見出し画像

メロンパンの硬い部分は嘘

あなたにアドバイスは求めてないです、と言ったらこの人は顔を真っ赤にして怒るのかなぁと思いながら、話を聞いている。
こういう時、婉曲に伝えるには、どうしたらいいのだろう。そう考えながら、人生20万回目(概算)くらいの「そうなんですね」を言ってみる。
いや、そうなんだよ、まさに!とも言われずに、私のそうなんですねは虚空に消え、「会話」のふりした「アドバイス」が延々と続くのだ。
もういい、わかった。あなたの言うそれがベストだそうします、と言っても話は終わらない。

生物じゃないといけないんですか?
そうつぶやくと、相手は、え?といった。

ええと、ほら、ぬいぐるみとか花瓶とか水道の蛇口とかそう言うのではダメなんですか。生物以外で。コンセントの差し込み口とか、床に落ちた帽子とか、昔のサイゼリアの壁紙とか、そういう物相手ではだめなんですか?
そう、今ならaiとか。月々3000円くらいでそこそこなクオリティ期待できるみたいですよ。
なんの話をしているか?ええとそれは対象です、あなたは何を目的に誰を対象に話してるのですか。あ、気に障ったらごめんなさい。私昔から物言いがストレートすぎるって両親から注意されているのに、いまだに治らなくて、ホント良くないですよね。婉曲な言い回しってコミュニケーションを円滑にするために必要ですよね。だからaiに教えてもらってるのです最近、すごく親切で、ええ、月々たったの3000円で。三万円くらいのもあるらしいですけどさすがに倫理に反するかなって、いえ、倫理なんで恐ろしい言葉を使うこともなかったんですけど、言っても便利な世の中になりましたよね。お金を払えば済むわけですから、本当に…ええ、ええ…え?もういい?すみません、私何か気に障ることをしましたでしょうか、はい、はい、ああ、やっぱりしてしまったんですね、私どうしたらいいでしょうか、どうやってお詫びしたら、え?自分で考えろ?そうですよね、本当におっしゃる通りで、ええ、自分で考えます。

こうして私は晴れて、自分で考えることを他人に許されたのであった。