NRF2026速報レポート エージェンティックコマースの衝撃!
※この記事は、約3か月前にDCSオンライン+会員向けに公開した記事を、フリー記事として再公開しています。
2026年1月11~13日、ニューヨークで小売業界最大のイベント、「NRF 2026 Retail’s Big Show」(以下、NRF2026)が開催された。話題をさらったのは、AIが消費者に代わって商品選択から決済までを完了させる「エージェンティックコマース」。日本の小売業はどう対応すべきか?
この記事のキーポイント
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AIが消費者の代理で商品選びから決済までを自律的に行う「エージェンティックコマース」がもたらす買物体験の変革が注目されている
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生成AIと店舗網を直結させ最短30分のドローン配送を実現する、米ウォルマートとグーグルが戦略的な提携内容を計画している
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日用品の自動補充や高級ブランドの接客支援など、商品カテゴリーごとに異なるAIエージェントの最適な活用手法が重要視されている
エージェンティックコマースとは!?
NRF2026のスローガンはThe Next Now。現地取材した感想をもとにした意訳は「『次の小売』がここにある」。「エージェンティックコマース、エージェンティックAIが変える小売は未来の話ではない。現実を直視し、実行していこう」という強いメッセージである。

あらためてエージェンティックコマースとは、対話を通じて、AIエージェントが「消費者の代理として、消費者が欲しいものを自律的に探し、提案し、場合によって決済までする」コマースのかたちだ。在庫確認から会員割引の適用、配送指定まで最低限の意思決定で完了できるため、消費者の買物体験がまさに一変するのである。
エージェンティックコマースには大きく2つのパターンがある。1つめが自社EC内に訪れたお客に対して、自律的なショッピング体験を提供するもの。2つめがChatGPTやGeminiなど生成AIのトップ画面から直接購買までできるようにするものだ。前者は、自社サイトにお客を誘引する必要がある半面、その後の購買、配送処理まで自社だけで完結できる。一方、後者はグーグルやOpenAIといった生成AIを展開する企業との提携が前提となるが、そこに訪れる人の数は膨大で、かつ急速にトラフィックが伸びている。
OpenAIの次はグーグル、ウォルマートの本気
NRF2026でエージェンティックコマースへの対応を強く宣言したのがウォルマート(Walmart)だ。同社とグーグルは両社トップが登壇したNRF2026の基調講演の会場で、エージェンティックコマースに関する提携を発表した。具体的には、ウォルマートとサムズクラブの膨大な取扱商品・配送網と生成AIのGeminiが結合し、Gemini上でショッピングを完結させることができるようになったというものだ。AIが小売サイトの商品を理解し、自律的かつ安全に決済するための基準であるユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)の導入も発表された。
ウォルマート新CEO(26年2月1日就任)のジョン・ファーナー氏は「当社の目的は、人々の生活をよりよくし、節約を助けることにある。なかでも時間の節約はその大きな要素だ」と語り、グーグルとアルファベットのスンダー・ピチャイCEOは「ウォルマートはエージェンティック型ECの先駆けであり、正しい方向に進んでいる」と称えた。
これまでECによる購買体験は長らく「キーワード検索」が主流だったが、AIモードの誕生により自然な会話型に移行している。エージェンティックコマースの本質は、ユーザーの意図を汲み取ったAIが裏側で複雑なプロセスを代行する点にある。その結果、検索から購買、配送までの全工程が自動化され、ユーザーが最小限の意思決定をすれば、買物に必要な全工程が瞬時に完結するのだ。
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