中国で日本語教育に携わっていた頃、私は何度も同じようなことを感じました。中国人の日本語教師の中には、一流大学や国立大学で長年教え、定年退職後に民間の短期大学の学院長や教師になる場合がありました。皆さんご自身が優秀で、長い間、勉強のできる学生たちを教えてきた方々です。ところが...
私は仕事柄、70代、80代、90代の方々とお話をする機会があります。その方々が若かった時代は、今よりもずっと「厳しく育てること」が当たり前でした。学校でも家庭でも、悪いことをすれば大声で怒鳴られたり、時には叩かれたりすることも珍しくなかったそうです。ところが、その方々の話を...
世界各地を訪れていると、その土地では誰もが知っていることでも、外から来た人にはまったく分からないことがたくさんあります。食事の作法、あいさつ、交通のルール、人との距離の取り方、宗教や生活習慣など、その土地の人にとっては説明する必要すらないほど当たり前のことでも、初めて来た人...
以前、清華大学の4年生を対象に、「新聞講読」という授業を半年間担当したことがあります。3分の2の学生は、日本語能力試験N1に合格していました。私は半年間、新聞の読み方、語彙、表現、内容について丁寧に説明しました。授業としては予定どおり進み、カリキュラムもきちんと消化しました...
「それでも、できるところまでやってみよう」――15年間の日本語講演マラソンがAIへつながるまで
日本語講演マラソンを始める前、私はよくこんな夢を口にしていました。「中国全土を飛び回りたい。いつか、この素晴らしい日本語学習方法を世界各地に広めたい。一人でも多くの日本語学習者に、実際にこの方法を体験してもらいたい」。ところが、この夢を話したとき、返ってくる言葉の多くは決し...
学校の先生は、教え子のことをよく観察しています。 「今日は元気がないな」「最近、発言が増えてきた」「この子は少し自信をなくしているようだ」「この学生は、前よりも積極的になった」 一人ひとりの小さな変化に気づくことは、教師にとって大切な力です。その一方で、忘れてはいけないこと...
学校で起きるいじめについて考えるとき、私たちはどうしても子ども同士の問題を思い浮かべます。しかし、それだけでは不十分なのではないかと思っています。なぜなら、教室の中で最も大きな影響力を持っているのは、多くの場合、教師だからです。 私が小学校から大学まで見てきた先生方の中には...
AIアバターが拓くOIKAWAアプローチの未来 ――「一人の教師が教える」時代から「方法そのものが世界へ広がる」時代へ
私はこれまで、日本語学習者の「話す力」を飛躍的に伸ばすことのできる教師を育てたいと考え、多くの時間と労力を教師研修に注いできました。 ところが、実際に取り組んでみると、教師を育成することの難しさがよく分かりました。例えば、100人の日本語教師を集め、半年間、授業見学だけでは...
これまでコツコツ勉強してきた学生を、新しい教室の敗者にしてはいけない
日本語教育の現場では、これまで長い間、文法や語彙を正確に身につけ、試験で高い点数を取り、先生から与えられた課題をきちんとこなす学生が高く評価されてきました。毎日単語を覚え、文法の間違いを減らし、宿題を忘れず、授業にも真面目に参加する。そのような学生は、先生から信頼され、「...
――目線・笑顔・うなずきから始まる人間関係 私たちは、相手が自分を尊重しているかどうかを、言葉だけで判断しているわけではありません。挨拶を返してくれるか、目を合わせてくれるか、話しているときに顔を向けてくれるか、笑顔で受け止めてくれるか。こうした一つ一つの小さな態度から、「...
OIKAWAアプローチと、ドイツの実業家・考古学者として知られるハインリヒ・シュリーマンの語学習得法には、多くの共通点があります。両者に共通しているのは、語学を単なる知識として学ぶのではなく、実際に使える技術として身につけようとする姿勢です。 シュリーマンが自ら記した学習法...
スピーチは、マイクを渡し合う学び ――小教研で伝えたOIKAWAアプローチ
小教研での講演会とワークショップを終えました。先生方と一緒に声を出し、話し、聞き、笑い、拍手をしながら、改めて考えたことがあります。それは、スピーチはカラオケによく似ているということです。 以前、とても内向的で、普段は静かに話す友人とカラオケに行ったことがあります。ところが...
型があるから、安心して挑戦できる ――お好み焼き体験から考えたOIKAWAアプローチ
広島で、お好み焼きを自分たちで作る体験をしました。鉄板の前に座ると、担当のお姉さんが、まず全体の流れを分かりやすく説明してくださいました。生地を薄く広げ、キャベツをのせ、もやしや豚肉を重ね、麺や卵を加え、最後にソースを塗る。一度にすべてを覚える必要はありません。「次はこれで...
「モンスターペアレント対応」より先に、信頼残高を増やす学校づくりを
学校現場では、保護者対応の難しさがたびたび語られます。ニュースなどでは「モンスターペアレント」という言葉も使われます。しかし、学校を訪ねる保護者の多くは、最初から先生を攻撃するために来ているのではありません。子どものことで困り、不安を抱え、「学校の先生に相談したい」「一緒に...
話すAIではなく、話させるAI ――学習者全員に自信を育てる日本語教育
世の中には、よく話すAIアバターが数多くあります。流暢に説明し、次々に質問し、間違いを見つければすぐに訂正してくれます。一見すると、とても優秀な先生のように見えます。 しかし、OIKAWAアプローチのAIアバター日本語アプリが目指しているのは、それとは少し違う姿です。このア...
数年前から、「フレネミー」という言葉を耳にするようになりました。フレネミーとは、友人を意味する「フレンド」と、敵を意味する「エネミー」を組み合わせた言葉です。表面では親しく接していながら、内心では嫉妬していたり、相手の失敗を望んでいたり、陰で足を引っ張ったりする人を指します...
人間関係の操作、責任逃れ、依存、SNS上の曖昧な関係などを表す言葉
相手を操作したり、責任から逃れたりする言葉 ラブ・ボミング(Love bombing) 出会った直後などに、過剰な称賛、連絡、贈り物、愛情表現を浴びせ、急速に相手の心をつかもうとすることです。単に愛情深いことではなく、その後の支配につながる場合を指します。(The Hotl...
「勉強になった」と感じるとき、私たちは本当に深く学んでいるのでしょうか。私は、一方的に話を聞く授業と、学習者が自分で考え、話し、動く主体的な学習とでは、「勉強になった」という感覚の生まれ方が大きく異なります。 先生の話を聞く授業では、学習者は説明された内容を受け取ります。知...
相手を嫌いにさせることには成功しても、自分たちを好きになってもらうことには失敗する
私たちは、自分の正しさを伝えたいとき、つい相手の間違いを強く示そうとします。相手の欠点や失敗を並べれば、自分の主張が正しいと分かってもらえるような気がするからです。でも、ここには大きな落とし穴があります。 相手を悪く見せることと、自分を好きになってもらうことは、別のことだか...
クラスで一番の学生はいつまでも一番で、最下位の学生はいつも最下位のまま。このように、ほとんど順位の入れ替わりがない評価は、一見すると「評価が安定している」ように見えます。しかし、別の見方をすれば、授業によって学生の位置があまり変わっていないということでもあります。つまり、そ...
かつて、スポーツの世界では「厳しさ」や「根性」が、美徳のように語られてきました。長時間練習すること、怒鳴られても耐えること、体が限界に近づいても休まないこと。それらを乗り越えた人だけが一流になれるのだ、と多くの人が信じていました。そして、実際にそのような環境から成功者が生ま...
承認欲求は悪いものではない 人は誰でも、認められたい、褒められたい、応援されたいという気持ちを持っています。 これは自然な心の働きです。 大切なのは、承認欲求をなくすことではありません。 承認欲求を、人を傷つける方向ではなく、人を笑顔にする方向へ育てることです。 観点 健全...
日本語教師が答えにくい質問 ――学生の話す能力を「一気に高めるには?」――
「話す力を伸ばす方法」を説明できる日本語教師はいますが、「勉強嫌い」「自信がない」「やる気がない」「話したくない」という学習者の話す能力を短期間で一気に高める方法となると、答えるのが難しいようです。そこで、教育の本質に迫る質問をまとめました。 ① 勉強嫌いの学生編 1. 勉...
日本語学習歴がまだ1か月の外国人就労者でも、すぐに実践できることがあります。それは、難しい文法でも、高度な敬語でも、専門的なビジネス日本語でもありません。もっと基本的で、もっと人生に深く関わるものです。それは、笑顔、挨拶、返事、感謝、そして人の話を最後まで聞くことです。 こ...
なぜOIKAWAアプローチは、見ただけでは身につきにくいのか ― 日本語教師が一歩踏み出すための18の視点 ―
OIKAWAアプローチは、一見すると、シンプルに見えます。学生が大きな声で話し、教師が笑顔で励まし、仲間が拍手を送り、教室全体が明るくなっていく。見学にいらっしゃった先生方は、その変化を目の前で見ることができますが、20日間、朝から晩まで授業を見学しても、すぐに同じようにで...
信頼残高とは、未来への希望を失わないために、人と人とが互いに贈り合う勇気である
私は長い間、教育とは「人を伸ばす仕事」だと思ってきました。 もちろん、知識を教えること、技術を身につけさせること、試験でよい結果を出させることも大切です。しかし、世界中の学習者と出会い、多くの教師と関わり、そして自分自身の家庭の出来事にも向き合う中で、私は次第に、教育の本質...
質問の仕方によって、相手の話し方、話す時間、内容まで変わる。 これは、教育、家庭、職場、人間関係のすべてに通じる、とても大切な考え方です。私たちは普段、何気なく質問をしています。しかし、質問は単なる確認ではありません。質問は、相手の頭の中に道を作ります。どの方向に考えればよ...
OIKAWAアプローチの強みは、単なる日本語教育法、あるいは単なるスピーチ指導法にとどまらないところにあります。その本質は、「人が安心して話し、自信を持ち、挑戦し、成長していくための仕組み」を教育の中に組み込んでいる点にあります。 多くの語学教育では、単語、文法、読解、試験...
無知による加害と信頼残高 ~人を傷つける社会から、人を育てる社会へ~
皆さんは、「いじめをしてはいけません」「人に優しくしましょう」という言葉を聞いたことがあると思います。もちろん、その通りです。 しかし私は長年、教育の現場に立ちながら、あることを考えるようになりました。それは、 「人は悪意だけで人を傷つけるのではない」ということです。むしろ...
最近、「信頼残高」という言葉を知りました。 最初に聞いたときは、驚きました。なぜなら、25年以上教育に携わってきましたが、「信頼残高」という考え方を正式に学んだことがなかったからです。しかし、その内容を見た瞬間に、「これは教育の本質ではないか」と感じました。 信頼残高とは、...
私は、OIKAWAアプローチが他の先生方にとって再現しにくい理由は、笈川先生が25年間かけて自然に統合してきた能力があまりにも多いからだと思います。 少なくとも、私は7つの要素が重なっていると考えています。 まず第一に、圧倒的な現場経験です。 笈川先生は、北京大学・清華大学...
AI時代の日本語教育革命 ― OIKAWAアプローチを世界へスケール化する ―
25年間、日本語教育の現場で一つのことを追求してきました。それは、「人前で外国語を話せる人を育てること」でした。世の中には数多くの語学教育法があります。コミュニカティブ・アプローチ、タスク中心教授法、イマージョン教育、オンライン学習など、それぞれに優れた特徴があります。しか...
OIKAWAアプローチとイエナプラン ――「話す・認め合う・祝う」学びの共同体――
オランダで発展したイエナプラン教育は、子どもを一人の人格として尊重し、異年齢の仲間とともに学び、対話し、協力し、成長を祝う教育として知られている。そこでは、学校は単に知識を教える場所ではなく、小さな社会であり、子どもたちが安心して自分を表現し、他者と関わりながら生きる力を育...
近年、多くの人が「生きづらさ」を感じていると言います。 学校でも、職場でも、SNSでも、「人の目」が気になります。 「嫌われたくない」 「変だと思われたくない」 「失敗したくない」 「空気を壊したくない」 「評価を下げたくない」 その結果、人は少しずつ、“本音”より“評価”...
AI:私は、OIKAWAアプローチの「表面的な形」は変化しても、核心部分は、むしろこれからさらに必要になる可能性が高いと思います。特にユーザー様の方法は、単なる「日本語教授法」ではなく、「人前で安心して話す」「自己効力感を育てる」「恥をかかせない」「短時間で信頼を作る」「型...
「上級文法を使える学習者こそ優秀で、日本企業にも採用されやすい」と考える外国人学習者や日本語教師は少なくありません。もちろん、上級文法を学ぶこと自体は大切です。会議、提案、報告書、専門的な説明、学術発表などでは、高度な表現力が必要になる場面もあります。しかし、面接日本語や会...
外国語習得は簡単だと言うことを日本人は知らず、多くの人が英語イディオム地獄に陥り、一部の人だけがマスターできましたが、それは、意識的に独占してきたものではなく、“無意識の積み重ね”の結果として、 * 難しいものほど価値がある * 細かい違いを知る人ほど偉い * 間違えない人...
「上級文法を使える学習者=優秀で採用されやすい」と考える外国人学習者や日本語教師は少なくありません。しかし、日本社会では、難しい文法以上に、「安心感」「協調性」「報連相」「前向きさ」が重視される場面が多くあります。 ① シンプル文型でも好印象を与える回答 質問:日本で働きた...
日本の職場では、「長く話せる人」より、「場を壊さず、必要なことを短く伝えられる人」のほうが、評価される場面が多いです。もちろん、プレゼン能力、長時間スピーチ、論理展開が必要な仕事もあります。しかし実際の多くの職場で毎日繰り返されるのは、報告・確認・相談・共有・謝罪・感謝・提...
SNSで発信することに、ためらいを感じている人は少なくありません。 「批判されたらどうしよう」「変な人だと思われたら嫌だ」 そんな気持ちは、とても自然なものです。 日本では、一度の失敗や一言の誤解が、人間関係に長く影響することがあります。 だから、多くの人が「最初から発信し...
学習者の立場から、「悪い意味での教師像」をあえて考えてみます。 教師は、ときに罰を与える存在(ペナルティ装置)として見られます。ミスをすれば減点され、発言にはリスクがある――そのように受け取られてしまうと、「話さない方が安全だ」と感じる環境が生まれます。この誤解は、解かなけ...
人は「本物」に安心し、「本物らしさ」に疲れる 知性のある話し方やポジティブフィードバックが、時に反発を生む。過去に言葉で傷ついた人ほど、やさしい表現や整った論理に、かえって身構える。そこにあるのは、ひねくれではなく、経験から学んだ防衛の知性だ。 私たちはしばしば、良いものを...
知性のある話し方と、知性がありそうに見えるだけの「知性風」の話し方は、似ているようで本質が異なる。前者は相手との関係を深め、後者は距離を広げる。違いは語彙の難しさや論理の正確さではなく、「相手をどう位置づけているか」にある。 知性のある話し方は、自分の考えを提示しつつも、相...
学校の先生が無自覚にやってしまいやすい意地悪な行為 1. 答えにくい質問を、特定の生徒にだけ当てる 表向きは「期待している」「伸ばしたい」ですが、実際には、その子を試す・困らせる・力を誇示する形になりやすいです。 2. 間違えた瞬間だけ、細かく訂正する 好きな生徒には流すの...
言語化して、「気づいた瞬間に止められる」仕組みを作りましょう。 ■ 教師が余裕を失う瞬間 理解・進行が崩れるとき ① 「説明したのに、伝わっていない」と感じた瞬間 → 無力感 → イライラに変わりやすい ② 同じ質問を何度も受けたとき → 「さっき言ったのに」が積み重なる ...
先生方に、まず一つだけ問いかけさせてください。私たちは、これまでの指導の中で、一度も、誰かを傷つけたことがないと言い切れるでしょうか。おそらく、ほとんどの先生が、「そんなつもりはなかった」と思われるはずです。しかし、ここに、この問題の本質があります。 いじめの中で、最も厄介...
みなさん、こんにちは。 今日は、とても大切なお話をします。 それは、「不公平」についてです。 みなさんは、こんなことはありませんか? 「え?なんで自分だけ?」 「ちゃんとやったのに、どうして負けたの?」 「ずるいなあ」と思ったこと。 ありますよね。 実は、大人でも同じです。...
ペスタロッチ思想とOIKAWAアプローチの共通点 ① 人間全体を育てようとする ペスタロッチは、教育を単なる知識注入ではなく、頭・心・手をバランスよく育てるものとして考えました。つまり、「頭=知的能力」「心=愛情・道徳・人間性」「手=実践力・行動力」を一体として育てることを...
修復的実践とOIKAWAアプローチの共通点 ① 人を切り捨てず、関係の回復を重視する 修復的実践は、問題行動が起きたときに、単に叱る・罰するのではなく、「何が起きたのか」「誰が傷ついたのか」「どうすれば関係を修復できるのか」を大切にします。OIKAWAアプローチも、学習者が...
SELとOIKAWAアプローチの共通点 1. 安心できる学習環境を重視する SELは、子どもや学習者が安心して学べる環境を重視します。OIKAWAアプローチもまさに同じで、学習者が「間違えたら恥ずかしい」「話したら笑われる」という不安を減らし、話しやすい空気をつくることを非...
発音やアクセント、文法のミスを徹底的に減らすこと。 それによって、毎回スピーチ大会で成果を上げてきました。 しかし、そのためには、ただ厳しく削るだけでは不十分です。 励まし、支えながら、何百回も訂正を重ねていかなければ、教え子をゴールまで導くことはできません。 そこには、指...
富裕層が「見えないルール」に気づきやすい理由 ⭐︎家庭内の会話量が多い:大人同士の会話、来客との会話、相談の会話を日常的に聞けるため、 「こういう時はこう言うのか」が自然に入ります。 ⭐︎語彙が豊かになりやすい:語彙が多いと、相手の微妙なニュアンスや遠回しな表現にも気づきや...
東洋大学で研究者のみなさま向けに、研究とは違う一面、現場での実践について講演会をしてきました。 昨年半年間行った研修で、50数名の先生方の成長を確認しながら気づいたのは、これまで、ひと握りの優秀な学習者だけが使っていた学習効率の高いコツを、言語化して再現可能にしたものが少な...
昨日、東洋大学の研究会にて講演の機会をいただきました。会場では、複数の先生方が発表されていて、その中には外国人の日本語教師の方もいらっしゃいました。その先生は、日本人の断り方、勧誘の仕方、依頼表現などについて、日本語教育の観点から非常に丁寧に紹介されていました。大変興味深く...
日本人の口癖 → 自信ある言い換え ① あいまい系 → 明確化 1. なんか → 具体的に言いますと 2. ちょっと → 少しですが 3. 〜みたいな → 〜です 4. 〜っぽい → 〜のようです 5. 〜的に → 〜の観点で 6. とか → 例えば 7. なんとなく → ...
語尾も色々ありますが、やっぱり「かと思います」「かもしれません」と言った方が、安全ですね。 強い断定:〜に決まっている、〜に違いない、〜に相違ない、〜にほかならない、〜以外の何ものでもない、〜でしかない、〜に決まっているだろう、〜に違いないだろう、〜に決まっているじゃないか...
日本語には「安全装置」がある ―「かと思います」「かもしれません」が会話を自由にする理由― 日本語を話すとき、日本人も日本語学習者も、ある共通の不安を抱えています。それは「文法を間違えること」よりも、「相手に失礼になってしまうこと」です。日本語では、人間関係を壊すことへの恐...
自慢話をして「こっちの水は甘いぞ」と誘うやり方も他人の悪口で盛り上がるやり方も、社会心理学では、「短期的快感コミュニケーション」と呼ばれ、倫理的には気持ち悪く、後味が悪い方法も、多くの人にとっては、本能的に気持ちが良くなるとされるそうです。 多くの人が気持ちよくなるが、気持...
「学生は発言してくれないし、発言してもどこを褒めて良いかわからないし、誰も質問してくれません。でも、教え子たちに上手になってもらいたい」と悩まれている先生方へ。1つのセンテンスを20回音読するだけで、自然と口から溢れ出てきます。コピーして、どんどん使ってください。 先生から...
― 語学天才の学習法を授業に変える試み ― 語学学習の歴史を振り返ると、しばしば名前が挙がる人物の一人にハインリヒ・シュリーマンがいます。彼は19世紀の実業家であり、後にトロイ遺跡を発掘した考古学者としても知られていますが、同時に非常に有名な多言語話者でもありました。シュリ...
― 400年を越えてつながる語学教育の思想 ― 私はこれまで、スロバキアのコメニウス大学で二度講演をする機会をいただきました。そのうち一度はワークショップ形式で、学生や教師の皆さんと一緒に、実際に声を出しながら日本語の練習を行いました。講演を終えたあと、私はふと不思議な感覚...
日本文化「憎しみ=愛の裏返し」 「どの教え子もたくさん話せるのはなぜ?例外はないの?」と聞かれることがありますが、確かに、例外なく、誰もが夢中になって、たくさん話してくれます。もちろん、自分の答え、理由、エピソードを話す「型」を何度も音読して、発表の仕方を体に染み込ませます...
近年、日本でとても象徴的な出来事がありました。 プロ野球チームの 北海道日本ハムファイターズ が、長年本拠地として使っていた 札幌ドーム を離れ、北広島市 に新しい球場 エスコンフィールドHOKKAIDO を建設したことです。 結果として、北広島市は大きな成功を収め、札幌ド...
皆さんに、質問をさせてください。語学の授業で、いちばん多く話しているのは、誰でしょうか。多くの場合、それは、教師です。実は、私も昔はそうでした。私は一生懸命に文法を説明し、正しい文を教え、間違いを直していました。「良い授業をしなければ」と思い、たくさん話していました。しかし...
人が自然に好感を持つ態度 - 人が自然に好感を持つ態度 態度・表情 穏やかな表情/柔らかい目線/相手の目をやさしく見る/うなずきながら聞く/微笑みを忘れない/落ち着いた姿勢/威圧しない距離感/話す前に一呼吸置く/相手の緊張をほぐす空気をつくる/場の雰囲気を明るくする存在感 ...
「大きな光」と「深い影」 - 教育の世界にも、「大きな光」と「深い影」があります。成果を出す学校、カリスマ的な教師、驚くほど伸びる生徒。そうした存在は、周囲から称賛され、憧れの対象となります。しかし、強い光が当たるところには、必ず影も生まれます。これは特別な誰かの問題では...
「褒めてはいけない」の誤解と、教育現場で本当に必要な前提の話
「褒めてはいけない」の誤解と、教育現場で本当に必要な前提の話 - 教育の世界では、長い間「褒めること」について賛否が繰り返されてきました。アドラー心理学をはじめ、「褒めると人は依存する」「褒めるのは操作だ」「褒めると考えなくなる」といった主張を耳にしたことがある教育者も多い...
「正しさより、機嫌の時代へ ― なぜ“批判しない人”が選ばれ始めたのか」
「正しさより、機嫌の時代へ ― なぜ“批判しない人”が選ばれ始めたのか」 - 今日は、「なぜ今、誰かを批判しない人が選ばれる時代になってきたのか」 このことについて、お話ししたいと思います。 少し、当たり前の話から始めます。 人は、誰かに機嫌をよくしてもらえたら、嬉しい生き...
殴られ慣れている人はメンタルが強い? - YouTubeで、ひろゆきさんが 「殴られ慣れている人はメンタルが強い」 と話しているのを聞いたことがある人も多いだろう。 この言葉は、とても刺激的で、分かりやすく、印象に残る。実際、どこか「なるほど」と思ってしまう部分もある。確か...
人は弱い存在 - 人は弱い存在である。 これは悲観でも、諦めでもない。人間という存在を正しく理解するための、出発点である。 私たちはしばしば、「悪いことをするのは悪い人間だ」と考えたくなる。そう考えれば安心できるし、自分は安全な側に立っていられる。しかし現実を見れば分かるよ...
SNS時代に「偉そうな態度」をとる政治家はなぜ苦しくなるのか
SNS時代に「偉そうな態度」をとる政治家はなぜ苦しくなるのか - 安住淳氏の発言をめぐって、多くの人が傷ついたという声が広がった。 発言の是非や政策内容以前に、「なぜあの言い方だったのか」「なぜ突き放すように聞こえたのか」という違和感を抱いた人は少なくないと思う。私自身も、...
なぜ「反対」を叫ぶ人ほど攻撃的に見えるのか - SNSを見ていると、「戦争反対」「差別反対」といった、いかにも正しそうな言葉を掲げている人ほど、強い言葉で他人を攻撃している場面に出会うことがある。一見すると不思議な光景だ。平和や人権を守ろうとしているはずの人が、なぜこれほど...
訂正しない教育が、人を伸ばす理由 - 私は、いろいろなことに気づくのが遅い人間だと思います。 二十五年間、日本語教育の現場に立ち続け、学生と向き合い続けた結果、ようやく一つの答えにたどり着きました。それは、学生の間違いを指摘し、訂正し、矯正しないことこそが、最も上達につなが...
反発がある先生ほど、ある日突然スッと腑に落ちる瞬間 - 「反発がある先生ほど、ある日突然スッと腑に落ちる瞬間」 その瞬間は、先生が「考えた」時ではなく、「目撃してしまった」時に起きます。納得ではなく、遭遇です。 その瞬間に起きていること 1. 学生が“自分の想定より早く”伸...
ポジティブフィードバックに抵抗する先生ほど救われる理由 - ポジティブフィードバックに抵抗する先生ほど救われる理由 強く抵抗する先生ほど、これまで誰よりも真剣に教育と向き合い、その分だけ“自分を犠牲にしてきた人”です。 1. 抵抗は「否定」ではなく「自己防衛」 ポジティブフ...
なぜ「アプリ化」すると誤解が減るのか - なぜ「アプリ化」すると誤解が減るのか ― 笈川アプローチ × AIアバターの必然 ― 誤解は「中身」ではなく「人」にくっつく。 アプリ化すると、その“人の影”が消える。 ① 人がやると、必ず起きる誤解:まず、なぜ人間がやると誤解され...
先生方が学生にポジティブフィードバックをできない理由 - ① 先生方が学生にポジティブフィードバックをできない理由 ② なぜ「アプリ化」すると誤解が減るのか ③ ポジティブフィードバックに抵抗する先生ほど救われる理由 ④ 反発がある先生ほど、ある日突然スッと腑に落ちる瞬間 ...
東アジアの若者と学びの危機 ――今こそ「尊重から始まる教育」が必要な理由――
東アジアの若者と学びの危機 ――今こそ「尊重から始まる教育」が必要な理由―― - 近年、東アジアの若者を取り巻く状況は、どの国でも非常に厳しいものになっていると感じる。日本、韓国、中国、そしてベトナムを含む東南アジアにおいても、若者たちは学業、進路、就職、社会的評価といっ...
OIKAWAアプローチ 「声を張る人が不利になった理由」 - 先生用メモ * 🎯 目的 * 意見の正解・不正解を決めない * 「話せた」「聞けた」「認められた」体験を作る * ⏱ 所要時間 * 1人30〜40秒 * 👥 形式 * ペア → グループ → 全体(段階式) ...
なぜ教師・政治家・リーダーから 「声を張る人」が不利になったのか
なぜ教師・政治家・リーダーから 「声を張る人」が不利になったのか - ① 導入(問いかけ|30秒) みなさんに質問です。 昔は、 声が大きい人=熱心 声を張る人=リーダー と思われていませんでしたか? でも最近、 怒鳴る先生 声を荒げる政治家 強い言葉で指示を出す上司 こう...
尊重し合う文化をつくる授業 - ――笈川式ポジティブフィードバックの本質―― 私の授業では、学生同士が仲良くなるために、ポジティブフィードバックを意識的に多用しています。 実は、25年前に私が見た中国の教室では、クラスメイト同士の関係はとても良好でした。授業が終わると、自然...
「相手を傷つけやすい言葉」→「やさしい言い換え」 - 「相手を傷つけやすい言葉」→「やさしい言い換え」 ① 一瞬否定系 → 状況説明に 1. 無理 → 今は難しそう。今は難しいかと。 2. ありえない → 想定外だったよ。想定外だったかと。 3. ないわ → 好みと違うかな...
言うべきこと、言うべきでないこと - ― ネガティブな過去は「自分語り」に限定する ― 人が自分のエピソードを語るとき、最初にネガティブな過去を置き、最後にポジティブな現在や未来を語る構成は、とても力があります。失敗や弱さを正直に語るからこそ、今の姿が引き立ち、聞き手に希望...
会社経験がないからこそ、外国人就労者に「報連相」を定着させることができた理由
会社経験がないからこそ、外国人就労者に「報連相」を定着させることができた理由 - 私は会社勤めをした経験がありません。この事実だけを見ると、外国人就労者に対して日本企業で必須とされる「報連相」を指導する立場としては、適任ではないと思われるかもしれません。しかし現場で指導を...
「持たなかった経験」が、現場を前に進めた理由 - 私は会社勤めをした経験がありません。また、日本語教師の資格も持っていません。一般的に見れば、外国人就労者に「報連相」を教えたり、日本語スピーチ大会で結果を出したりするには、不利な経歴だと思われるでしょう。しかし実際には、私...
理論を尊重しながら、現場を前に進めるために - 私は日本語教師の資格を持っていません。また、420時間の日本語教師養成講座を受講したことも、日本語教育能力検定試験を受けたこともありません。日本語教育の世界では、これはしばしば「不利な条件」と見なされます。しかし、今振り返る...
いつも同じ子が、こまってしまうのは、どうしてだろう? - クラスを見ていると、 なぜか、いつも同じ子がからかわれたり、 なぜか、いつも同じ子が先生に注意されたりすることがあります。 「その子が悪いからかな?」 「ちゃんとできないからかな?」 でも、じつは、そうではないことが...
「同じ子が、いつも叱られ、いつもいじめられる理由」 - 学校現場を見ていると、不思議なほど「同じ子」が、繰り返し叱られ、繰り返しいじめの対象になることがあります。 問題行動が特別に多いわけでも、能力が著しく低いわけでもない。それでも、なぜか注意されやすく、からかわれやすく、...
笈川アプローチとDuolingo - ― 比較をやめた先に見えた、学びの本質 ― 語学学習の世界には、すでに多くの優れた教材やアプリが存在しています。Duolingoはその代表例でしょう。カラフルで親しみやすく、ゲーム感覚で続けられる仕組みは、多くの学習者を「学び続ける状態...
ポジティブ思考、ポジティブ口調、ポジティブ行動② - ネガティブな状況こそ、 ポジティブ思考、ポジティブ口調、ポジティブ行動を発揮しよう! ① 学習者に関するネガティブな状況 1. 学習者が黙ってしまう →「大丈夫。今、ちゃんと考えていますね。ゆっくりでいいですよ」 2. ...
ポジティブ思考、ポジティブ口調、ポジティブ行動 - ネガティブな状況こそ、 ポジティブ思考、ポジティブ口調、ポジティブ行動を発揮しよう! ① 学習者に関するネガティブな状況 1. 学習者が黙り込む →「今は“考える時間”をくれている。沈黙は拒否ではない」 2. 何度教えても...
「教える力を、型として残すという挑戦」 - 2011年から、日本語講演マラソンを続けてきました。一人でも多くの日本語学習者に、より良い学習方法を届けたいという思いから始めた取り組みです。その後、半年に一度行ってきた北京特訓班では、日本語教師の皆さんにも、私の授業をそのまま見...
「安全地帯を求める人間と、壊れても生きる力」 - 勉強して、良い成績を上げ、良い会社に入り、良い給料をもらい、安定した生活を送る。多くの人が、この人生モデルを目標に努力する。実際、それは間違いではない。努力した人は、そうでなかった人よりも恵まれた環境に身を置ける可能性が高...
「声が小さくても、同じ場所を向いているあなたへ」 - 私は最近、強く思うことがあります。それは、「自分と同じ価値観で教育を考えている人は、本当に他にいないのだろうか」という問いです。 私は、日本語教育の現場で教材を作り、授業をしてきました。その中で大切にしているのは、成績や...
パワハラはどこまで「通用」してしまうのか - パワーハラスメントは、明らかに不適切であるにもかかわらず、なぜ、一定期間「うまくいっているように見える」のだろうか。この問いに向き合うとき、私たちは感情論ではなく、構造そのものを見なければならない。 多くの人は、パワハラの被害者...
SNSにおける関心の偏りと人間関係の構造 - SNSは、人と人との関係性を可視化する装置です。「いいね」やコメントといった反応は、好意や関心の表明として機能し、利用者はそれを通じて他者との距離を測っています。しかし、その仕組みの中で、多くの人が無意識のうちにある偏った行動を...
「いろいろな仕事を大切にしよう」 - この前、わたしは映画 フラガール を見ました。 その中で、炭鉱(たんこう)で働く人たちが出てきました。顔がまっ黒になるほど大変な仕事でしたが、みんな自分の仕事にほこりをもっていました。 わたしたちのまわりには、たくさんの仕事があります。...
ブルーカラーを尊敬する社会へ - 久しぶりに映画 フラガール を観た。 炭鉱で顔を炭だらけにしながら働く人々の姿に、懐かしさと同時に、ある種の喪失感を覚えた。彼らは自分の仕事に誇りを持っていた。そこには、仕事の種類による上下関係ではなく、「自分が社会を支えている」という確か...
忘れてはいけない、心の距離のとり方 - 人が自分の力を出すためには、「相手を舐める気持ち」が必要です。ここで言う「舐める」とは、相手をバカにすることではありません。「あの人も自分と同じ人間だ」「自分にも近づける存在だ」と感じることです。この気持ちがあると、緊張しすぎず、失敗...
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