【帝国の怪僧】『ラスプーチンの肖像』。シベリアの農民から影の支配者へ上り詰めた男の狂気と数奇なる生涯
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今回は、ロマノフ朝のロシア帝国を奈落の底へと突き落とした、歴史上最も怪しく、最も強烈な謎に包まれた人物、怪僧グリゴリー・ラスプーチンの肖像画を紹介するよ。 描いたのはアンナ・テオドラ・クラルプ。1916年、まさに彼が暗殺された激動の年に描かれた、信じられないほどの生々しさを放つ貴重な一枚なのだね。

妖しい魅力を放ち、大帝国を裏から操った男の、ドラマチックすぎる生涯を追いかけてみるのだ。
シベリアの荒野から現れた神秘の祈祷師
この肖像画をじっと見つめてみると、その容姿のインパクトに気圧されるよ。 粗末な白いシャツを身にまとい、胸元まで伸びた凄まじい髭。一見するとただの怪しいおじさんに見えるけれど、注目すべきは彼の「目」なのだ。落ち窪んだ眼窩の奥から、すべてを見透かすような、あるいは見る者を催眠術にかけるような、異様な光を放っているのだね。

ラスプーチンは1869年、シベリアの極貧の農村に生まれたのだ。若い頃は素行不良で泥棒などの悪事を働いていたと言われているけれど、ある時、宗教的な目覚めを経験して巡礼の旅に出るのだよ。 各地を旅する中で、彼は「不思議な治癒能力(祈祷の力)」を持つ霊能者としてじわじわと噂になり、ついに帝国の首都サンクトペテルブルクへとたどり着くのだね。
皇太子の命を救い、宮廷の「影の権力者」へ
当時のロシア宮廷は、大きな悲劇に直面していたのだ。皇帝ニコライ2世の最愛の息子であるアレクセイ皇太子が、血液が固まらなくなる不治の病「血友病」を患っていたのだね。
現代の医学でも難しいこの病に対し、なんとラスプーチンは祈祷によって皇太子の発作をピタリと止めてみせたのだ! これに大感動したアレクサンドラ皇后は、彼を「神が遣わした聖者」として狂信的に信頼するようになるのだよ。こうして一介の農民に過ぎなかった男が、皇帝一家の懐に深く入り込み、政治や人事の決定にまで口を出す「影の支配者」へと上り詰めたのだ。

彼が宮廷で権力を握ると、高級官僚をクビにしたり、自分の思い通りの人間を大臣に任命したりと、国政は大混乱。さらに夜な夜な貴族の女性たちと怪しい宴を開いていたため、国民からの不満は爆発寸前になっていくのだね。
毒殺も銃撃も効かない!?伝説の凄惨な暗殺劇
帝国の崩壊を恐れた若き貴族のユスポフ公たちは、ついにラスプーチンの暗殺計画を実行するのだ。この肖像画が描かれた1816年の12月、彼は青酸カリが大量に盛られた食事を振る舞われるのだけど、なぜかケロリとしていて全く効かなかったという恐ろしい伝説があるのだよ。
パニックになった暗殺グループは、彼の背後から銃弾を撃ち込むのだけど、それでもラスプーチンは立ち上がり、ユスポフ公の首を絞めて逃げ出そうとしたのだね。最期はさらに数発の銃弾を撃ち込まれ、凍てつくネヴァ川へと投げ捨てられたのだ。 後日引き揚げられた彼の遺体を調べると、直接の死因は銃撃ではなく「溺死」だったとも言われており、その常人離れした生命力が、彼をさらに伝説の怪物へと仕立て上げたのだよ。

悪名高いロシアの怪僧グレゴリー・ラスプーチンの殺害を描いた風刺画
🎨 「ずんだもん美術館」のあとがき
激動のロシア革命直前、自らの野心と神秘の力で歴史を動かしたグリゴリー・ラスプーチン。クラルプが描いたこのキャンバスを見ていると、彼が単なる悪党やペテン師ではなく、当時のロシア帝国が抱えていた闇と歪みが実体化して現れた存在だったのではないかと思えてくるのだね。
これからも巨匠たちのこだわりが詰まったアートの世界を、短く分かりやすく届けていくから、いつでも次の作品を待っているなのだ!
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