推しに会うまであと30日。髪ももう一段どうにかしたくなった
推しに会うまで、あと30日。
顔は美顔器。
スチーマーも気になる。
近所への買い物は歩くことにした。
体に使うEMSまで調べた。
ここまで来たところで、ポムは鏡を見た。
「髪もやるか」
当然のように次へ進んだ。
普段から何もしていないわけではない。
シャンプーもトリートメントも使うし、洗い流さないトリートメントだって使う。髪はきちんと乾かすし、出かける日は必要ならヘアアイロンも使う。
今さら「ヘアケアを始めよう」という話ではない。
推しに会うまで30日ある。
だったら、普段使っているものをもう一段上げたらどうなるのか。
ポムが最初に見たのは、毎日使うドライヤーだった。
高いドライヤーって、何がそんなに違うの?
ドライヤーを検索してみる。
数千円のものもある。
一万円台もある。
そして数万円するものまで普通に出てくる。
「髪を乾かす機械だよね?」
基本的な目的は同じはずである。
なのに価格差がすごい。
美容家電を調べ始めてから、こういうことが多い。
見たことのある道具なのに、本気で調べると知らない機能が大量に出てくる。
だったら今回は、高価格帯のドライヤーが何をしているのか見てみよう。
Panasonicを見たら、ブラウンだけ高い
まず見つけたのがPanasonicの「nanocare ULTIMATE」。
ところが商品を探していると、
と
が出てきた。
EH-NC50にはクラフトブラックとシルキーホワイトがある。
そしてEH-NC80は、オーセンティックブラウン。
Amazonで見比べたポムは思った。
「……ブラウン、高くない?」
何これ。
色代?
さすがにそんなわけはないだろう。
調べてみた。
違った。
EH-NC80はSpecial Editionだった。
単なる色違いではない。
EH-NC50には、
MOIST
STRAIGHT
AIRY
という3つのパーソナルメニューが搭載されている。
一方、EH-NC80には、
MOIST
STRAIGHT
AIRY
SMOOTH
の4つ。
SMOOTHが使えるのはEH-NC80だけだった。
「なるほど。高いほうなのね」
ようやく価格が違う理由が見えてきた。
そしてSMOOTHが気になってしまった
問題はここからだった。
MOISTは、髪のパサつきが気になるときに、しっとりまとまる仕上がりを目指すメニュー。
STRAIGHTは、うねりが気になるとき。
AIRYは、髪がぺたっとしやすいとき。
そしてEH-NC80だけにあるSMOOTHは、髪の手触りが気になる人向けで、さらさらな仕上がりを目指すメニューだった。
ポムは自分の髪を触った。
「……SMOOTH、いいな」
まずい。
ブラウンだけ高い理由を調べていただけなのに、高いほうを選ぶ理由まで見つけてしまった。
ただし、SMOOTHがあれば全部において上位互換というわけではない。
しっとりまとまりを求めるならMOIST。
さらさらした手触りを求めるならSMOOTH。
目的によって使い分ける機能だった。
それなら、
MOIST・STRAIGHT・AIRYで十分ならEH-NC50。
SMOOTHまで使いたいならEH-NC80。
と考えれば分かりやすい。
「30日あるしなあ」
なぜ30日あると上位モデルが必要になるのか。
そこはポムにも分からなかった。
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ReFaは髪の場所によってモードを変える
次に見たのが、
だった。
これもただ温風を出して乾かすだけではない。
頭皮や生え際付近を乾かすときにはSCALP。
髪の中間から毛先をしっとり仕上げたいならMOIST。
ふんわり仕上げたいならVOLUME UP。
使う場所や求める仕上がりによってモードを変える。
さらにセンシング機能によって温風と冷風を自動で切り替える仕組みも搭載されている。
「ドライヤーが自分で温風と冷風を変えるの?」
ポムの知っているドライヤーは、自分でスイッチを押していた。
最近のドライヤー、かなり働く。
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Dysonは頭との距離まで見ていた
高価格帯のドライヤーを見ていると、当然これも出てくる。
Dyson Supersonic Nural Shine ヘアドライヤー
スカルプモードでは、赤外線距離センサーが髪までの距離を測り、それに応じて風温を自動調整する。
低温ツールを装着した状態では、頭皮をやさしく乾かすための温度制御も行われる。
さらに、ドライヤーを置いたことを検知するとヒーターを止め、風速を下げるアイドリング機能まである。
「……置いたのも分かるの?」
分かるらしい。
美容家電を調べているうちに、機械側がどんどん賢くなってきた。
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3台とも高い。でも、方向が少し違う
ここまで見て、ようやく分かってきた。
高いドライヤーは、単純に「風が出ます。高いです」という話ではない。
Panasonicのnanocare ULTIMATEなら、髪の悩みや求める仕上がりに合わせてパーソナルメニューを選べる。
ReFa BEAUTECH DRYER BXなら、頭皮、中間から毛先と、乾かす場所や仕上がりによってモードを使い分けられる。
Dyson Supersonic Nural Shineなら、距離センサーによる自動温度調整など、熱への配慮を意識した機能が目立つ。
同じ高価格帯でも、何を重視しているのかが違う。
「なるほど」
ポムは少し納得した。
そして価格をもう一度見た。
「……でも高いな」
そこは変わらなかった。
でもドライヤーって毎日使う
ここでポムに、非常に危険な考えが浮かんだ。
美顔器なら、使用頻度を確認する必要がある。
EMSも使い方が決まっている。
スチーマーも、自分の生活にどう取り入れるか考える必要がある。
でもドライヤーは違う。
髪を洗えば使う。
今日も使う。
明日も使う。
推しに会う30日後まで、ほぼ毎日使う。
そしてライブが終わっても使う。
「毎日使うなら、いいんじゃない?」
出た。
使用回数で価格を割り始めた。
数万円する。
でも一年使えば何百回も使う。
数年使えばもっと増える。
一回あたりにしたら。
「待って。これ、そんなに高くないんじゃない?」
高い。
普通に高い。
計算によって値段そのものが下がるわけではない。
しかしポムの心理的な価格は猛烈な勢いで下がっていた。
ポムならどれが気になる?
改めて考える。
仕上がりを選びたいならPanasonic。
しっとり、ストレート、ふんわり、さらさら。
特にSMOOTHまで使いたいならEH-NC80。
頭皮から毛先まで、乾かす場所に合わせて使いたいならReFa。
センサーによる温度調整が気になるならDyson。
どれも方向が違う。
だったら最後は、自分が何を一番求めるかで決めればいい。
ポムは自分の髪をもう一度触った。
推しに会うまで30日。
さらさら。
いい。
「……EH-NC80かな」
ブラウンが高いと言っていた人間が、無事ブラウンへ戻ってきた。
推しに会うまで、あと30日
顔。
頭皮。
体。
そして髪。
30日計画は着実に範囲を広げている。
でもドライヤーについては、ポムなりにかなり納得できた。
特別な美容時間を増やすのではなく、
もともと毎日やっていることに使う道具を変える。
これなら続かないという問題も起こりにくい。
しかもライブが終わってからも使える。
ポムはEH-NC80の商品ページをもう一度開いた。
オーセンティックブラウン。
やっぱり高い。
「でもSMOOTHあるしなあ」
購入理由を作る能力だけは、美容を始める前より確実に向上していた。
※Amazonのアソシエイトとして、ZERO POINTは適格販売により収入を得ています。
