AI × テーマの決め方。「どれがいいと思う?」と聞く前に、比較の基準を3つ書く
目次
はじめに
第1章:「どれがいいと思う?」と聞くと、候補がまた増える
第2章:比較の基準は、機械に考えさせる前に自分の言葉で書く
第3章:当てはめさせるのは点数ではなく、メモにあるかないか
第4章:3つとも根拠がある題だけ残し、選ぶのは人
第5章:1つに落ちるまで、本文もタイトルも頼まない
第6章:テーマを決める夜に起きやすい読み違え
おわりに
はじめに
手元には調べる夜に残したメモが数件あり、ChatGPTかClaudeの入力欄は開いていて、あとは「このメモから、今夜書くテーマを決めて」と送れば終わり、という気持ちになっている。一人でnoteを出す夜でも、解説動画の一本目を決める夜でも、この画面の開き方はよく似ていて、調べる作業は終わったつもりで決める作業だけが残っている。
ところが「どれがいいと思うか」とだけ聞くと、機械は場を持たせようとして、複数の案をそれぞれの長所つきで返す。長所はどの案にも書けるので、長所が並ぶほど選ぶ手がかりが減り、減った手がかりのまま一晩置くと、翌日また同じ質問をすることになる。候補が増えたように見えて、実際には確認済みの1行は1ミリも増えていない。
今夜やることは、生成AIに新しいジャンルを発明させることではなく、比較の基準を3つだけ自分の言葉で書き、手元のメモをその3つに当てはめさせ、点数ではなく「メモにあり/メモに無し」を返させることだ。 使うのは文章生成(ChatGPTまたはClaude)1つに絞る。検索は調べる夜に使い終えている想定で、CanvaもYouTube Studioもまだ開かない。メモがまだ無い人は、先にブラウザで公開ページを3件開く話を読んだほうが早い。本記事はその続きで、3件あるいはそれ以上のメモがある状態から、書く題を1つに落とす話に限る。
対象は、雇用が少ないかゼロで、調べる時間と書く時間が同じ週に乗っている人だ。筆者が特定のジャンルで月収を得た体験談ではなく、特定の生成AIの優劣をここで検証するのでもなく、月収がいくらになるとも書かない。
第1章:「どれがいいと思う?」と聞くと、候補がまた増える
試しによくある送り方を再現してみると、手元のメモが国税庁の案内1件、会計ソフト会社の解説1件、noteの既存記事1件だとして、入力欄に「この3つから、一人社長向けに今夜書くテーマを決めて。いくつでもいいから案を出して」と書くと、返ってくる一覧には「制度解説」「実務の失敗談」「ツール比較」「読者の悩みに寄り添う導入」のように、どれも正しそうな案が並ぶことが多い。並んだ案を読むとリサーチはテーマ決めまで終わったように見えるが、各案の横に、手元のメモのどの1行が根拠なのかが付いていない。
機械は、メモの中身より「一人社長向け」という空気に合わせて案を増やす。増やす作業は速い代わりに、確認していない切り口まで候補に混ざる。混ざった候補をそのまま本文へ渡すと、調べる夜に開いていないページの数字を決めたあとにまた探しに行くことになり、決める作業のつもりが調べる作業のやり直しになっている。
「どれがいいと思うか」が弱いのは、質問の形が好みを聞いているからだ。好みは機械が不得意で、不得意な作業を頼むと無難な方向にそろえてくる。無難な案はどの読者の夜にも少しずつ当てはまるように書かれるので、今夜の自分のメモには1行も対応していないことがあり、対応していない案を「良さそう」と残すと翌日の本文で出典を足す作業が発生する。出典を足す作業は、基準を先に書いて当てはめるより高い。
では文章生成をテーマ決めに使ってはいけないのかというと、そうではなく、使ってよい作業と使ってはいけない作業が違う。使ってよいのは、自分が書いた3つの基準に対して、各候補がメモのどの1行で支えられているかを仕分けさせることだ。使ってはいけないのは、ジャンル名を新しく作らせること、需要があると言い切らせること、本文の見出しを先に5案出させることだ。ジャンル名を新しく作らせると、手元のメモに無い市場がそれらしい言葉で出てくる。需要があると言い切らせると、検索して確認していない数字が本文の前提になる。見出しを先に出させると、確認できた1行より先に、目を引く言葉が固定される。
今夜文章生成へ送る内容は次で足り、文面の完成形を他者の記事から写す必要はなく、自分の言葉でこの順番が残ればよい。
調べる夜に残したメモを貼る。各メモは、開いたページのタイトル、日付、確認できた事実の1行、自分が開いたアドレス、の4点があれば足りる
そのメモから浮かぶ、今夜書けそうな題を、思いつく数だけ短く並べる。まだ選ばない
比較の基準を3つ、自分の言葉で書いて渡す。基準の例はあとに書く。3つより増やさない
各題を、3つの基準それぞれについて、メモにある事実だけを根拠に当てはめさせる。根拠が無い基準には「メモに無し」と書かせる
3つとも根拠がある題と、1つ以上「メモに無し」が付いた題を、分けて一覧にさせる
一覧ができたら、「この中で、今夜すでに書き切れる事実がいちばん多いのはどれか。理由も一緒に返して」と聞き、返事を待って止まる
6番で止まるのがポイントで、機械は一覧のあと続けて本文を書きたがる。続けて書かせると、第1章のズレが下書きに固定されるため、一覧を見た瞬間に本文へ進まない。所要時間の目安は、基準を書くまでが5分、当てはめの往復が10分、読んで選ぶのが10分、合計25分あれば足りることが多く、同じ夜に本文の下書きもタイトル5案も頼まない。
一覧が返ってきたとき、機械がすべての題に「根拠あり」を付けることがあるが、この結果をそのまま信じない。3つとも根拠ありというのは、基準が緩すぎるか、仕分けをせずに全部を通しているかのどちらかであることが多い。そうなったら基準の文面を読み返し、「メモのどの1行が根拠か」を1件ずつ自分の目で確認し、実際にはメモに無い理由が根拠として書かれていたら、その基準について「メモに無し」に書き直させる。
ここまでが「どれがいいと思うか」と送ったあとに起きることの見取り図で、次に必要なのは比較の基準をどの言葉で先に固定するかを、具体的なメモの形で追うことだ。
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