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【地獄の悪夢パノラマ】ヒエロニムス・ボス(周辺)『トゥヌグダルスの幻視』。悪徳騎士が見た、おぞましくも奇妙な死後の世界

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今回は、中世ヨーロッパで大ベストセラーとなった地獄めぐりの物語を、怪物の天才ヒエロニムス・ボスのスタイルで描き出した不気味な名作『トゥヌグダルスの幻視(トンダルの幻視)』を紹介するのだ。

『トゥヌグダルスの幻視(トンダルの幻視)』

キャンバスいっぱいに広がる、夢に出てきそうなほど恐ろしく、どこかユーモラスな地獄の光景を一緒にのぞいてみるのだ。


悪徳騎士トンダルが見た「3日間の臨死体験」

画面の左下をよーく見てほしいのだ。赤い上着を着て、頭を抱えて眠り込んでいる男性がいるよね?彼こそが、この物語の主人公であるアイルランドの騎士トンダル(トゥヌグダルス)なのだよ。

彼は生前、乱暴で強欲、宗教をバカにする最悪な悪徳騎士だったのだ。ところがある日、突然意識を失い、3日間も昏睡状態(臨死体験)になってしまったのだね。 その間、彼の魂は隣に立つ光り輝く天使に導かれ、地獄の凄まじい拷問の数々を見て回ることになったのだ。この絵は、まさにトンダルが夢の中で目撃している「地獄のパノラマ」そのものなのだよ!


巨大な生首と、罪種ごとの奇妙でおぞましい罰

中央にドーンと鎮座する、帽子をかぶった巨大な生首。このボス特有の異様なモチーフが強烈なインパクトを放っているのだね。

  • 強欲への罰:
    巨大な生首の口からは金貨がドボドボと吐き出され、その下にある大釜では、お金に目が眩んだ強欲な罪人たちがグツグツと煮込まれているのだよ。

  • 大食・泥酔への罰:
    右側の大きな酒樽のような空間では、暴飲暴食の罪を犯した者が怪物に無理やり液体を流し込まれるなど、それぞれの罪に合わせたオーダーメイドの拷問が行われているのだね。

このおぞましい光景を見て心から恐怖し反省したトンダルは、奇跡的に目を覚ました後、全財産を貧しい人々に寄付して、すっかり改心したというお話なのだ。


🎨 「ずんだもん美術館」のあとがき

中世の人々が恐怖した死後の世界を、圧倒的なイメインねーションで現代の僕たちに突きつけてくる傑作。恐怖の中にどこか奇妙なポップさが同居しているのが、ボス派のアートの奥深い魅力なのだね。

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