季を意識することだ」というテーマでお話ししたいと思います。
農林水産業などの1次産業は、言うまでもなく季節との関係が非常に深い仕事です。
春に種をまき、育成し、夏に生産・加工を進め、秋に収穫し、販売する。
そして冬には検証や次年度に向けた準備をする。
もちろん現実の産業はこれほど単純ではありませんが、基本的には「季節の流れ」の中で仕事が動いています。
増えていく需要や、その1次産業から原材料を受け取る2次産業も季節の影響を受けます。さらに、その商品を販売する小売業、飲食業、サービス業などの3次産業も、消費者の行動や商品の入荷状況、価格、観光客の動きなどを通じて影響を受けます。
つまり、1次産業、2次産業、3次産業は別々のものに見えて、実は一本の線でつながっている。
商流や職種が違っても根底では連動しており、その線の上を「季節」という大きな時計が動いているわけです。私たちはつい「去年はこうだったから、今年もこうだろう」と考えてしまいます。過去の経験は非常に大切です。しかし、「経験があること」と「経験に縛られること」は別です。

例年、この時期にはこのくらい売れる。例年、この頃にはこの天候になる。
例年、この地域ではこういう商品が動く。
そうした経験則は計画を立てるうえで重要な材料になります。しかし、経験則をそのまま未来予測にしてしまうと、環境が変わった瞬間に計画が崩れます。
今年は特に、異常気象によって「いつもの季節」がいつもの姿をしていない場面が増えています。だからこそ必要なのが、「想定力」だと思います。

以前、ある方に「農業の被害の大半は人災だ」と言われたことがあります。もちろん、自然災害そのものを人間が防ぐことはできません。
しかし、その方が言っていた意味は、「起きる可能性があることを、あらかじめ想定していなかったことによって、被害をさらに大きくしてしまうことがある」ということでした。
たとえば秋田には台風が来なかったけれど、他の主要な栽培地域が大きな被害を受けたらどうなるでしょうか。
全国的に作物の供給量が減少し、相場が大きく動くかもしれません。
原材料価格が上がり、仕入れが難しくなるかもしれません。
その結果、1次産業だけではなく、加工を担う2次産業、販売を担う3次産業にも影響が出てきます。
つまり、「自分のところに災害が来なかったから大丈夫」ではないのです。
自分のところに起きていることだけを見るのではなく、「周囲で何が起きているのか」「その結果、自分たちに何が起こるのか」まで考える必要があります。これが、私は「視座を広げる」ということだと思っています。
経営において大切なのは、すべてを当てることではありません。
未来を完全に予測することなど、誰にもできません。
重要なのは、「もしこうなったらどうする?」を、あらかじめいくつ持っているかです。
たとえば、春の段階で「今年はこういう流れになるだろう」と計画を立てる。
その一方で、「もし天候が大きく崩れたら」「もし原材料が不足したら」「もし価格が急騰したら」「もし需要が落ち込んだら」「もし人手が足りなくなったら」と、いくつかのシナリオを考えておく。
増えうるリスクや変動要素をあらかじめ洗い出しておく。そして夏になったら、春に立てた計画と現実を比較する。
違いがあれば修正する。
秋には結果を検証し、冬には次年度に向けて知恵を蓄える。この繰り返しです。
だから、私は「四季」を単なる季節としてではなく、経営のリズムとして捉えてみると面白いと思っています。
春は「種まきと準備」。
何を仕込むのか、何に力を入れるのかを決める時期。
夏は「生産と実行」。計画を実際の成果に変えていく時期。
秋は「収穫と回収」。ここまでの取り組みを成果につなげ、価値をお客様に届ける時期。
そして冬は「検証と蓄積」。何が良かったのか、何が駄目だったのか、何を次年度に残すのかを考える時期です。
もちろん、すべての業種がこの通りに動くわけではありません。
しかし、自分の事業に「四季」を当てはめてみると、意外と見えてくるものがあります。
今、自分たちは春なのか、夏なのか、秋なのか、それとも冬なのか。
そして、「今やるべき仕事」と「まだやらなくていい仕事」を分けることができる。
これは限られた人材や労働力を配分するうえでも重要です。
人間の時間も、会社のお金も、経営者の頭脳も、すべて有限です。だからこそ、「いつ、何に力を投入するのか」を考えなければなりません。
何でも一年中全力でやろうとすれば、どこかで疲弊します。
逆に、季節ごとの波を理解していれば、「今は準備に力を使う」「今は現場に集中する」「今は売ることに集中する」「今は検証する」と、力の配分を変えることができます。
そして、ここにもう一つ重要なポイントがあります。
それは、「計画は当てるために作るものではなく、外れたときに修正するためにも作るものだ」ということです。
計画通りにいかなかったから、計画が失敗だったとは限りません。むしろ、計画と現実の差を見ることで、次の一手が見えてきます。
問題なのは、計画が外れたことではありません。外れているのに気づかないことです。あるいは、気づいているのに、「まあ例年通りだから大丈夫だろう」と放置してしまうことです。
季節は毎年巡ってきます。
しかし、同じ季節が同じ条件で巡ってくるわけではありません。
気候も違えば、市場も違う。
競合も違う。
お客様も違う。
人材も違う。
だからこそ、「去年の秋」と「今年の秋」は、同じ名前の季節であっても、経営環境としてはまったく別物なのです。
では、私たちはどうすればいいのか。
まず、季節ごとに大まかな計画を立てる。
そして、その計画が崩れる可能性をいくつか考えておく。
さらに、実際に季節が進んだら、「今、何が起きているのか」を確認する。
探りながら必要なら計画を変える。
つまり、「計画→実行→観察→修正」というサイクルを回すことです。
未来を完全に当てようとするのではなく、未来が想定と違ったときに、早く対応できる会社をつくる。私は、これからの経営にはこの考え方がますます重要になると思っています。
特に異常気象、人口減少、人手不足、原材料価格の変動、消費者ニーズの変化など、これまで以上に「読みにくい時代」になっています。
だからこそ、読みを当てる能力だけではなく、外れたときに立て直す能力が必要です。
起きる前に少しだけ考えておく。
そして、想定を超えることが起きたら、またそこから考える。
今年も残り4か月余りです。
皆様の会社では、これから秋に何を収穫し、冬に何を蓄えるのでしょうか。
そして、その先の春に、何を新しく始めるのでしょうか。
「例年、こんな感じだから今年もこんな感じだろう」ではなく、「もし違ったらどうする?」を一つでも二つでも考えてみる。
それだけでも、経営の見え方は変わってくるはずです。

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