初っ端にいきなり全てを断ると拒否された時は厳しい性格の人なんだと思ったが、今こうしてみるとこの人はずいぶん優しい人なんだなと思う。 暑いところで話をするのに、自分の分だけじゃなくて押しかけて迷惑をかけている義勇の分まで当たり前に飲み物を用意してくれて、さらに飲むのが遅い義勇のため...
ノマカプのオリジナルとAPH(ヘタリア)のギルアサ、アンアサの二次創作BL小説のサイトです。
5年間ほどPixivで書き続けていた小説を移行しつつ、毎日1P分くらいの更新を続けています。 ゆえに…記事の数だけは多いです(*゜―゜)b 今現在1000記事以上っ!
とある狙われやすい少年について_14_底なしに優しい_義勇視点
初っ端にいきなり全てを断ると拒否された時は厳しい性格の人なんだと思ったが、今こうしてみるとこの人はずいぶん優しい人なんだなと思う。 暑いところで話をするのに、自分の分だけじゃなくて押しかけて迷惑をかけている義勇の分まで当たり前に飲み物を用意してくれて、さらに飲むのが遅い義勇のため...
とある狙われやすい少年について_13_思ったよりもずっと優しかった_義勇視点
こうして連れていかれたのは大学の中庭だ。 まだ若干暑いのもあって人気はなく、込み入った話をしても聞かれないような場所である。 ただパラソルで直射日光はさえぎられているが暑いには暑い。
とある狙われやすい少年について_10_友人はありがたい_義勇視点
こうして八方塞がりに思えた現状を打開するきっかけをくれたのは、姉の大学の友人だった。 姉と同じようにいかにもお姉さんといった感じの優しくきれいなその人は、義勇の高校のクラスメートの胡蝶しのぶの姉だったらしい。
やるということと出来るということの間には大きな違いがある… 一所懸命にやったからと言って、必要な結果にたどり着くとは限らないのだ。
とある狙われやすい少年について_8_妹のために関わった相手は弟だった
人生何がどう転ぶかわからないものである。 例えば今こうして飲み物を勧めたのは、あまりの会話のなりたたなさに、一息入れるだけのはずだった。
「ということで、おそらく事情はおおかた伝えられて知っていると思う。 念のため、ここに来たのはカナエの妹のしのぶから姉が暴走していると思うから助けてくれと言われたからだ。 だが、真菰がここにいると言う事で、俺に何かさせようと思っているのだろうと言う事は今察した。 それがカナエのいう...
集合場所はかつて知ったる胡蝶家だった。 以前は両親と姉妹で住んでいた一軒家には今は姉妹のみが住んでいて、隣の診療所は悲鳴嶼…いや、そのバックにいる産屋敷家が手配した医師が姉妹が医師になれるまでという限定で働いている。
──実は姉さんが厄介なことに首をつっこんでいまして…… 大学の中庭のベンチの下、ペットボトルの紅茶を両手で持ちながらそういうしのぶは可愛い。 幼馴染の欲目を抜いても、一般人の域を軽く超えた可愛らしさだ。
ペナルティらぶアナザーSBG_23_嵐のあとに_宇髄視点(完)
台風の去ったあとのような気分だった。
ペナルティらぶアナザーSBG_22_報告会に吹き荒れる嵐_宇髄視点
──俺ァそこまでやれって言ってねえぞっ!!告白だけで良いんだァっ!! いきなり怒鳴る実弥に宇髄は天を仰いでため息をつく。 相手によっては喧嘩だな、こりゃあ…と思いながらも、その相手は錆兎だ。 同じレベルで喧嘩なんてしてやるはずもない。 ということでコソコソと片付けが面倒なものを実...
ペナルティらぶアナザーSBG_18_波乱含みの報告会_宇髄視点
──久しいな、不死川っ! ドアを開けて中に促すと、錆兎はまずきっちんに荷物を置いたうえで、リビングの実弥にそう声をかけた。
──そろそろ着く。目の前のコインパーキング止めるから料理運ぶの手伝ってくれ。 上機嫌で飲み食いを始めている実弥をもう他人事のように眺めながらあらかじめ出しておいた割れても構わない食器をテーブルに出していると、スマホが振動して錆兎から連絡が入った。
金曜の決戦日を迎える前々日の水曜の終業時、宇髄はスマホを取り出してアドレス帳を覗く。 そして、前回の飲み会ではつまみを作る食材をたくさん買い込んでおいたのだが、今回はどうする?と錆兎にお伺いを立てた。
ペナルティらぶアナザーSBG_14_嵐の前の1週間_宇髄視点
──来週の金曜日にお前ん家集合な。それまでは二人とも静観してろ。 それは日曜の午後に錆兎から来たメッセージだ。 金曜の夜中に帰ったから、土曜の朝までには計画を練って午前中には動くだろうと思っていたら案の定である。
ペナルティらぶアナザーSBG_13_ふわふわとした気持ち_義勇視点
そこからの錆兎はちょっと変わっていた。 ──これ…確認して変えたいところがあれば言ってくれ。 と出されたのは表紙を含めて3枚ほどの計画表。 最初のページをめくってみると、これから半年ほどのスケジュールが見やすくまとめられている。 そう、まるで仕事のように。 あえて義勇が仕事で見て...
ペナルティらぶアナザーSBG_:12_罰ゲームだと?!_義勇視点
宇髄から錆兎が知りたがっていたので連絡先を教えていいかと聞かれて二つ返事でOKした時にはこんなことになるとは思ってもみなかった。 OKしてほんの10分後には初めて錆兎から連絡が来て、突然で申し訳ないのだが電話で話すようなことではない話がしたいので会えないかと言われて、自宅を教えた...
ペナルティらぶアナザーSBG_11_ぎりぎりの信頼2_宇髄視点
──俺だ。 とワンコールで出る親友に、ひゅっと緊張から息をのむ。 その宇髄の反応に錆兎は電話の向こうで淡々と 『今のお前は冷静じゃなさそうだから、適切な説明ができない気がする。 先に俺が話すから間違っている部分は指摘して、質問には端的に答えろ』 と言う。
ペナルティらぶアナザーSBG_10_ぎりぎりの信頼1_宇髄視点
それからの流れは最悪だった。 明らかにわざと負ける錆兎。 賢い上に勘も度胸も良い男なので、本当にあからさまにわざとなのだが、それに気づかず大喜びする実弥。
錆兎が居る時はいつも料理は錆兎に頼むことにしている。 宇髄も料理ができなくはないが、幼い頃から普通に食事を作っていて、現在、料理が趣味と言う錆兎に比べると手際も出来も敵わない。 無駄なプライドよりも食材の味を最大限引き出した旨い飯、旨いつまみが大切である。
義勇と一緒に飯を食うなり呑むなりの席を設けろ…というのがこれまでよくある依頼だったのだが、今回は違った。 今、電話で実弥が依頼してきたのは、誰か第三者を呼んで、ゲームをけしかけて、義勇に告白させろというものである。
ペナルティらぶアナザーSBG_7_いつものとは違う何か_宇髄視点
胃が痛い。 会社に行きたくない…。 これまでは学校も仕事も…それだけじゃない、自分で行くと決めたものに関して、面倒だなと思うことはあっても行きたくないと悩んだことはない。
そこからは早かった。 翌日は金曜日ということもあり、宇髄が家に来いというので行くことに…。 そしてその時に宇髄が自身の親しい友人の鱗滝錆兎も呼んだというので、察した。
部屋に戻った実弥は即宇髄に電話をかけた。 そして一気に自分が思ったことを宇髄に話す。 誰か義勇を罰ゲームで告白をしてくれるイケメンを紹介してくれ! …と、貞子の少女漫画の話をしながらそういうと、返ってきたのは
きっかけは妹が読んでいた少女漫画だった。 主人公が憧れていたイケメンに手酷い態度をとられて心底傷ついた時、それまでは粗暴で嫌な奴と嫌っていた相手が思いがけず優しく接してきて慰めてくれて、そこから彼が実は不器用で素直になれないだけで実は良いやつとわかって二人は付き合い始めて色々な出...
なんとなく…なんとなく違和感はあった。 宇髄は人付き合いは良いやつなので、普通なら錆兎が気にするまでもなく、実弥を呼ぶなら義勇も呼んだだろう。
錆兎が宇髄から聞いた義勇のアパートに突入する前日の話である。 その日は金曜日で、錆兎と実弥が宇髄に招かれて宇髄のマンションに集まっていた。
──突然で押しかけてすまない。実は俺は冨岡の事が好きなんだ。 ある晴れた夏の日の朝、来客を告げるチャイムの音に玄関のドアを開けた義勇は、そう言われてパチクリと目を瞬かせた。 まず思ったのは “ありえない” だ。
1_告白_義勇視点
ペナルティらぶVer.SBG_30_今日もKisatuカンパニーは平和です(完)
──あ、あの人っ!やらかし先輩っ!! 新入社員が楽し気に指をさす先に居るのは不死川。 以前ならそんなことをする勇気は誰にもなかった。 が、最近は親しみを込めて『やらかし先輩』と呼ばれている、人間関係に悩んだら新人でも気軽に相談に行く相手ナンバーワンの人物となっていた。
実際、あれだけ揉めて怒ったように逃げて行った不死川は、いつもなら文句と言うか暴言を吐きにわざわざフロアを超えてくるところなのだが、来なかった。
目を覚ましたのは翌朝だった。 ──義勇、朝だぞ。 と、泊まっている間ずっとかけていないアラームの代わりに起きる時間を教えてくれる言葉。
ここ数日はとんでもない驚きの連続だった。 宇髄と呑む予定だった場に不死川もいて、なし崩し的に負けたらペナルティ有りのゲームに巻き込まれた。 そして案の定負けて誰かに告白をしてOKをもらってくることに…。
実際に成果を出している人間の言う事だ。 自分に完全に当てはまるという保証はないが、ある程度は効果のあるものなのだろう。 錆兎の家に行ったあの日からずっと、実弥は自分を律しながら暮らしていた。
こうしてお土産は帰りまでいったん冷蔵庫や冷暗所行きで、3人は呑みに戻る。 ──ということで不死川は土産もあるし今日は遅くなっても帰宅ということで、宇髄は? と、明日も仕事だというのにぐいぐいと酒を飲みながら錆兎が言う。
その後、そのまま案内された和室が驚きの広さで、ついつい畳を数えてみたら20畳あった。 さらに驚くことには、大きめのテーブルの上になんだかすごい料理が乗っている。 綺麗に盛られた前菜やヒラメの昆布締め、野菜の炊き合わせ。 おそらく鴨肉であろう燻製や天ぷら。 塩辛に香の物、あと米はな...
──魔王の城っつ~より、奉行所のお白洲 みてえだな… たどり着いたのはお屋敷街の中でもひときわ大きい日本家屋だ。
──俺は以前、あいつに冨岡には近づいてくれるなって頼んだんだが… 宇髄の声音が少し変わった。 どこか伺うような…迷うような声。 それが実弥の胸をざわつかせた。 そしてその後に出てきた言葉はまさに最終宣告とも言えるものである。
──あの日、冨岡を追わなかった時点で全部終わってんだよ、諦めろ。 頭に血が上っていて何も考えずに走っていたはずなのに、足は自然と駅に向くのが自分でも不思議である。 とにもかくにも電車に乗ろうと改札をくぐりかけたその瞬間、実弥の腕を掴んだのは宇髄だった。
そこで錆兎が電話をかけた先は宇髄だった。 「今、駅からうちに向かう道の途中の商店街を出て2つ目の曲がり角だ。 不死川に絡まれている。 お前が15分で来なければ警察を呼ぶ」
そうして3人の姿が消えたところで、コロッと穏やかな表情に戻った錆兎は ──もう大丈夫だぞ、義勇。 と後ろを振りむいて言葉をかける。
そうしてしばらく待っていると、錆兎と義勇、そして宇髄の3人が店から出てくる。 幸せそうに笑って錆兎の腕に手をかける義勇。 いつも怯えたような顔しか見たことがなかったのに、まるで別人のようだ。
そうしてキラキラとネオンが点滅する繁華街を突っ切るようにイライラしながら駅に向かおうとした実弥だが、こんな不機嫌全開で帰宅して弟妹に心配をかけたくない。
月曜の就業後…本当なら義勇と二人で歩いていたかもしれない自宅への道のりを、実弥は一人でイラつきながら歩いていた。
想定外のことに実弥の頭は真っ白になった。 なに?なに?なんなんだ?? 鱗滝に告白~?!!! と、パニックになって、しかし嬉しそうな義勇とため息交じりの宇髄を見て、それが事実だとわかった。
──じゃ、とりあえず乾杯っ! と、なぜか部外者に仕切られて、それでも実弥は仕方なくビールのジョッキを抱えて飲み干した。
そんな会話がなされている一方で、その日の不死川… 宇髄の協力を得て、先週の金曜の夜に義勇から自分に告白させるか自分が義勇に告白するかを罰ゲームにした、『嘘から出たまこと作戦』を決行した。
──…ということで経緯の説明は終わったわけだが… と言ったあと、いきなり冷ややかになる錆兎の視線に、宇髄は自分がとんでもないヘマをしたことに気づいた。
(…あ~あ、だから言ったのに…) 昼休み、宇髄がやや暑いため人が少ないテラス席で待っていると、錆兎が来た。 …義勇を連れて。 いや、それは問題ではない。 一緒に飯を食うという話になった時、義勇が総務に借りだされていると告げると、錆兎がじゃあ同じフロアだから自分が迎えに行くと請け負...
頼みの綱の杏寿郎からも状況を聞き出せず、宇髄は途方にくれた。 こうして可能性は限りなく低いはず…とは思うものの落ち着かないでいると、なんと夕方頃に錆兎の方からLineが入った。
──ああ…やられたかぁ…… 金曜の夜に義勇を見失ったあと、放っておいても大丈夫だから飲みを続けようと高を括って主張する不死川に、ここで何かあっても自己責任だからな?とさんざん念押しをしながらも、宇髄はこっそり心当たりにLineで義勇の行方について尋ねまくった。
正直…自分でもずるいなという気はする。 でも日本では古来から棚からぼた餅という言葉もあることだし、まあいいか、と開き直ることにした。
錆兎の自宅は広いし会社からも近いので、しばしば皆のたまり場になっていた。 だから誰がいつ来ても大丈夫なように普段からつまみやら料理やらはレンチンしてすぐ出せるように冷凍してある。 そんな周りと自らの習慣に今日ほど感謝した日はない。
週の終わり…金曜日の終業時刻後。 その日は大手の案件の結果が出るのが終業時刻ぎりぎりで、そこからGO!が出たら大まかな確認だけしてすっきり週末を迎えようということで、終業時刻を超えての部内打ち合わせとあいなった。
あまりに自然すぎる誘導に、義勇は何がどうなっているのかわからない。 だが気づけば義勇のカバンは錆兎が持っていて、義勇には彼についていくという選択肢しかなかった。
やっぱり帰るべきだった。 その場に不死川の姿をみかけた時点で帰るべきだった。 宇随と不死川と飲んでいた居酒屋を飛び出した義勇は、つい数時間前にあとにした会社の正面出口横に立ち尽くしていた。
──宇随、頼むっ!!ほんっとに今度こそバカやらねえからっ!! 小学生時代からの幼馴染二人。 どちらも宇随にとっては大切で、どちらも幸せになってほしいとは思っていた。 だからそのうちの一人、不死川に土下座されて、それだけの覚悟があるならと協力したのだが…これは……
1_プロローグ
──…というわけでな、 と錆兎は読めない笑顔を浮かべた。
話を聞く限り、確かにキラキラしいし、実際、幸せな人生だったのだろう。 異性である女性隊員達が、そんなかっこいい異性の華々しい人生を聞けば楽しいのだろうと思った。 しかしそこでふと思う。 「なあ…」 「ん?」 「やっぱりわかんねえんだけど…」 「何がだ??」 「お前らが幸せな恋人同...
「そもそもが…最初の人生の時に鬼になった元月彦…無惨に遭遇したことがあるんだが、俺が斬り損ねた無惨を射抜いたのは義勇の方だったしな」 錆兎は強いんだっ! と義勇が誇らしげに自慢するのはよく聞いていたが、逆は初めて見る気がする。
義勇…と、そう言葉に乗せる時の錆兎の声はなんというかとても優しく甘やかになる。 ああ、この淡々とどちらかと言うと本質が武に偏った男がこんな声で呼ぶのだから、それはそれは特別なのだろう。
──今から900年ほど前のことだ… と言う言葉で錆兎の話は始まった。
水柱屋敷で真菰に原稿を渡しながら錆兎に面会を申し込むと、真菰に ──え~。錆兎疲れてるから、何かあるならあたしが聞くけど? と言われてしまう。
──さすがお館様!あの不死川の暴挙にはそんな深謀遠慮があったとはっ! ──無惨もあっさりひっかかりましたねっ
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_66_掌返しに怒りの無惨
──なんだ、これはっ!!! 鬼の頭領鬼舞辻無惨の居城無限城。 今日も無惨の前にかしずいた童磨の頭が吹っ飛ばされている。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_65_不死川実弥は別の方向へと突っ走る
──今までほんっとうにすまなかったっ!今度こそ分かったっ! 玄弥との風柱屋敷での生活が始まったところで、実弥はきちんと真菰を通して面会を申し込んだうえで錆兎に頭を下げた。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_64_実弥、心から改心する
錆兎に助勢を求められた!! それは実弥にとって快挙だった。
──俺に弟なんていねえっ! 数刻後、水柱屋敷の居間でそう叫ぶ実弥に、 (うわぁ…前世のアレ覚えててもそれ言っちゃうんだ~) と呆れる真菰。
──筆頭、連れて来たぜ~ あの話し合いから1週間ほど経ったある日、宇髄が動くズタ袋を抱えて水柱屋敷にやってきた。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_61_本当に義勇が好きなのか?
──考えを…変えさせるだぁ? ──あんなにしつこく付きまとおうとしてるのに? 不死川の義勇への執着を変えさせることは難しくはないという錆兎の言葉をきいて宇髄と真菰は揃って驚きに目を丸くした。
──みんな平和で幸せって…相変わらず甘えよな、お殿様は。 とりあえず状況を大方把握し終わって平和的解決をとする錆兎に、宇髄は呆れ顔で言う。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_59_無惨、小説合戦参戦
これは真菰だけ…いや、あるいは不死川は気づいただろうか…… 鬼の動きが巻き戻り前と微妙に変化している。 上弦の弐…童磨は、万世極楽教という宗教団体の教祖をしている。 それは前世で霊体だった時に知っていた。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_58_拗らせた想いの成果物
──無惨様…書かせる話はこれで良いのですか?義勇の相手役を無惨様にすることもできますが…
──では…無惨が義勇に接触しようとするなら耀哉様が対処して下さるということで静観します。 あまり気は進まないようだが錆兎は折れた。 ため息交じりにそう言うと立ち上がろうとする。
──なんだか壮絶に面白いことになってきてるね とある日、呼び出された産屋敷邸の一室で、錆兎と宇髄、そして真菰を前に、お館様こと産屋敷耀哉様がにこやかにのたまわれた。
──錆兎はさ、性善説で生き過ぎなんだよね~。 ──だなっ。つかここはブチキレて相手殴りに行くとこだろっ。 ──殴らないまでもさ、とりあえず回収したなら戻さずに全部燃やすべきっしょ! ──公平さを愛するお殿様だからな、やつは。権力使った方法は宜しくないとか、もう馬鹿かとっ!力なんて...
街で見かけた義勇は愛らしかった。 そう、今生で初めて出会ったあの時からもう2年と少し。 互いに17になるのに、相変わらずぽわぽわとどこか幼女のような雰囲気がある。
──まあ基本はこっちは手を汚さず周りから…だよな 疲れた心身を少しでも癒そうと、真菰が煎れたいつもよりもだいぶ高級なお茶をすすりながら、宇髄が言う。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_52_元忍が来るまでの仕分け
──結論から言うと、実弥はこちらが関わらず周りから潰させる。 さきほどまであれほど疲れたような不安そうな顔をしていたというのに、その言葉を口にした時の錆兎はもう、筆頭家を率いる大将の顔をしていた。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_51_記憶と隠された心のうち
実弥が書いた物を最初に知った時には真菰も激怒した。 自分と義勇の恋愛物語をさも事実のように書いているだけでも腹立たしかったのに、それがだんだんエスカレートして、義勇を無理やり自分のモノにしてそこから義勇がほだされていくなどと言う下劣な内容になってきた時点で、実弥を抹殺してやろうか...
──破門だっ 錆兎の怒りをなんとか緩和させようと尽力してくれた真菰に何度も何度もお礼を言って水柱屋敷を辞した匡近は、風柱屋敷に帰ると今回の処遇に納得していないようでムスッとしている実弥にそう告げた。
──世の中には謝罪しても許されない事はある。これはその類のものだ いきなり呼び出された水柱屋敷の道場で、匡近は例によって土下座をしていた。 例によっていつものことだが…という枕詞を使うには、今回は状況がいまだかつてないほどに深刻である。 なにしろ普段ならやらかしたら真っ先に怒鳴る...
…ぎゆうから…は…さね…み…の…たのもしさ…に…… あれからずっと実弥は風柱屋敷にいた。 しかし柱とはいえ新人柱で、しかも真菰のように雑務を全て引き受けてくれる有能な姉弟子が居るわけでもない匡近はかなり忙しい。
…また来てしまった…… 朝方…任務明けに自宅に帰宅する前に風柱粂野匡近は菓子を片手に水柱屋敷に寄る姿がよく見かけられて話題になっていた。 それを屋敷に迎え入れるのは屋敷の主である水柱の姉弟子であり継子でもある真菰である。
──ん~…おすすめはこれかな? 思い立ったが吉日、善は急げとばかりに、さっそく真菰に時間をとってもらった匡近は、真菰に錆兎と義勇の薄い本のおススメを読ませてもらえないかと申し出た。
諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_45_物語には物語でっ!
物語には物語で対抗をっ!! と、短気だった弟弟子は短気は損気という事を学んだ結果、そういう方向で行動することにしたらしい。
──悪いことは言わない。義勇君の事はすっぱり諦めろっ。 実弥が風柱屋敷に身を寄せて数日後、柱合会議から帰ってきた匡近が、いきなり開口一番そう言った。
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初っ端にいきなり全てを断ると拒否された時は厳しい性格の人なんだと思ったが、今こうしてみるとこの人はずいぶん優しい人なんだなと思う。 暑いところで話をするのに、自分の分だけじゃなくて押しかけて迷惑をかけている義勇の分まで当たり前に飲み物を用意してくれて、さらに飲むのが遅い義勇のため...
こうして連れていかれたのは大学の中庭だ。 まだ若干暑いのもあって人気はなく、込み入った話をしても聞かれないような場所である。 ただパラソルで直射日光はさえぎられているが暑いには暑い。
こうして八方塞がりに思えた現状を打開するきっかけをくれたのは、姉の大学の友人だった。 姉と同じようにいかにもお姉さんといった感じの優しくきれいなその人は、義勇の高校のクラスメートの胡蝶しのぶの姉だったらしい。
やるということと出来るということの間には大きな違いがある… 一所懸命にやったからと言って、必要な結果にたどり着くとは限らないのだ。
人生何がどう転ぶかわからないものである。 例えば今こうして飲み物を勧めたのは、あまりの会話のなりたたなさに、一息入れるだけのはずだった。
「ということで、おそらく事情はおおかた伝えられて知っていると思う。 念のため、ここに来たのはカナエの妹のしのぶから姉が暴走していると思うから助けてくれと言われたからだ。 だが、真菰がここにいると言う事で、俺に何かさせようと思っているのだろうと言う事は今察した。 それがカナエのいう...
集合場所はかつて知ったる胡蝶家だった。 以前は両親と姉妹で住んでいた一軒家には今は姉妹のみが住んでいて、隣の診療所は悲鳴嶼…いや、そのバックにいる産屋敷家が手配した医師が姉妹が医師になれるまでという限定で働いている。
──実は姉さんが厄介なことに首をつっこんでいまして…… 大学の中庭のベンチの下、ペットボトルの紅茶を両手で持ちながらそういうしのぶは可愛い。 幼馴染の欲目を抜いても、一般人の域を軽く超えた可愛らしさだ。
台風の去ったあとのような気分だった。
──俺ァそこまでやれって言ってねえぞっ!!告白だけで良いんだァっ!! いきなり怒鳴る実弥に宇髄は天を仰いでため息をつく。 相手によっては喧嘩だな、こりゃあ…と思いながらも、その相手は錆兎だ。 同じレベルで喧嘩なんてしてやるはずもない。 ということでコソコソと片付けが面倒なものを実...
──ね、あそこのご夫婦…? ──うん、すっごく若いけど…でも保護者よね? ──あ~、知らないの?この学校に結構子どもが入学してる近所の狭霧山幼稚園の… ──そうそう、会長よね。 ──ママたちの憧れのPTA会長様よ(笑) ──憧れ? ──うん。イケメンでデキる男なのに奥様が大好きす...
そのまままっすぐ冨岡家に帰宅するのかと思えば、鱗滝君はいったん自宅、鱗滝家に立ち寄る。 何故?と一瞬思ったが、そう言えば鱗滝家で着替えたので、制服がそのままだったな…と、義勇はそう納得した。
不死川と付き合うなんて絶対に嫌だし、断固として拒否をする。 そうしてくれと面と向かって言われたら、やめてくれと絶叫はするが、今回の諸々に関して言えば、すでに終わったことで、もう誰が望んだとしても同じようなシチュエーションが起きる事はない。
──この度は申し訳ありませんでした。二度と姿は見せません。 最初病院の廊下でそう言われた時には、正直何に対して謝罪されているのかわからなかった。 自分だけかと思えば、隣の鱗滝君もきょとんとしている。
こうして二人とも制服から私服に着替えると、笑顔で手を振る真菰さんに見送られながら、鱗滝家を出た。 そしてそのまま鱗滝君はかつて知ったると言うくらいよく行ったらしい村田家へ。
その日の夜…鱗滝君は義勇の家に来た。 正確には父に会いに。 ひどく思いつめた表情で…。
…え?死んだ?? その日は登校中からなんだか周りがざわついていた。 義勇は伊黒君と甘露寺さんと一緒に登校していて、伊黒君は甘露寺さん以外の何者にも興味がないので、特に動揺することはなかったが、甘露寺さんは周りのざわつきに落ち着かない様子だ。
あれから貞子も不死川も学校に来なくなった…。 それはまあ義勇的には平和で良いのだが、鱗滝君がこのところ沈み込んでいるのは大問題だ。
本当に何をやったのかわからない。 だが、あの事件のあった翌平日の月曜日から、不死川は学校に来なかった。
──まことに申し訳ございませんでしたっ!! 自分の妹と変わらない年の小学生の女の子が病院の廊下で土下座して謝罪しているのを見て、村田は泣きそうになった。
──私さ、やばいことはしないでって言ったよね? 宇髄さんと母で救急車の冨岡さんに付き添って、長兄はリビングに放置。 そして村田さんと姉と3人で移動したキッチンで、寿美は腕を組んで仁王立ちをしながら姉を睨む。
そこからは宇髄さんがまずおそらくこれまで飲んだことのないアルコールを飲まされて酔っている冨岡さんに万が一があってはと救急車を呼んでくれて、それが到着した頃に姉が戻ってきてわざとらしく驚いてみせる。
そして当日…家を出てからはめちゃくちゃ忙しかった。 ポイントは次兄に邪魔をされないように、母と自宅に戻る事。
ごめん…本気で村田さんを舐めていた… と、寿美は人生で初の猛省をした。
単に長兄をどつくという意味では手はある。 強力助っ人になりそうな相手はいくらでもいる。
思えば上手くいっていないんだろうなと言う兆候はあった。 姉は忍耐と理性の人なので顔に出すようなこともなく、他の家族は気づいていなかったようだが、ずっと同室で観察してきた寿美にはわかる。
鱗滝先輩狙いだとしたら、まあ仕方がない…と寿美は思っていた。 だって先輩は姉が求める要素をあまりに持ち合わせすぎている。
姉が壊れたのは恐らく親友だと思って居た子が実は父や兄がやらかしたことをずっと恨んでいて不死川家に復讐しようと思って姉に近づいたのだということを知った時だったのだと思う。
寿美は幼い頃から知能の高い子だと言われていた。 物理的にもそれはそうなのだろうが、正直…そう言われることになったのには家庭環境が多大に影響していると思う。
こうして宇髄が呼んだ救急車が到着した頃…玄関先からパタパタっと足音が聞こえて来た。 ──え?え?なにっ?何かあったの? と買い物袋を手にリビングへ駈け込んで来た貞子は、逆に義勇を抱えて玄関に向かう宇髄を見て目を見開いた。