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初代ガンダム好きから見る、ジークアクスのオタクポイント


感想

2025年1月17日、上映開始日に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を見てきました。

20代後半になりますが、これまでのガンダムの映像作品は恐らく全て視聴し、それなりに青春を共にしてきました。

中でも初代『機動戦士ガンダム』(以下:ファーストガンダム・原作)は間違いなくナンバーワンで、その世界設定、台詞回し、ドラマに魅了されてきました。
一年戦争史と睨めっこしたりもしていました。

人生で見たアニメの中で、ファーストガンダムが一番好きと言えるほど好きな作品になっていました。

そんな中、水星の魔女のPROLOGUEの先行イベント上映を見に行くくらいのテンションに突きつけられた GQuuuuuuX -Beginning-。

全身から変な汗が出てきて、感情の割合としてはこんな感じになっていました。

上映終了後に衝動的に友達に送った Discord

この記事のやりたいこと

人生で一番好きなアニメがこんなことになったのだから、感情がぐちゃぐちゃにもなりました。

ですが、自分はこういうぶっとんで挑戦的なエンタメがかなり好きです。

分かる人だけ向けに例を挙げれば、『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』がめちゃくちゃ好きです。

(ざっくり言うと、10周年記念作品で主人公が死にました)

好きポイントは内容そのものを超えて、「大団円お祭り同窓会で良かったところを、10年ごしに、ここまで本気の作品にしてくれたことが嬉しい」ということです。

GQuuuuuuX に於いても、50年以上(50余年?)経った作品の if ストーリーを、安易な演出に逃げず、ここまで真っ向から本気で扱ってくれたことがたまらなく嬉しかったです(リアタイ世代ではないですが)。

まさか、一年戦争から5年後が舞台になるとは。。。

この記事でやりたいのは、GQuuuuuuX が if ストーリーとしてどれくらい素晴らしいかを、ストーリーに絞ってまとめます。



ナレーションや音楽、SE が良すぎたのも書きたかったですが、割愛します。


オタクポイント

映画1回見たうろ覚えなので、訂正など大歓迎です。

逃げなかったキシリア

ちょっと順番が前後しますが、ここが一番感動したのではじめに書きます。

1年戦争編の終盤、月面基地グラナダで指揮を執るキシリア。
そこへ、ワッケイン率いる連邦の艦隊が、ソロモン(改めコンペイトウ)を堕とす作戦を実行します。

そこでキシリアは、部下から自身の撤退を提案されます。
しかし、キシリアは撤退を断ります

原作を見ていない方にはかっこいい指揮官が映る普通にカッコいいシーン。
しかし、原作の内容を覚えている方は、ここで引っかかったのではないのでしょうか。
原作最終回、 ア・バオア・クー最終決戦にて、キシリアは部下に気取られないようにグラナダへの撤退を選択しています。

一見すれば、この if ストーリーは矛盾しています。

しかし、この行動原理にフォーカスすれば全く矛盾してないどころか、キシリアを再解釈した素晴らしいシーンになっています。

原作で撤退する時、キシリアはこんな発言をしています。

私が生き延びねば、ジオンは失われる。

『機動戦士ガンダム』最終回より

この時点で、キシリア以外のザビ家の人間は全て死んでいます。
(ミネバやゼナに関しては、生きながらえていたのを知らなかったか、勘定に入れてないだけだと思います)

なので、この撤退の決断は自分の命が可愛いわけではなく、あくまでジオンのための最適な決断をしたまでといえます。

対して GQuuuuuuX での世界線は、ドズル以外は恐らく生きています。
よって、ザビ家としての最適の道を選んだ結果、逃げずに留まることを選んだのだと考察されます。

原作『ガルマ散る』にて、「私とてザビ家の男」とガウを特攻させようとしたガルマの姿も重なります。

「原作でも逃げたからここも逃すか」と安易にならず、考えた上での行動。完璧なキシリア・ザビの解釈、オタクすぎるっっ!!


01号機と鹵獲したザク

一番話したいところを話したので、始めの方のシーンに戻ります。

サイド7コロニーへの潜入→ガンダム鹵獲までの細かいところまでが完璧なのは言うまでもなく、シーンは過ぎてコロニー脱出後。

ワッケインの艦艇から、2機のモビルスーツが出撃します。

ここで私は願いました。
「頼むから、ジムを出さないでくれ…!!!」

一年戦争史において、連邦の量産型として代表的なジムは、型式番号 RX-79 が表すようにガンダム(RX-78)の次に開発されたもの。
この時点ではまだ開発されていません。

いくつかの宇宙世紀スピンオフを見てきた私は「こういうとき、大体ちょっと時代背景が怪しいジムが出てくる…!」と経験に刻まれています。

しかし出てきたのは、RX-78-1 ガンダム鹵獲したザク

ワッケインの艦艇が搭載しているのは少しご都合主義感あるが、時代背景を考慮して矛盾のない完璧なチョイス!
MSVに触れたことがある人なら誰もが知っているプロトタイプガンダム、V作戦がザクを鹵獲したことによって進んだのはどっかで聞いたことあります。

戦闘においても、原作においてザクでガンダムを圧倒したことが証明されているシャアが、ほぼ同スペックのプロトタイプガンダムに勝つこともすんなり受け入れられます。
ビームライフルで原作同様の姿勢でザクを破壊、戦艦並みと驚くところまでできて完璧。

ガンダムが好きであればこの辺の矛盾がないことは当然と思ってしまいますが、しっかり考証して、かつ演出も完璧にしてくれるのは至難の業だと思います。
あまりにもオタク、感謝。

シャアが来る

原作 40 話『エルメスのララァ』にて、挿入歌『シャアが来る』が流れます。
しかし、これが流れた戦闘においてはシャア自身はかなり後れをとっていました。

アムロのガンダムもマグネットコーティングによって強化された直後、アムロの攻撃に気づかないシャアを、ララァのビットが守る、能力差を象徴的に表したシーンすらあります。


この挿入歌は GQuuuuuuX において使われました。

しかし、この世界線においてはシャアは最強。
しっかりと迫力を持ってこの曲が意味を持つことになりました(ボーカルなしのアレンジ版でしたが)。

そしてララァ専用モビルアーマーのビットが装備された、アムロの乗るはずだったガンダムに乗ったシャアが描かれます。

原作とは明らかに違うという印象を嫌でもつけられます。

これほど意味を持った劇伴があっただろうか、あまりにもオタク。


ブラウ・ブロ改名

シャリア・ブルが原作で乗っていたモビルアーマー、ブラウ・ブロは見た目をほぼ変えず、型式番号もそのままキケロガという名前に変更されました。

シャリア・ブルといえばブラウ・ブロです。
歴史が変わってニュータイプ研究が推し進められたといって灰色のサイコミュ試験型ザク的なやつが突然現れてもやり過ぎ感があるし、しっくりこない。
それにブラウ・ブロは複座です(4人くらい乗ってた記憶)。
メインキャラに昇格したシャリア・ブルを活躍させるには微妙にハマらない。

命名変更という落とし所が見事にちょうど良かったのだと思います。
ブラウ・ブロのまま単座になっていたら、「ブラウ・ブロは複座だぞ!」って心の中で突っ込んでいたので、その辺のメンタルケア(?)の意味でも完璧。


ガルマ散らない

原作で言っていたか忘れましたが、パンフレットの年表でガルマの動向が明かされていました。

ガルマ・ザビ、とある私的な理由から公国軍を除隊。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』劇場パンフレット

私的、イセリナと駆け落ちでもしたのでしょう。
原作でイセリナのためにジオンを捨てようと言っていたので。

根拠としては、ガルマが死んだきっかけになったのが、ホワイトベースがシャアの策によってガルマの制圧下へ引き寄せられたことから始まります。

なので GQuuuuuuXでは、ホワイトベースはおろか、シャアも地球に降りてないのですから、ガルマが死なない未来になったのでしょう。

さらに、ガルマの死がないことは、デギンの憔悴やギレンの増長を防ぎ、結果的にジオン全体の安定に繋がったと考えられます。

おそらく、その辺の調整も考慮に入れての歴史改変だと思われます(多分)。
だとしたらかなりオタク…!


セイラとの邂逅、気づくタイミング

GQuuuuuuX の一年戦争編終盤にて、ザビ家がほぼ全員生きている中、ドズルのみ正史同様ソロモンで連邦軍に討たれたことが明かされます。

原作においてもドズルは強敵で、スレッガーの命を犠牲にしての辛勝。
アムロがガンダムに乗っていないと考えられる中、原作を知っているが故の少し不可解な事実です。

それが、最後のコンペイトウ内部での戦いで発覚します。

シャアの「ドズルを討ったという連邦のニュータイプ」という発言により、連邦側にもニュータイプがいたことが発覚します。
(ガンダムハンマー装備なのが、Iフィールド持ちのビグ・ザムを破った説得力が増してオタク)

「アムロいるの!?」と一瞬思考がよぎる中、それはすぐにシャアは実妹のセイラ(アルテイシア)であることが判明します。

ホワイトベースがない世界線で、アムロが志願して連邦軍になるとは到底まったく思えません。

しかし、セイラさんなら考えられます。
原作のサイド7においてもセイラは積極的に救護活動など行い、潜入しあジオン兵に銃を突きつける たくましさ を持っています。
原作同様ルナツーに避難し、連邦軍の士官になる想像もできます。



U.C. 0085 である理由

パンフレットから。
Z以降なら、シロッコが木星から帰ってきてて、色々ややこしくなってしまうかららしいです。

そんなの脳内補完で勝手にこっちがやるのに…
配慮がオタクすぎる。


まとめ

真っ向から真摯に描かれた if ストーリー、かなり丁寧な仕事で本当に感激しました。
庵野さんに感謝(パンフレットによると、一年戦争編は庵野さんが書いたっぽいです)。

新章

令和の U.C.0085 というギャップに戸惑いつつ、新章も魅力的なキャラクターとドラマで楽しみです。

アムロがガンダムに乗らなかった世界で、「初めて乗ったガンダムに乗りこなす」、マチュの姿に心打たれました。

がっつり宇宙世紀で if ストーリーを展開していますが、個人的には、古参としてはもう満足なので、あまり過去シリーズの踏襲をやり過ぎず、新ストーリーに力を入れまくってくれるのを期待するところです。

音楽やキャラデザも、かなりトレンドを押さえたものになっている印象です。

これが成功すれば(すでにかなりしてる気もしますが)、ガンダム業界がめちゃくちゃ盛り上がることが予想されます。

これまで、「ガンダムは長いからいいや…」という人が多くて布教しづらかったので、周りに興味持ってくれる人が増えると思うととてもワクワクします。


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