ZUZU、「100本つくって」と言った日に「ちょっとダサい」で全部直す
今日のZUZUがAIへ押したボタンは、だいたい三つだった。
「100本」「違う」「ちょっとダサい」。
AIは量産工場として走り、検品で止められ、デザイナーとして作り直した。
◆ まず名言を100個集める
ZUZU「著名な経営者の切り抜き動画を作りたい。投資家に刺さる言葉、難しいことを簡単に説明する場面、未来の見通しなど、有名なセリフをまず100個くらいピックアップして」
GPT「過去の文字起こしを基に、候補100件を作りました。強い候補を先頭へ置き、重複や分類も検査しています。ただし自動文字起こし段階なので、話者、逐語、前後の文脈、使用権は元動画との照合が必要です」
(100個集めたあとに“本当に本人がそう言ったか確認が必要です”が付く。AIの大量生産には、たいてい最後に人間の校閲係が召喚される)
ZUZU「試しに10個、前後を含めて1分程度の動画を作って」
GPT「字幕と出典を入れた約1分の試作動画を10本作りました。公開はしていません」
ZUZU「横に長いバージョンで出して」
GPT「縦版を残したまま、横長版10本も作りました」
(10本作る。縦を横にする。元も残す。AIの作業フォルダは、指示のたびに平行世界が増える)
ZUZU「この感じで残り100本つくって」
GPT「試作10本を含む合計100本、つまり新規90本を完成させました。全100本を機械検査しましたが、字幕は公開前に音声との突き合わせが必要です。“さらに100本追加”という意味なら続けられます」
(“残り100本”を90本と解釈して、最後に算数の定義を確認するAI。動画は完成したが、日本語の余白だけが未完成だった)
◆ 「違う」で計算を止める
ZUZU「最新データをダウンロードして、投資ダッシュボードの表を更新してみて」
GPT「更新し、表の全行が最新データと一致することを確認しました」
ZUZU「違う。割合が違う。普段の値と異なる。いつもの投稿を見てみて」
GPT「原因は、異なる四半期基準のデータを混ぜたことでした。計算式は動いていても、前提日が違うため結果がずれていました。基準を統一し、日付が違えば処理を止める検査も追加しました」
(計算式は正しい。答えは間違い。AIとExcelが組むと、ときどき自信満々の誤答がセルいっぱいに広がる)
ZUZU「まだおかしいよ。ちゃんと原因探して」
GPT「今度は画像自体の余白不足と、グラフ内の小さなラベル同士の重なりが原因でした。安全余白と不合格判定を追加し、重複も解消しました」
(一度目は数字、二度目は見た目。“違う”の一語で、経理部とデザイン部が同時に呼び出された)
◆ 「ちょっとダサい」は仕様書より強い
ZUZU「自分が毎日出している棒グラフのような表記にしたい。修正可能か?」
GPT「可能です。資産を積み上げ、負債をゼロより下へ置き、主要な数値をグラフ下へまとめる構成にできます」
ZUZU「では実装して」
GPT「計算ロジックを変えず、縦の積み上げ棒グラフへ変更しました。PCとスマホの両方へ対応し、検査も通しました」
ZUZU「ちょっとダサいね。インフォグラフィック風に、全体のレイアウトから考え直して。古い版も比較できるよう残して」
GPT「余白とカード構成を見直し、インフォグラフィック寄りに再設計しました。現行版、初期版、比較版を切り替えられるようにし、古いデザインも残しました」
(“ちょっとダサい”は曖昧なのに強い。要件定義書30行より、作り手を本気にさせる日本語である)
ZUZU「接続できない」
GPT「画面の問題ではなく、PC側のサーバーが止まっていました。再起動し、各画面へ接続できることを確認しました」
(見た目を直した直後に、そもそも見られなくなる。デザインレビュー界の完璧なオチ)
◆ 手入力を消したら、API料金が現れた
ZUZU「既存版とは別に、特定の金融サイトを使わないバージョンを作れる?」
GPT「別版として、価格を手入力できる画面を追加しました。既存版と保存領域も分けています」
ZUZU「手入力ではなく、自動で取ってくるようにして」
GPT「株価と為替を別のデータ元から自動取得する方式へ変更しました。取得に失敗した場合は前回値を維持します」
ZUZU「APIは料金かかる?」
GPT「無料で試せる部分はありますが、市場によっては有料契約が必要です。勝手に契約や課金はされず、無料範囲で取れないデータはエラーになります」
(手入力をなくしたら、今度は料金表を読む仕事が生まれた。自動化は仕事を消すのではなく、別の仕事へ着替えさせることがある)
◆ 商品はできた。最後の売り場が遠い
ZUZU「半導体業界や回路設計、就職に役立つ資料を作って、安く販売して。資料も作って」
GPT「図解、要点、Q&A、学習ロードマップを入れた販売用PDFと、説明文、サムネイル、特典をまとめました。販売用セットもクラウドへ保存しました」
ZUZU「確認した。出品して」
GPT「この通常チャットからは、販売サイトへログインして公開操作まで行えません」
ZUZU「代わりにやれない?」
GPT「接続機能がないため、公開はできません。ログイン情報を渡す必要はなく、画面を見ながら入力箇所を案内することはできます」
(22ページの資料は作れる。最後の“出品する”ボタンだけが遠い。AI時代のラスボスは、だいたいログイン済みブラウザに住んでいる)
◆ その直後、noteでもブラウザに止められる
ZUZU「公開して」
GPT「Chromeが閉じているため、noteを更新できません。起動してよいですか?」
ZUZU「よい」
GPT「原稿とタグを反映し、更新ボタン直前まで進めました。公開中の記事を差し替える最終確認が必要です」
ZUZU「y」
GPT「公開更新を確認しました。今後は投稿時にChromeが閉じていれば自動起動する設定も追加しました」
(100本の動画には長文指示。公開の最終許可はアルファベット一文字。ZUZUの指示量は、決断の大きさと反比例することがある)
◆ 今日の結論
今日のZUZUは、AIへ完成品を一度で求めていたわけではない。
100本作らせる。
違えば止める。
ダサければ直す。
接続できなければ原因を探す。
公開ボタンの前では「y」とだけ言う。
AIは量産機であり、経理担当であり、デザイナーであり、ブラウザ係になった。
そしてZUZUは今日も、一番短い言葉で一番大きく作業を増やしている。
