【Obsidian】既存のAIサブスクだけでメモを整理する環境を作った
はじめに
技術関係のメモをNotionからObsidianに移行し、すでに契約していたAIサブスク(ChatGPT / Claude)の利用範囲内で、AIがメモを整理してくれる環境を作りました。この記事では、自分とまったく同じ環境を再現するための詳細な手順ではなく、構成の考え方や、ObsidianとAIを組み合わせるうえで役立ったポイントを紹介します。
移行前:これまでNotionを使っていた
エンジニアになった当初(約4年前)から、勉強したことはNotionにメモしていました。Notion自体は便利だったのですが、続けるうちに2つの問題が出てきました。
1つ目は管理の破綻です。メモが増えるにつれて「このメモはどのページ・どのDBに書くべきか」を考えること自体が負担になっていきました。
2つ目は、そもそもメモを取らなくなったことです。生成AIに聞けばある程度のことは教えてくれるので、調べたことを記録する動機が薄れました。ただ、振り返ってみると「AIに何をどう聞いて、どう深掘りして、その瞬間に何を理解したか」は自分だけのナレッジです。また、実際に手を動かして試行錯誤してわかったことも、書く場所が定まっておらず、結局メモに残せていませんでした。一部はZennの記事にしていましたが、記事にするほどでもない小さな知見は消えていく状態でした。要するに「気軽にメモを取りづらい状況」になっていました。
NotionにもAI機能があり、うまく使えば増え続けるメモを管理できたかもしれません。ただ、追加の課金をできるだけ避けながら、気軽に技術系のメモを残す方法を考えた結果、Obsidianを試すことにしました。
(参考)自分のサブスク課金状況
2026年7月時点では、以下のプランを契約しています。
- ChatGPT:Plusプラン(月額20ドル)
- Claude:Proプラン(月額20ドル)
今回は両方を使用しています。CodexのAutomationsもローカル定期タスクの代替候補になるため、どちらか一方でも近い構成にはできると思います。ただし、この記事で実際に動作を確認したのは両方を併用した構成です。
今回求めていたこと
- エンジニアとしての技術的なメモを残してナレッジ化したい
- それ以外のメモ(タスク管理など)まで、すべて管理することは求めない
- すでに課金しているChatGPT / Claudeのサブスク以外に追加課金せず、AIでメモを効率的に管理したい
Obsidianとは
Obsidianは、Markdownファイルをローカルフォルダに保存する方式のノートアプリです。ノート同士を[[ウィキリンク]]でつないでナレッジグラフを作れるのが特徴で、Notionなどと比較してローカルのファイルなので動作が軽いという声もあります。
自分にとって重要だったのはファイルベースであることです。ノートの実体は基本的にMarkdownファイルなので、Claude CodeやCodexのようなAIコーディングツールが直接読み書きできます。つまり、すでに課金しているAIサブスクを「メモの整理係」として使える。ここがNotionとの一番の違いでした。
どのように管理することにしたか
フォルダ構成
vault/
├── AGENTS.md # AI向けの運用ルール(後述)
├── CLAUDE.md # AGENTS.mdを参照するだけの薄いファイル
├── 00_Inbox/ # 書き殴りの一時置き場
├── 10_Daily/ # デイリーノート(YYYY-MM-DD.md)
├── 20_Notes/ # 恒久ノート(1ノート1アイデア、フロントマター必須)
├── 30_MOC/ # 技術領域ごとの索引(Map of Content)
├── 40_Ideas/ # 作りたいアプリ・サービスのアイデア
├── 50_Clips/ # Webクリップ(あとで読むキュー)
├── 60_Bookmarks/ # 気になるサービス・ツールのURLメモ
├── 90_Templates/ # ノートの雛形
└── _meta/ # タグ一覧・整理レポートなどの管理ファイル
Zettelkasten風の3層(書き殴り → 恒久ノート → MOC索引)をベースにしていますが、ポイントは人間が丁寧に運用することを前提にしていないことです。雑に書いたメモも、Claude Code Desktopのローカル定期タスクでAIが週次整理するため、未整理のメモが溜まりづらい状態を保てます。定期タスクの詳細は後述します。
Zettelkastenの詳しい説明は、こちらの記事が参考になります。この記事では「書き殴ったメモを、あとから整理してつなげる」くらいのイメージを持ってもらえれば大丈夫です。
週次整理でどのフォルダのどのファイルを対象にするかは、定期タスクのプロンプトで定義しています。人間は、そのルールに合わせて特定のフォルダにメモを追加します。
ChatGPTの画像生成機能で作成した下の図から、今回の仕組みの概要を掴んでもらえればと思います。

今回構築した仕組みの概要
パターン1:手書きメモは基本InboxかDaily
人間が書く場所は実質2つだけです。
| 書きたいもの | 書く場所 |
|---|---|
| その日の作業ログ・気づき・詰まったこと | 10_Daily/YYYY-MM-DD.md |
| 日付に紐付かないメモ・調べたこと・アイデア |
00_Inbox/ に適当なファイル名で |
タグ・フロントマター・リンク・フォーマットは一切意識しません。すべてAIが後から付けるので、思考を止めずに書き殴ることを最優先しています。これにより、メモを書くというハードルが非常に低くなり、気軽にメモを取ることができます。
詳細は割愛しますが、下図のように設定すると、新規ノートを00_Inbox/へ保存できます。また、デイリーノートの保存先とテンプレートも指定できるため、書き始めるまでの手間を減らせます。

新規ノート追加設定

Daily設定
パターン2:Chrome拡張のObsidian Web Clipperを使う
手書きでメモを取るだけでなく、Webサイトの情報をメモにしたいケースもあると思います。
そんな場合には、Obsidian Web Clipperという公式のブラウザ拡張が便利で、自分は用途別に3つのテンプレートを使い分けています。テンプレートを切り替えて「Obsidianに追加」するだけで、簡単にデータを追加することができます。

Chromeの拡張機能でテンプレ変更できる画面
設定画面では、保存先のVaultとフォルダ、新規ノートとして保存するか既存ノートへ追記するか、フロントマターのプロパティ、本文の内容などを指定できます。
これにより、Webページを用途に合った形式でObsidianへ保存できます。

Web Clipper設定画面
① 読み終えて良かった記事を追加(定期AIの収集対象)
「この記事は有益だったので、ノウハウとして残しておきたい」というときに使います。
50_Clips/にstatus: keepのフロントマター付きで保存するテンプレートです。このフォルダのstatus: keepになっているファイルは、週次のAI整理で要点が抽出され、20_Notes/の技術ノートに昇華される仕組みになっています。
② あとで読みたい記事を追加
同じく50_Clips/へ保存しますが、こちらはstatus: unreadを付けます。ポイントは、週次整理ではunreadのクリップを処理しないルールにしていることです。まだ読んでいない(=価値を判断していない)記事を自動でナレッジ化すると、自分にとって重要ではない記事まで恒久ノートになってしまうためです。読んだあとの仕分けは人間が行います。
- 微妙だった → ファイルを削除するだけ(削除が正常動作の使い捨てキューという位置づけ)
- 良かった →
statusをkeepに変えて一言メモ。次の週次整理でノート化される
未読とkeepの一覧は、ObsidianのBasesというコアプラグインを使い、.baseファイルのDB風ビューで確認できるようにしています。
以下の画像ではまだ1件しかありませんが、unreadとkeepをビューごとに切り替えて確認できます。

クリップ一覧の表

ビューの切り替え
③ 気になるサービスのサイトをメモとして残す
これは上の2つと役割が違って、「記事を読む」のではなく「このサービスを忘れないようにする」ためのブックマークです。60_Bookmarks/に1件1ファイルで保存し、クリップ時にポップアップの編集パネルで「なぜ気になったか」を一言書き加えます。溜まってきたら「ブックマークを整理して」とAIに頼んで既存のタグ体系で分類してくれるような想定です。
パターン3:AIチャットで理解を深めた内容をメモとして追加する
自分は普段、ChatGPTと壁打ちしたり、ChatGPTの公式Chrome拡張から、開いているページや選択した部分について質問したりして理解を深めています。このチャット画面からAIへ指示すると、会話の要約を指定したObsidianフォルダへメモとして追加できるため、非常に便利です。
ChatGPT / Codex用のユーザーSkillを追加
この作業は頻繁に発生するので、「どのフォルダへ、どのような形式のメモを追加するか」をSkillとして定義し、自分のCodex環境へ追加しました。チャットの最後にSkillを呼び出すだけで、会話内容の要約からInboxへのMarkdownファイルの追加まで実行してくれます。
cd ~/.agents/skills
自分の環境では、このディレクトリへSkillを追加すると、デスクトップ版のWork/CodexとChatGPT Chrome拡張から利用できました。add-obsidianというSkillを作成し、下図のように呼び出して、メモをInboxへ追加しています。Skillの作り方は一般的なAgent Skillsと同じで、AIに作成を依頼することもできるため、この記事では割愛します。
たとえば、下図のようにAIチャットの途中でSkillを呼び出し、メモを追加できます。

(例1)add-obsidianスキル候補表示

(例2)add-obsidianスキル実行後
利用する画面に注意
2026年7月時点のChatGPTデスクトップアプリには、Chat、Work、Codexがあります。自分の環境では、通常のChatからローカルに配置したSkillを利用できませんでした。一方、Work、Codex、ChatGPT Chrome拡張では利用できました。Skillが候補に表示されない場合は、現在利用している画面も確認してみてください。各画面の違いについては、OpenAIの公式ヘルプも参考になります。
Claude Code Desktopのローカル定期タスクで週次整理
ここが、この仕組みの心臓部です。Claude Code Desktopのローカル定期タスクに、週次整理を登録しています。
今回利用しているのは、ローカルフォルダを直接操作するClaude Code Desktopの定期タスクです。Claude Codeのクラウド環境で動くRemote Routineとは異なり、指定した時刻にMacが起動し、Claude Desktopが動作している必要があります。
設定内容は以下のとおりです。デスクトップアプリ上のClaude Codeに、実行したい処理と頻度を伝えながら作成しました。
- 頻度:毎週日曜20:00
- やること:
-
00_Inbox/と直近1週間の10_Daily/を読み、メモを「技術ノート→20_Notes/」「アイデア→40_Ideas/」に振り分けて昇華(1ノート1アイデアに分割、フロントマター・タグ付与、関連ノートへのリンク、MOCへの登録) -
50_Clips/のstatus: keepのクリップを要点抽出して技術ノート化
-
プロンプトの工夫として、定期タスクには手順の詳細を直接書き込まず、毎回AGENTS.md(Vaultの運用ルール)を読み直してから作業する構成にしています。こうすると、運用ルールを変えたときに定期タスクを再設定する必要がありません。
また、定期実行は人間への対話的な確認ができないので、安全側に倒すルールを入れています。
- 判断に迷うもの(通常なら人間に確認するもの)は触らず、そのまま残す
- Git操作はしない(Obsidian Gitの自動コミットに任せる)
- 実行結果のサマリーを
_meta/整理レポート/へ残す(何を昇華したか、何を保留にしたか)
実際に動かしてみると、Inboxに書き殴ったメモがタグ付きの恒久ノートになり、MOCにリンクが張られ、レポートで「何をしたか」が確認できる状態になっていました。
そのほかやっていること
AGENTS.mdを用意
Vaultのルートに、フォルダ構成・フロントマターのスキーマ・タグ規約・整理手順などの運用ルールをまとめたAGENTS.mdを置いています。CodexはAGENTS.mdを読み、Claude Code側はCLAUDE.mdから@AGENTS.mdをインポートします。これにより、どちらのAIツールからも同じ運用ルールが参照される構成にしています。
Obsidianに関するSkillsを追加
Obsidian CEOのSteph Ango氏が公開しているAgent Skills集も追加しています。Obsidian固有の記法やファイル形式をAIへ伝えることで、ファイルをより適切に扱いやすくするためのものです。
今回の仕組みに必須ではありませんが、以下のSkillが用意されています。
| スキル | 何ができるか | 使う場面 |
|---|---|---|
obsidian-markdown |
ウィキリンク・コールアウト・埋め込み・フロントマターなどのObsidian記法 | ノートの新規作成・編集全般。記法の参照元 |
obsidian-cli |
起動中のObsidianアプリをCLIから操作(検索・バックリンク・プロパティ一括変更・プラグイン開発) | Obsidianを起動した状態での補助操作。基本はファイル直接編集で足りる |
obsidian-bases |
.base ファイル(ノートのDB風テーブル/カードビュー)の作成・編集 |
ノート一覧を表形式で眺めたいとき。.baseファイル自体はAIからも読み書きできる |
json-canvas |
.canvas ファイル(マインドマップ・図解)の作成・編集 |
アーキテクチャ図や概念整理を視覚化したいとき |
defuddle |
WebページをクリーンなMarkdownに変換して取得 | 調査メモ作成時に、ページ内の不要な要素を減らして取り込みたいとき |
以下リンクのskills.shでobsidianと検索すれば、上のSkillも出てきますので、簡単に導入することが可能です。
Obsidian Gitで自動コミット・push
コミュニティプラグインのObsidian Gitで、15分間隔の自動コミット・pushを設定しています。同期先はGitHubのプライベートリポジトリのみで、iCloud同期やObsidian Syncは使っていません。AIが整理した結果も自動でGitHubへ記録されるため、あとから変更履歴を確認できます。
利用しているObsidian関連機能
現在は、主に以下の機能を利用しています。
- Obsidian Git:コミュニティプラグイン
- Web Clipper:Obsidian公式のブラウザ拡張
- Bases:Obsidian公式のコアプラグイン
できていないこと
Mac上での閲覧・編集がメインで、iPhoneのObsidianアプリからメモを編集・閲覧する環境は、今のところ構築していません。GitHubのプライベートリポジトリにはすべて保存しているため、GitHubアプリやSafariから内容を見ることはできます。初めはObsidianアプリでも扱えるようにしたかったのですが、PCで作業することがほとんどなので、現状で問題なしと判断しました。
検討した同期方法と断念した理由は、以下のとおりです。
- Obsidian Sync:最も確実な方法だと思いますが、追加料金がかかるため断念(今回のテーマは既存サブスクリプションの範囲内での運用)
- iCloud同期:Mac + iPhoneなので当初有力でしたが、iCloud Drive上にVaultを置くと、自分の環境ではVS CodeやClaude Codeからファイルを読み込む際に権限エラーが発生し、解決できなかったため断念しました。あまり時間をかけて検証していないため、環境によっては解決できる可能性があります。すでにiCloudを使っていてiPhoneとの同期を重視する場合は、検証する価値があると思います(参考記事)。
このメモ環境をどう構築したか
ここまで多くの設定を紹介したため、難しく感じる方もいるかもしれません。ただ、自分が実現したいメモの取り方や整理方法をAIと相談しながら具体化していけば、環境の構築自体はそれほど難しくありません。
自分もObsidianの機能をすべて理解してから作り始めたわけではありません。AIとやり取りしながら、少しずつ現在の構成に仕上げました。Obsidianはローカルのファイルを中心に扱うため、フォルダ構成の作成やMarkdownファイルの編集などはAIに任せられます。Claude Code Desktopのローカル定期タスクも、実現したい処理と頻度を伝え、AIと相談しながら設定しました。
Web ClipperやObsidian Gitの設定など、人間が画面を操作する部分は残ります。それでも、**「人間は気軽にメモを取り、AIが定期的に整理する」**という中核部分は、AIの支援を受けながら構築できました。
まとめ
まだこのメモ環境を使い始めたばかりなので、今後も運用上の課題は出てくると思います。それでも、人間は気軽にメモを追加し、定期的な整理をAIへ任せられる環境を構築できました。課題が出てきても、ファイルベースなのでAIに整理し直してもらったり、定期タスクのプロンプトやAGENTS.mdを改善したりできます。既存のAIサブスクリプションの範囲内でここまで構築できたことは、特に嬉しいポイントです。
今回紹介した構成が、同じようにメモの管理で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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