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オーロラで世界1位を受賞した写真家が教えるオーロラ撮影マニュアル

なんだかんだ毎年売れているnoteなので有料パートのスクリーンショットの高画質化・差し替え、一部文章のアップデートを実施しました。購入いただいた皆様ありがとうございます。

2026年6月更新

こんにちは、風景写真家の横田裕市(@yokoichi777)です。

3ヶ月間に渡り撮影してきた体験からの知見

私は冬のフィンランドの観光アンバサダーとしてフィンランド・ラップランド地方に滞在した3ヶ月間、撮影できるタイミングがあれば、ずっとオーロラを撮影してきました。

このnoteには、その時に培ったオーロラ撮影の知見をまとめました。これまでセミナーやトークショーでもお話してきた内容です。

そもそもオーロラとは

オーロラは、太陽から放出された磁気嵐が地球に衝突し、地球の大気と衝突することで生じる発光現象を指します。オーロラは日本語では極光、フィンランドではノーザンライツと呼ぶのが一般的。海外ではオーロラかノーザンライツで通じます。

撮影地は、フィンランドのラップランド地方以外にも、カナダのイエローナイフ、アラスカ、アイスランドなどが有名です。

オーロラ3部作で国際フォトコンテスト部門優勝

私事ですが、フィンランドの旅から帰国した2016年、ipaという世界的な国際フォトコンテストにおいて、オーロラ作品がプロ部門ネイチャー部門優勝を達成しました。本当に嬉しかったです。

その写真家が語るオーロラ撮影マニュアル

ここで書く内容は、オーロラを撮影した経験がある方からすれば、さして難しいことは書いていません。ですが、これからオーロラ撮影にチャレンジするぞ!という方にとっては、十分参考になるものです。

実際にこのnoteを、カナダ・イエローナイフにてはじめてオーロラ撮影に臨んだ友人に事前に共有したところ、見事なオーロラの撮影に成功!私も嬉しくなりました。さらにはそのオーロラ作品で、彼は今年のipaで佳作をとっています。

友人の作品

以下、いくつか書いてますが、もし気になることあればコメントなどで質問いただければできるものは回答しますのでお気軽にどうぞ。
有益なQAについてはおってnoteに追記します。

前提条件

氷点下マイナス10〜30度の世界で撮影してきた現場での話です。
服装など装備品もそれに準ずる案内になります。

おすすめのカメラ

・ミラーレス一眼カメラ
・デジタル一眼レフカメラ

カメラのセンサーサイズがAPS-C、フルサイズ、(更には中判)あたりのカメラが良い。センサーサイズが大きいに超したことはありません。ですが、APS-Cでも十分撮影可能です。記念写真程度なら、今ではスマートフォンでも十分に撮影が可能です。

星景写真同様に、夜の暗闇の中、光が少ない状況での撮影が中心となるため高感度耐性に優れている性能を持つカメラボディだとなお良いです。ダイナミックレンジ性能は、シャドウに強いSONYのカメラ使いやすいです。当時、Canon製一眼レフと、SONY製ミラーレス一眼を使用しましたが、SONYの方が描写が綺麗でした。

バッテリーの持続性について

これは機材の大きさ、バッテリーの大きさに由来する部分が大きいです。そのため、圧倒的に一眼レフに軍配が上がります。ですが、近年ミラーレス一眼のバッテリーもかなり改善してきています。また、バッテリーは予備を複数個持ち、防寒ポーチや服の内ポケットに収納するなり保温しましょう。

主なカメラ設定

フォーカス:マニュアルフォーカス
ピント位置:およそ無限遠
F値:基本は最小値
ISO:800〜3200
(月明かりもない闇夜の時 1600~6400)
シャッター速度: 1~15s
 (月明かりもない闇夜の時 20~30s)
画角 :10mm~24mm
おすすめレンズ:
単焦点レンズ:12mm,14mm,16mm,20mmその他、超広角の魚眼レンズも可
ズームレンズ 16-35mm、12-24mm

実際に当時使用した機材はこちら(2015.12-2016.3)

  • Canon EOD5Ds+Sigma 12-24mm F4.5-5.6IIDG HSM

  • SONY α7SII+16-35mm F4 (SEL1635Z)

今の私なら、使う機材はこちら

フォーカス
基本的にフォーカスはマニュアルで星景写真同様、星に合わせます。

F値
なるべく明るさを担保するため、F値はレンズ性能の最小。

ISO
月明かりや街の光害など、夜の明るさのコンディションによってISOをコントロールします。

シャッタースピード
オーロラは毎回発生状況によって、動く速度が異なります。
肉眼で動きを観つつ、シャッタースピードを調整します。オーロラの動きが速い際に、シャッタースピードを長くしてしまうと、繊細な光の動きを撮ることができず、単に太い光の帯のように映ってしまいます。基本は、シャッタースピード短めを意識しましょう。

動きが速いオーロラの場合
→ISO上げつつ、シャッタースピード速く

動きが遅いオーロラの場合
→ISO下げつつ、シャッタースピード遅く

レンズ
オーロラは夜空に広範囲に発生するため、広角レンズが基本。
単焦点レンズがF値が小さく、夜空を明るく撮影できるのでおすすめです。ただ、現在のカメラ性能をもってすれば、F4のズームレンズでも十分に撮影が可能です。実際、滞在中のオーロラは全て単焦点レンズではなく、ズームレンズで撮影しました。

シャッターボタンの設定

・ボタン1つでシャッターを切れるようにしておく
・カメラは操作しやすいようにカスタマイズ設定しておく

寒冷地で撮影していた際に、寒さのあまり、手が凍傷になりかけました。手袋でしっかり手を保護することも重要です。寒さで指の動きがにぶくなるので、操作を簡易的にできるようにしておくと、撮影が楽です。

寒冷対策グッズについて

基本は私自身の経験に基づくものですが、そうでないものもありあす。

レンズヒーター
レンズを温めておくことで温度変化を抑制し結露を防ぐアイテム。
あると便利だと思います。私は運が良かったのか、フィンランドの撮影では一度も使用することなく、撮影ができました。温度差のある場所で機材を出し入れする際に、扱いを気を付けていれば、不要かもしれません。

カメラカバー
カメラをまるごと包み込むカバーです。実際に買っていったものの、操作性が著しく損なわれるので、結局一度つけただけで以降使いませんでした。
大雨の中の撮影とかで使うなら良いかも。氷点下の雪には不要でした。

結論、上記のアイテムがなくても、ちゃんと準備と対策すれば大丈夫という話ではありますが、上記2点は一般的によく紹介されているものです。

タオル

機材を急な温度変化にさらさないために、使用後はタオルなどにくるんでからカメラバッグにしまいましょう。

カメラのバッテリー

1.ホッカイロと一緒にポーチに入れて温めておく
氷点下の世界では、バッテリーが急激に減ります。
使用する直前まで、使う分のバッテリーもホッカイロと一緒にポーチに入れて温めておくと良いでしょう。バッテリーの持ち具合でいえば、一眼レフの方がバッテリーも大きい分、ミラーレス一眼より長持ちします。ミラーレス一眼はバッテリーも一眼レフより小さいので持ちについては前者にはかないません。

2.予備バッテリーは2〜3個あると良い
バッテリーの消耗が激しいので、入念にオーロラを撮りたい方はバッテリーの予備は豊富に用意しましょう。その方が安心です。またUSB給電が可能なカメラならモバイルバッテリーを用いて給電しながら撮影ができます。USB給電機能があるカメラは、寒冷地で長時間撮影する際に大活躍します。

外気と室温、急激な温度変化への注意

ホテルや車内の温度と、屋外の氷点下の温度差で機材内部に結露が発生しやすい状態になるので扱いに注意が必要です。

撮影前
ホテルの部屋内、暖房のそばに置かない
クローゼットの中など暖かい場所を避けるのが理想

撮影後
SDカードはホテルに帰る前に抜いておく。部屋に戻ったらクローゼットの中などにカメラバッグごと数時間おいておく。部屋に戻りすぐにカメラを取り出すと、室温の暖かさで機材内部に結露が生じます。徐々に温度変化にならすことが大切です。

服装について

基本的にはウィンタースポーツをしに行く時に着るようなウィンターアウトドアウェアを着用して撮影に臨んでいました。しっかり冷気を遮断しましょう。実際フィンランドでお世話になったのはHALTI(ハルティ)というフィンランドで有名なブランドのウェア スポンサードして頂きました。

帽子は必須
頭から体温が逃げますので、帽子は必須です。何個も持っていました。
現地の方々も帽子はファッションアイテムでもありますが、たくさん所有していました。

顔〜首元
ネックウォーマーやマフラーで首元も守りましょう。薄手のネックウォーマーで鼻まで覆うことで顔を守ることもできます。鼻先が凍傷になったのですが、これは鼻先が冷え切ったカメラに接触していることで起きていた凍傷でした。これを防ぐために、鼻まで布で覆う必要があります。もしくはカメラに顔をつけないようにする。

フィンランド滞在時にいただいたネックウェアのBuffはおすすめです。柄もたくさんあります。

手袋
氷点下の世界では、カメラはもはやドライアイスのようなもの。素手で触ることはやめましょう。薄手のグローブ、厚手のグローブ、重ねてレイヤーとしてつかえる手袋がおすすめ。

足元
靴下はウール素材があたたかくておすすめ。特に寒い時は2重に履いていました。靴も寒冷地用の厚手のスノーブーツが良いです。靴下の重ね履きも考慮し、サイズは少し大きめ。足元は、靴の基本性能と靴下でしか守ることができません。これを超える寒さに遭遇した場合、つま先から凍傷になる可能性がありますのでバカにはできません。

寒くなったらヒゲダンス

当時バスった動画ですが、ヒゲダンスをすることで、肩を上下に動かし血流が良くなり身体が温まります。ヒゲダンス、超大事。

温かい飲み物は回復薬だと思って飲む

撮影現場には温かい飲み物と糖分補給を忘れずに持参しましょう。

コーヒーやホットチョコレート、お茶など身体を温める飲み物は薬だと思ってください。超重要。チョコレートなどの糖分も必要です。

大雪原を犬ぞりで移動時の休憩中に、旅のリーダーから飲むように勧められたホットコーヒーをその時の気分で断ったら、割と強めに「なぜだ?飲みなさい」と言われたことを今でも覚えています。飲めるときに飲むこと。

オーロラ撮る際にお世話になったサービス

オーロラの天気予報です。
オーロラの強さや出現する範囲が分かります。

撮影地の選び方

基本的には星景写真を撮る場合と条件は同じです。

1.空が広い場所へ
基本的に空が開けた空間の広い場所を探しましょう。空が狭いと広大なオーロラを撮るのが難しいです。

2.光の少ない場所へ
光害の影響を受けるため、基本的には街明かりや街灯といった人工的な光がないエリアへ行き撮影しましょう。人工的なオブジェクトを構図に入れてオーロラと撮りたい場合は例外です。

オーロラにフォーカスした映像もあります。

フィンランドのプロジェクトでオーロラ撮影について私が語っている映像です。

実際に撮影した作例と撮影時の設定

写真は全てLightroomClassicでレタッチ済

ロヴァニエミの市街地上空に出たオーロラ
初めてのオーロラ遭遇で無我夢中で撮影。月は出てなかったですが、街の明るさもあり、明るめ。今また撮れるならば、もう少しISO上げてシャッタースピードを速くしたでしょう。これはシャッタースピード15秒で少し長めですが、うまい具合に光の流れが残ってくれました。

これはオーロラ撮影ではいまいちなカット。期待して山登りしたのですが、あまり強いオーロラは現れず。遠くに街の光害がありますが、暗い現場でISO2500まで上げ8秒。撮影する仲間の様子と共にオーロラを撮りました。

これはipa受賞3作の1つでもある、イナリ湖で撮った作品
オーロラの動きが活発だったため、ISOを高めにし、6秒。

オーロラ単体よりか、オーロラの色、星空、光害の「空の3色」をとらえた1枚です。ISO5000まで上げ、20秒でやっとこの明るさ。

イナリ湖・湖畔にて、ぼんやり浮かび上がったオーロラと、ガイドさんの別荘、テントの灯りといれた縦構図。なんとも不思議な感じに撮れた1枚

ムオニオという地域で撮影した3枚。この日は月夜で夜空が明るかった。ISO800で地上もくっきり写っています。オーロラそのものは弱い日でしたが、オーロラドームホテルと共に撮影できたカットです。

オーロラの動きが最高潮に活発だった時のカット。
3.2秒で翼のような描写が撮れました。シャッタースピードを速くするためにISOを1600に上げています。

これはシャッタースピード遅くしすぎたパターン。20秒でぼんやりしたオーロラになってしまいました。

この時も動きが活発でしたが、展開する帯が太く6秒でもこのような描写に。

1つ前の写真と同じ現場でのカット。4秒でも動きが活発で太めに撮れてしまいました。手を伸ばしたセルフィー。

ほぼオーロラが消えかかっている時に、むりやり撮ったセルフィー

リーシトゥントゥリ国立公園内で撮影。遠方にオーロラが出ていたので、その光をいれつつ樹氷と星空〜オーロラのグラデーションを映した作品。

同じく公園内にてセルフィー。薄く1本のオーロラの筋がでていたので20sでなんとか撮影。樹氷がほんとに素晴らしかったです。

これは偶然にも8秒間、仲間が棒立ちだったために撮れた1枚。
人間との対比ができたレアな1枚

月明かりの夜。この時はシャッタースピードながめ。
これは珍しいパープルのオーロラ。オーロラの色は出現する高度で決まります。パープルは上空100km前後、一番高度が低いオーロラの色です。

月明かりの夜。穏やかなオーロラの動きと明るさもあっての

ipa受賞3作の1つで、部門優勝へ導いてくれた私の生涯ベスト作品。ケトメラという地方で撮影。この日は、数時間かけて激しいオーロラが吹き荒れる「オーロラストーム」と呼ばれる貴重な夜でした。
月明かりと激しい動きがあってわずか3.2秒の軌跡。オーロラの描写も構図も全てがパーフェクトだった1枚です。

これはアクションカメラGoProでインターバル撮影したオーロラストームを合成し一枚に仕上げた作品。Goproでも十分良い写真が撮れました。
ちなみにGoProは本体が小型なためバッテリーも貧弱です。大容量のモバイルバッテリーを接続した状態で給電しつつ、雪の中に設置し撮影しました。

ポシオにあるコロウオマ自然保護区にて撮影。突如巨大なオーロラが現れ、慌てて撮ったのを覚えています。13秒は少し長すぎました。

ipa受賞3作の1つ。同じく、コロウオマ自然保護区で撮影。この地ではどうしても右下に見える氷瀑とオーロラのコンビネーションを撮影したかったので、まさにドンピシャ。

夜空に光のアニメーションが描かれていくようなすごい動き。この時は25秒で撮影し、正解でした。シャッタースピードを長めにしなければ、この動きを撮りきれなかったでしょう。
これはコロナ型というタイプのオーロラです。

オーロラは非常に撮影し甲斐のある被写体

オーロラは出会える運と他に、現場での即時対応力が問われる被写体のため難しいですが、とても撮りがいがあります。素敵なオーロラに出会い、良い写真が撮れますように。

フィンランドでの冒険については下記にまとまっています。

note創作大賞エントリーのフォトエッセイはこちらから


改めて私のレタッチしたビフォア・アフターを見ると、かなり暗めに撮れており、RAW現像に助けられているのがわかります。当時はVSCOなどの既存プリセットも用いておらず、写真は基本的な補正しかしていません。

当時よりグレードアップした今手元にあるメイン機材SONY α7RIII、SONY12-24mmF4,Batis18mmf2.8と、現在のレタッチスキルがあればどんなオーロラ撮れ、仕上げることができるだろうと、次のオーロラ撮影はまだ未定ですが、未来の楽しみの一つです。

以下のおまけパートは、上記の作例を含むオーロラ写真10カット、LightroomClassicの設定値と現像前・現像後のビフォア・アフターのスクリーンショットを掲載しています。気になる方はぜひそちらもご覧ください。

※2026年6月に以前より高画質なLightroomClassic現像画面のスクリーンショットに差し替えました。一部写真展仕様で現像が変わっております。

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