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成長志向型コーポレートガバナンスPTの提言について

7月29日に私が座長を務める自民党 司法制度調査会 成長志向型コーポレートガバナンスPTとして、「企業価値を伸ばし続けるガバナンス改革への提言」を、片山さつき金融担当大臣と平口洋法務大臣に申し入れました。

提言の本文はこちらにアップしています。

今回は、この提言の目的と、政府全体で動き出したコーポレートガバナンス改革の全体像をお伝えします。

この10年、日本の上場企業の業績は総じて改善し、株価もこの8月には6万円を超えるなど歴史的な水準まで上昇しました。

その一方で、企業の将来の源泉となる設備投資や人的投資、研究開発などの成長投資はその業績に見合う形では伸びず、取引先の中小企業等への価格転嫁も十分とはいえない状況である一方、配当や自社株買いが大きく増えてきました。

稼いだ利益が、未来への投資に十分に振り向けられていない。この構造を変え、企業が中長期の成長に向けて大胆に投資できる環境をつくる。それが「成長志向型コーポレートガバナンス」という名前に込めた思いです。

この提言は、アクティビストを一律に規制するためのものではありません。アクティビストの提案が経営への規律を高め、企業の業績改善につながった事例は数多くあります。その一方で、米国に次ぐ世界第二位の活動量となっている日本市場におけるアクティビストの提案内容を確認すると、短期的な株主還元を求めているものが多いのも実態です。

さらに、法制度を逸脱した株主権の行使、複数の投資家が秘密裏に連携して影響を及ぼす「ウルフパック」と呼ばれる手法など、市場の公正性を損なう動きも指摘されています。

 

このような状況を踏まえ、今回の提言は、主に次の三点を同時に進めることを求める内容にしています。

1. 企業の経営力向上

根本的な対策は、企業自身の経営力の向上です。

成長に資する株主提案は積極的に活用し、不合理な提案には毅然と対応できる取締役会をつくること。社外取締役が本来の機能を発揮できる体制の整備や、企業と投資家の対話における望ましい事例・望ましくない事例の収集・公表なども提言しました。

2. 諸外国と対等な市場環境の整備

グローバルに競争する日本企業が、日本の制度ゆえに欧米では起こりえない対応を迫られるのはフェアではありません。

会社法の見直し案として、下記を提言しています。

いずれも欧米主要国の制度水準に合わせるものであり、株主による正当な提案や規律を阻害するものではありません。

3. 公正な資本市場に向けた執行力の強化

ルールは違反した対象に対して適切に執行されてこそ効力を発揮します。今年改正した金商法によって大量保有報告制度違反の課徴金は現行の70倍に引き上げられるなど、規律強化はすでに始まっています。その効果を着実に発揮させるため、証券取引等監視委員会の人員増、専門チーム構築、デジタル技術の活用など、執行体制の抜本強化を求めました。

これまで、成長志向型のコーポレートガバナンスの実現に向けて、昨年から、成長戦略本部、資産運用立国議員連盟で、産業政策を所管する経産省、コーポレートガバナンスコードを所管する金融庁、会社法を所管する法務省の3省庁を横断し、政策を整えてきました。

それを踏まえて、7月21日には金融庁と東京証券取引所が「成長投資の促進」を掲げてコーポレートガバナンス・コードを改訂し、同日に経済産業省が実務指針となる「成長投資ガイダンス」も公表しました。

改訂版のコーポレートガバナンスコードでは、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた攻めのガバナンスの実現が市場としても望まれることが明文化されています。

成長投資ガイダンスでは、企業と投資家が「価値創造」を共通言語として、賃上げを含む成長投資の拡大、事業ポートフォリオの見直し、業績や成長ステージに応じた成長投資と株主還元の適切なバランスの取り方などの考え方を整理しています。

そして、このガイダンスでは人口減少が進み供給力が制約される日本において、賃上げは単なる「分配政策」ではなく、人材を惹き付け、生産性の向上を促す「供給力・競争力強化政策」そのものであり、成長戦略の起点であるとも明記しています。

経営力の向上を促すコーポレートガバナンスコードとガイダンス、海外市場と対等な環境をつくるための会社法制、そしてそれを執行するための体制強化。さらに、機関投資家の行動指針となるスチュワードシップコード、これらの取組を一体で進めることが日本の市場の成長につながります。 

現在も法務省では会社法改正に向けた議論が進んでいます。今回の提言を確実に反映させ、企業が大胆に成長投資を行い、その挑戦を株主が支え、市場が後押しをする。その結果、経済全体が成長し、日本に住むひとりひとりが豊かさを実感できる環境となるよう、継続的にフォローしていきます。



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