ワルサーP99
|
ワルサーP99 9mmパラベラムモデル | |
| 概要 | |
|---|---|
| 種類 | 軍用・警察用自動拳銃 |
| 製造国 |
|
| 設計・製造 | カール・ワルサー社 |
| 性能 | |
| 口径 | 9mm, 40口径 |
| 銃身長 |
102mm (9x19mm, 9x21mm) 106mm (.40S&W弾) |
| 使用弾薬 |
9x19mmパラベラム弾 9x21mm IMI弾 .40S&W弾 |
| 装弾数 |
10,15,16,20+1発 (9x19mm) 15,16+1発 (9x21) 10,12,14+1発 (.40A&W) |
| 作動方式 |
ダブルアクション ティルトバレル式ショートリコイル |
| 全長 |
180mm (9x19mm, 9x21mm) 184mm (.40S&W) |
| 重量 | 750g (9x19mm) |
| 銃口初速 | 408m/s |
| 有効射程 | 60m |
ワルサーP99(Walther P99)は、ドイツの銃器メーカーであるワルサー社(Walther GmbH:創始者カール・ワルサー)が1996年に開発した自動拳銃。ワルサーP38の後継モデル開発に失敗し続けたワルサー社が、ウマレックス社に買収されて以降にリリースされた。
特徴
[編集]P99は、ワルサー社初のポリマーフレームを採用した。グロック17やH&K USPなど、先行する他社のポリマーフレーム拳銃を参考にし、独自の改良を施している。フレームが一体成型されている他のポリマーフレーム拳銃と異なり、グリップ後部のバックストラップと呼ばれる部品が交換式となり、使用者の手に合うよう形状を3段階[注 1]に変更できる。
露出した撃鉄を持たないストライカー撃発方式となっており、目視や指による触感で撃発可能な状態か確認できるよう、スライド後端からストライカーの一部が突き出す構造になっている。装填についても、薬室内に弾薬が装填されるとスライド側面のエキストラクターが動き、後端に赤い印が現れることで目視と接触による確認が可能になっている。
バリエーション展開として、S&Wによるライセンス生産モデル「SW99」、炭酸ガス式の空気銃(日本では実銃扱い)「CP99」、そして、日本向けモデルとしてマルゼンと契約したエアソフトガンなどが存在する。007の主人公ジェームズ・ボンドが愛銃をワルサーPPKからP99に換えたのを記念した特注モデルもある。
初期に生産されたものの中には各部品の耐久性に問題があるものが混入していたため、当時を知る銃砲店員からは評判が悪い[1]。
ドイツが警察用拳銃として認定しているが採用した州は少なく、民間販売も振るわないとされているが、2006年度の初頭にはH&Kを破り、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州警察とドイツ税関本部の実行部隊が、ダブルアクションオンリーモデルである「P99DAO」を制式採用した。ポーランドでは、軍や国家警察の次期制式拳銃に、国産ではなく、現行型の本銃を選定したと公式発表した。
四半世紀以上にわたり生産されていたが、2024年に最終モデルである「P99AS ファイナルエディション」が発売され、これをもって生産は終了した[2]。
ドイツ以外にもポーランドのファブルィカ・ブローニ・ウーチュニク(通称、ラドム社)でも生産されており、ポーランド製のものはスライド部分にFB(ファブルィカ・ブローニ Fabryka Broni の頭字語)の刻印がある。
トリガーバリエーション
[編集]P99は、トリガー(引き金)の動きには、DAO(ダブルアクションオンリー:ダブルアクションのみ)に加えて、2つのパターンが存在する。
- AS(アンチストレス)
- 初弾発射後は普通のシングル/ダブルアクションだが、初弾装填時には、引き金の動く幅がダブルアクションで作動はシングルアクションという状態になる。この状態は「ロングストロークシングルアクション」と呼ばれる。引き金の動く幅が大きくなることで、極度の緊張時に、不意の物音などで射手の人差し指が思わず動き、暴発させてしまうのを防ぐ働きがある。
- QA(クイックアクション)
- 常に撃針がダブルアクションとシングルアクションの中間にあり、シングルアクション以上ダブルアクション未満の重さと動きで発砲できる。スライド上部にAS同様にデコッカーボタンがあるが、非常に小型で、ドイツ語マニュアルでは、ボールペンなどで押すのがよいと書かれている。
バリエーション
[編集]- ワルサーP99DAO
- ダブルアクションオンリーモデル。
- ワルサーP99c
- コンパクトモデル。
- ワルサーP99Q
- 内部ストライカートリガー機構を内蔵したモデル。
- SW99
- S&Wのライセンス生産モデル。
- Canik TP9
- トルコのCanikArms社が製造したP99のクローンモデル。トルコ警察特殊部隊が採用している[3][4]。2016年に発生したロシア大使暗殺事件では本銃のコンパクトモデルが使用された[5]。
- ワルサーP99c AS
- ワルサーP99Q
- SW99
関連作品
[編集]映画・テレビドラマ
[編集]- 『007シリーズ』
- 第18作『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』以降から第21作『007 カジノ・ロワイヤル』までジェームズ・ボンドが使用[1][6]。ワルサー本社にある展示室にも、P99を構えるジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)の写真パネルが大きく飾られている[6]。
- 『ジョン・ウィック』
- 主人公を狙う殺し屋ミズ・パーキンスが使用[7]。サプレッサーが装着されている[7]。
漫画・アニメ
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 大きめの手に合う「L」、小さめの手に合う「S」、中間の「M」
出典
[編集]- 1 2 『月刊Gun』2008年11月号 LA支局「ワルサーP99 ジェームズ・ボンドのパートナー」国際出版
- ↑ “Rifleman Review: Walther Arms P99 AS Final Edition” (英語). www.americanrifleman.org. 全米ライフル協会 (2024年11月6日). 2026年9月22日閲覧。
- ↑ http://www.trthaber.com/haber/gundem/iste-turk-polisinin-yeni-silahi-98423.html
- ↑ “Century’s CANIK55 TP-9 Pistol Review”. Tactical Life. 2014年11月24日閲覧。
- ↑ “What Gun Was Used to Assassinate the Russia’s Ambassador to Turkey?”. 2019年10月12日閲覧。
- 1 2 “【実銃】名門実銃メーカー、ワルサーの歴史を振り返る”. armsweb.jp (2023年3月8日). 2026年10月4日閲覧。
- 1 2 “キアヌ・リーブス JOHN WICK(ジョン・ウィック) 登場銃器解説”. ハイパー道楽. 2026年10月4日閲覧。
- ↑ “備品”. www.tbs.co.jp. 2026年10月4日閲覧。
- ↑ “ワルサーP99 TacIII マルゼン ガスガン エアガンレビュー”. ハイパー道楽. 2026年10月4日閲覧。
- ↑ 白石光『ヒーローたちのGUN図鑑』学研パブリッシング、2013年6月25日、104-105頁。ISBN 978-4-05-405591-9。