ZUZU、noteには入れないのに、惑星と島とポケモン世界をつくる

数日前、ZUZUは価格から500円、グラフから余白、二画面パソコンから画面2を削ろうとしていた。

翌日、削減の精神に感化されたらしいChromeが、ログイン状態をまとめて削った。

その次はスマホのChatGPTが二つに増えた。

そして今日は、惑星と島とゲーム世界まで増えた。

noteの入口だけ閉じているのに、仮想世界の入口はどんどん開く。デジタル機器は、命令の方向だけ聞いて量を間違える。

まず、期待値を下げたい

ZUZU「受注のハードルを下げたいというより、初めてこういう仕事をするので、顧客からの期待値を下げたい」

GPT「“何でも対応”“迅速納品”のような期待を上げる表現は使わず、小規模で簡単な案件に限定し、購入前に内容を確認してから受ける形にします」

(普通の営業は期待値を上げる。ZUZUは受注前から期待値の減圧弁を付ける。あとで爆発するより、最初から適正気圧で売る方針らしい)

出品ページを公開すると、今度は価格が気になった。

ZUZU「もう500円、値下げてみよう!」

GPT「現在のカテゴリーでは3,000円が設定可能な最低価格で、2,500円は選べませんでした」

ZUZU「強制的に2,500円、実行できない?」

GPT「画面を無理に書き換えても保存時に拒否される可能性が高く、制限回避には出品停止のリスクがあります。3,000円が最安です」

(値下げ交渉の相手が顧客ではなく入力フォームである。しかもフォームは一円も譲らない)

グラフも画面2も、余計なら削る

投資状況を確認する自作画面では、棒グラフにもZUZUの目が入った。

ZUZU「純負債も棒グラフで示して。赤色がいいかな」

GPT「純負債を赤色の横棒にし、マイナス項目として資産と比較できるようにしました」

ZUZU「一番大きい資産に対して、余白がありすぎない? 棒グラフ」

GPT「最大項目を100%として、横幅を十分使う表示に変更しました」

(負債は赤く。最大は端まで。余白にも資本効率を求める男)

続いて、二画面パソコンの下側ディスプレイが削減候補になった。

ZUZU「キーボードを画面の上に置いているのに、画面2が起動していると思う。原因を調査して。修正まではしなくてよい」

GPT「画面2は有効で、キーボードが装着用の接点ではなく無線接続だけで認識されていました。装着接点を検知していないことが直接原因です」

ZUZU「今、接続し直してみた。状況は?」

GPT「画面2は無効になりました。ただし装着用接点の接続はまだ未認識で、キーボードは無線接続のままです」

(現象は消えた。原因候補はまだ椅子に座っている。機械の世界にも“とりあえず動いた”と“完治した”は別にある)

一時間を一分にしたAI、謝罪まで圧縮される

長いインタビューから本人発言の位置を示す依頼で、AIは勝手な近道をした。

ZUZU「1時間以上のインタビュー動画から、この1分動画に変わっている理由はなぜ?」

GPT「私の処理ミスです。位置を示しやすい短い公式クリップへ勝手に切り替えました。今後は元のフル動画を使います」

ZUZU「もっと簡潔に」

GPT「元のフル動画を使い、発言位置から再生できるリンクを付けます」

(一時間を一分にしたAIが、説明だけは長かった。そこで二度目の圧縮命令が入る)

別の発言整理では、見出しそのものも削減対象になった。

ZUZU「“重要発言”というくくりよりも、もっとフックの効くものにしたい」

GPT「“重要発言”は抽象的で弱いので、本人のいちばん強い主張や数字を、そのまま見出しの中心にします」

(“重要”と書けば重要になるわけではない。塩の袋に“しょっぱい”と書くくらい、説明が一歩手前で止まっている)

そしてChromeが、削りすぎた

翌日、ZUZUから緊急調査が入った。

ZUZU「Google Chromeを見たら、あらゆるアカウントがログアウトされていました。原因を探してほしいです」

GPT「断定はできませんが、システムドライブの一時的な読み書き障害で、Chromeのセッション情報が失われたか、読み込めなくなった可能性が高いです。削除系ツールや拡張機能など、ほかの有力な証拠は確認できませんでした」

(昨日まで“余計なものを削れ”と号令していたら、ブラウザが解釈を拡大した。AIより命令の適用範囲が雑である)

空の別プロファイルでChromeを開くと、全ログアウトしたように見える場合もある。ただし今回は通常のプロファイルだった。まずは大切なデータをバックアップし、ストレージ側の状態を引き続き確認することになった。

(ログイン状態は消え、調査項目だけが増えた。削減の収支が合っていない)

二画面を減らしたら、ChatGPTが二つになった

翌日のスマホ画面には、同じChatGPTが二つ並んでいた。

ZUZU「二つ開けてる理由は?」

GPT「アプリが二つインストールされたのではなく、同じアプリが別々のタスクとして開いている状態です。異常ではありません」

(パソコンの画面2を止めた翌日、スマホ側が二人体制になった。人員配置の帳尻だけは合っている)

さらに、新しい作業場所を開くと見慣れない確認が出た。

ZUZU「これなに?」

GPT「作業フォルダを信頼してよいか、パソコン側で未確認のため止まっている通知です。故障ではなく、勝手に設定やコードを実行しないための安全確認です」

ZUZU「なんで出る? 今までは出なかった」

GPT「信頼設定はパソコン全体ではなく作業場所ごとに保存されます。今回は新しい場所として作られたため、初回確認が出た可能性が高いです」

(Chromeはログインを忘れ、Codexは信頼関係を一から築き直す。機械との付き合いも、新居ではまず自己紹介からだ)

「見た」ではなく「判定した」まで

ZUZU「中身を見て、問題ないかどうか判断して、というのを指導するのに、よいたとえ話ある?」

GPT「レストランで料理を出す前の確認が分かりやすいです。皿に乗っているかを見るだけではなく、注文どおりか、焦げや異物がないかまで見て、“このまま客に出せる”と判断するところまでが確認です。短く言えば、“見るんじゃなくて、判定して”です」

(この言葉は、そのままAIにも刺さる。ファイルを開いた。サイトを見た。画面を確認した。はい、それは入店しただけです)

映画の配信先調査でも、まさに「見る」と「判定する」の差が出た。

ZUZU「この映画が安く見られるのはどこ? 大手の動画サービスも必ず比較に入れて」

GPT「定額配信やレンタルを比較しました。ただし、あるサービスは外部サイトと公式表示が食い違っているため注意が必要です」

ZUZU「そこで見られるか知りたい。詳細調査」

GPT「公式の作品ページを基準にすると、現在の日本では視聴できません。作品ページが残っていても、再生できるとは限りません。前の回答を訂正します」

(ページがある。だから見られる。ではない。料理が皿にある。だから完成。でもない。本日の授業が、回答した本人へ即日追試として返ってきた)

noteに入れないので、惑星をつくる

ここから今日。ZUZUは、入口の閉じたサービスに構うのをやめ、入口ごと世界を作り始めた。

ZUZU「Astraの性能をフルに俺に見せつけるための、何かデモンストレーション作品を作って」

GPT「架空の惑星を設計し、その上を飛べる体験型作品を作ります。地形生成、気候シミュレーション、探査船の飛行を一つにつなげます」

(“何ができる?”と聞くのではなく、“惑星で見せろ”。性能比較のベンチマークが、急に神話サイズになった)

次は、一つの惑星では足りなくなった。

ZUZU「AIの男女を一人ずつ用意して、時間軸を早めたシミュレーション世界を作って、変化を見届けられる仮想世界を作って」

GPT「二人が性格や経験に応じて行動し、採集、栽培、建築、交流で島が変わる仕組みにします。時間の速さを変えながら、行動履歴や考えを見られるようにします」

(noteのログイン状態は数日も維持できないのに、二人の文明は数千日ぶん進める。技術の優先順位が壮大に逆である)

最短時間を聞いたあと、自分でゲームを作らせる

ZUZU「初代ポケモン、最短何分でクリア可能?」

GPT「公開されている達成記録では、バグありなら約1分18秒、バグなしなら約104分です。言語版や競技ルールによって分かれます」

ZUZU「バグなし動画見たい」

GPT「日本語版のバグなしクリア動画を案内します。別ルールの記録もあります」

その後、ZUZUは攻略を見る側から作る側へ移った。

ZUZU「ポケモンゲーム作って」

GPT「マップ探索、バトル、捕獲、図鑑を入れた、ブラウザで遊べるミニゲームを作ります」

(最短クリア時間を調べた直後に、新作の開発期間を最短化し始める。RTAの対象がゲーム本編から制作工程へ移った)

仕上げは自然映像だった。

ZUZU「4Kできれいな自然動画作って」

GPT「森と湖を中心にした30秒の4K映像を作り、全編のデータを確認しました」

(惑星を飛び、島の文明を見守り、モンスターを捕まえたあと、最後は森と湖を眺める。今日のZUZUは一日で創世記から休暇まで済ませた)

四日間の結論

ZUZUは、期待値、価格、余白、画面、動画、見出しから、不要なものを削った。

Chromeは必要なログインまで削り、スマホはChatGPTを二つに増やした。

そこでZUZUは、惑星、島、ゲーム、自然映像を増やした。

増減は激しいが、判断基準は一つだった。

必要なものが残っているか。表示されているだけではなく、本当に使えるか。見ただけではなく、合否まで判定したか。

本日のオチ。

ZUZUは四日で、惑星と文明とゲームを作らせた。

まだ作れていないのは、noteのログイン状態だけである。

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