【美術史最大のケンカ事件】エドガー・ドガ『マネとマネ夫人像』。北九州市立美術館で逢える、切り裂かれた友情と奇妙なキャンバスの謎
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今回は、印象派の巨匠ふたりの間に起きた、前代未聞の「大ゲンカ」の物証とも言える、美術史上で最もスキャンダラスで奇妙な名作『マネとマネ夫人像』(1868-1869年頃)を紹介するよ。 手がけたのは、人間観察の天才エドガー・ドガ。そして驚くべきことに、この世界的に有名な因縁の絵画は、日本の福岡県にある「北九州市立美術館」に所蔵されていて、本物をすぐ近くで見ることができるのだね。

作品全体の右側が不自然に切り落とされ、別の布地が継ぎ足されているこの異様な姿。一体、ドガとマネの間に何が起きたのか、その衝撃の裏話を徹底解説するのだ!
激怒したドガ!親友マネが犯した「禁忌の切り裂き」
まずは、この絵に隠された嘘のような本当の歴史的事件をお話しするのだ。

ドガは、親しい友人であり良きライバルでもあった画家エドゥアール・マネの家を訪れ、マネとその妻スザンヌがくつろぐ日常の姿をこのキャンバスに描いて、お祝いとして彼にプレゼントしたのだね。 ところが後日、ドガがマネの家に遊びに行くと……なんと、自分が贈った絵の右側がナイフでバッサリと切り落とされていたのだ!!
切り裂いた犯人は、なんとモデルであるマネ本人。マネは「妻のスザンヌの顔の描き方がめちゃくちゃ不細工で気に入らない!」という理由で、ドガに無断で奥さんの部分を切り捨ててしまったのだよ。 これを見たドガは烈火のごとく激怒! 「なんて奴だ!」と叫んで、その場で絵をひったくるように回収し、昔マネから貰っていた静物画を「こんなもの返す!」とマネの家に投げつけて絶交してしまったのだね。
後にドガは、失われた右側の部分に無地のキャンバスを自分で継ぎ足したけれど、結局スザンヌの姿を再び描き直すことはなく、この「事件の傷跡」を残したままの姿で現在に伝わっているのだ。
ドガの冷徹な観察眼。夫婦の「リアルな空気感」

切られてしまった部分のミステリーに目を奪われがちだけど、残された左半分の描写も、ドガの天才的な技量が爆発しているのだよ。
白いソファに寄りかかり、信じられないほどリラックスした(というかダラけきった)姿勢で横たわるマネ。片手を頬に当て、どこか退屈そうに、あるいは物思いに耽っているような表情をしているのだね。 そして切り取られる前の右側には、妻のスザンヌがピアノを一生懸命に弾いている姿が描かれていたことが分かっているのだ。
ドガは、仲睦まじい理想の夫婦像ではなく、お互いに別の方向を向き、どこか冷めてすれ違っているような「冷徹な夫婦のリアルな空気感」を容赦なく捉えてしまったのだね。マネがこの絵を切り裂いた本当の理由は、妻の顔の造形というよりも、ドガに見抜かれてしまった「夫婦の不協和音」がリアルすぎて耐えられなかったからではないか、とも言われているのだよ。
🎨 「ずんだもん美術館」のあとがき
天才二人のプライドと友情が火花を散らし、ナイフの跡が生々しく残る奇跡のキャンバス『マネとマネ夫人像』。北九州市立美術館の静かな空間でこのいびつな絵の前に立つと、巨匠たちの激しい感情のぶつかり合いが、今でもピリピリと伝わってくるような最高の緊迫感を味わえるのだね。
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