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未完成婚・セックスゼロで母になる!?#31 義母へ未完成婚をカミングアウト!

夫と暮らして9ヶ月、膣性交ゼロの未完成婚

好きという感情と性欲が結びつかないロマンティック・アセクシュアル気味な夫と成田離婚寸前からの、再構築中

男性不妊の夫と、当時39歳の私が、挿入&射精セックスゼロのまま、妊活を始める!

⬇️前回からの続き


夫と一度も膣性交がないままに臨んだ体外受精で、心身ともに限界寸前になった私は、知人のアドバイスもあり、義母に現状を伝えることを決断した。

あれだけ色々あった義母に、セックスが一度もできていないままに体外受精をしていることを伝える…

心臓が飛び出しそうにドキドキしながら、スマホの通話ボタンをタップした。

※アセクシュアルっぽい夫へ向けた言葉は、アセクシュアルの方々を傷つけるかもしれません。しかし、私のnoteは、「アセクシュアルではまったくない人と、アセクシュアル気味な人が夫婦として生きていけるのか」その葛藤をありのままに書くことがテーマです。ご了承ください。


「はい」

義母が電話に出た。
季節や天気などの挨拶代わりの話をしたあと、いよいよ本題である。

「それで……どうされましたか?」

がんばれーー!!言うんだ、私!!

「あの………実は、私たち一度もちゃんと性行為ができていないまま、体外受精を始めたんです。それで…覚悟はしてたつもりだったんですが、それが想像以上にきつくて、ちょっともう限界を超えそうでして…」

「ええっ!?そんな………………私はてっきり、もうできているものだと思っておりました。」

あぁ……やっぱり、そうですよね……

「でも……あの……できてないって、一体どういう……?」

うぅっ……そうか、できてないことがどういうことか、普通は想像もできないのか!!
そりゃ、そうだよな〜……どうしよう、どの言葉を使おうか!?相手は友達ではない、義母だ!!!

あっぱった頭の中で、自分の知ってる性にまつわる単語が猛スピードで駆け巡る。しかし、回りくどい表現をしたって伝わりにくいだけだろう。私は意を決して、ハッキリと言った。

「触れ合うことはできるようになったんですが…回数はすごく少ないですけど。でもまだ……挿入できたことが一度もないんです。」

「えぇっ!?それは、なぜ……??」

なぜ、とな!?

ああぁぁ〜〜〜……

「それは、その〜〜……ハッキリ言ってED、勃起不全ですね。」

一瞬、義母が絶句したのがわかった。

「そ…そうなんですか……そんなことってあるんですか………」

「はい。でもそれは、そんなに珍しいことじゃないと思ってるんです。夫は40過ぎてますし、仕事のストレスがハンパないですから……仕事のストレスが原因で、EDになる話はよく聞きます。最近は、若い人にも多いみたいです。あとは草食系と言いますか……まぁ、夫は絶食系だと感じますけど…」

「………………」
義母が言葉を失っている………私は続けた。

「EDは、薬を飲めば改善されることが多いんです。私たちも、最近やっと薬を処方してもらいました。まだ一度も試せていませんけど。」

「そうなんですか………」

「あと……もうひとつあって……そもそも、一緒に暮らした直後に、夫から言われたんです。
『子供を作るためのセックスは必要あるけれど、夫婦のコミュニケーションとしてのセックスは必要ない』って……
だからそもそも、夫にはそういう欲求が全くなさそうなんです。

夫から求められたこともこれまで一度もないですし、抱きしめてくれたことも、私が泣いたとき以外ないです。触れ合う欲求自体、そもそも全くなさそうなんです。」

「そんな………そんなこと、私は一切知らなかったです……」

「あ……いや、まぁ…知らなくて当然だと思います。息子ですし……母と息子がそんな会話、しないのが普通だと思いますので…」

「はい、もうまったく知らなかったものですから…」

「だから、私……ずっととても辛かったんです。なんで、この人は私と結婚したんだろうって…この人、私のこと好きじゃないんじゃないかって…。この生活は結婚してる夫婦の生活ではなくて、ただの男友達と同居しているのと、同じように思えて…」

「そりゃあ、そうですよ〜〜〜!」
義母のハッキリとした同意に、安堵した。

「でも、結婚したいって言ったの、あの子なんですよ〜!私はもう、『結婚しなくていいんじゃないの?』って言ったんです。あの子が何年婚活してたか、知ってます?」

「いえ…知らないです。」

「7年ですよ、7年!そんなに長くかかるんだったら、『もうしなくていいんじゃないの?』って、私は言ったんです。そしたらあの子が『結婚できるまで諦めない。続けてたら、いつかできるから』って。もう~あの子が言ったんですよ〜!」

………知らなかった。夫がそこまで強く結婚を望んでいたとは、まったく知らなかった。

「私はてっきり、自分の意志じゃなくて親に促されて結婚したのかな〜って思っていました。」

「違いますよ〜!あの子の意志です。私はもう諦めたら?って言ってましたから!もう本当に大変だったんです〜仲人さんとのやり取りも含めて、振り回されましたから。本当に疲れました〜〜!!」

……笑
なんとも義母らしい言葉である。夫の婚活にまつわる、仲人さんとのゴタゴタ話は、あの義実家謝罪帰省のときに聞いていた。

「あんなに結婚したいって自分で言っていたのに……あの子、ちょっと変よね〜?おかしいわよね〜?」

………!!!!
私が言いたくても言わないようにしてたセリフを!
義母が言ったったぁーーーー!!!

「私の周りには、今までそんな人いなかったです〜聞いたこともないです。みんな普通に子供がいますから。本当に……そんな人、親戚一同いないです。」

「……そうでしたか。私も色々悩んで調べたんです。そしたら、『好き』という感情と『性行為をしたい』という欲求が、まったく結びつかない『アセクシュアル』っていう方たちがいることを知ったんです。女性は立場的にも、身体的に性嫌悪を感じやすいので、そこそこいるみたいで…男性は、とても少ないみたいですが……」

「そうなんですか〜〜…。

……で、息子は努力してるんですか?」


!!!!
すごい、さすが母親だ!!!
息子が変よね〜、と言いつつも、すぐにそれを受け入れて対応してる!!

「まぁ……努力は彼なりにしてくれていると感じます。前よりは、少しずつ進んできてますので…そこは、感謝しています。でも、一度も夫から求められないことが、どうしようもなく辛くなるときがありまして…」

「無理だと思いますね〜あの子には。もうそこは、フラミンゴさんから、誘っていただかないと〜〜。できないと思います、あの子の最も苦手なことだと思いますので。」

なんという対応スピード!笑
母親ってすごい!!

「やっぱり……ですよねぇ〜〜〜………。」

「私から、言いましょうか?」

……………はい!?


「私から息子に、言いますよ〜〜〜」


なんて!?


お上品な義母が、夫に言う。
『フラミンゴさんとね〜ちゃんと夫婦のスキンシップをとったほうがいいわよ〜〜フラミンゴさんが寂しがってるわよ〜〜』

夫が、目を見開いてフリーズする……


いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て

「いや、それは…!!絶対まずいと思います!

絶対怒ると思います!!」


「大丈夫じゃないかしら〜?だって興味ないんでしょう?興味ないんだったら、人から何言われたって何とも思わないんじゃないかしら〜〜?」

あっ、なるほど………

いや、でも、待って………笑

「夫にとって、お義母さんに知られたくないことだと思いますので…!!私がこのことをお義母さんに言ったってバレたら、夫が怒ると思います…!!ますます、できなくなっちゃうと思うので!!」

「そ〜ぉ?そうかしら〜〜?」

義母にいかにマズイか必死にアピールし、義母を思いとどまらせた…笑


一息ついて、また私は自分の思いを伝えた。


「それから、私、ずっと言ってたんです。『本当は、性行為をするよりも先に、人工的に子供を作るのは辛い。』って。
夫とやり直すときに、こうなることの覚悟をして戻ってきたんです。『性行為よりも先に子供を作る』って…。でも、実際に体外受精が始まってみたら…想像以上にキツくなってしまって…。

『なんで一度も性行為をしてない男性の子供を、こんなにしんどい処置をしながら産もうとしてるんだろう』って考えたら、もう明るい未来が描けなくなってしまって………こんな気持ちになっていること、夫に話してもいいものでしょうか?」

「言っていいと思いますよ〜あの子は、本当に頑固ですけれど…『全部なんでも知りたい』っていうタイプなんです。話は聞く子だと思います。」

「そうですけど……気がついたらだんだん、話をするのが恐くなってしまいました。こういう話をすると、いつもまったく私の予想しない言葉が返ってくるんです。夫に私を傷つける気持ちがまったくなくても、私が夫の言葉に傷ついてしまう、というか…

言っても何も変わらないなら、もう言う意味ないな〜どうせ傷つくだけだし…と思ってしまって。」

「自分の意見はハッキリ言う子ですけど…人の話も聞ける子だと思うんですよね〜…話をしないと伝わらないですし。」

「……もう、ぶっちゃけついでに言いますと、全身麻酔のある初めての採卵のときも、『家で採精すれば、自分は病院に来なくてもいいのか?』って夫が看護師さんに聞いてたから、付き添いもお願いできなくなってしまって…。

採卵後に高熱を出したときも『寝ておけば治ると思う』とだけ言われて、『大丈夫?』とも一言も聞かれなくて…どんどん自分の気持ちを、言えなくなってきてしまいました…。」

「ええええっ!?そんな……まさか……」
義母が、動揺した声を出した。

「あなたたち…全然コミュニケーションとれてないじゃない!もっとちゃんと、できてると思ってましたのに……」

「……できてないですよね。どうしたらいいんでしょうか?」

「もっとちゃんと、自分の気持ちを伝えたほうがいいですよ〜私なんか、即言いますよ!夫に病院に付き添ってもらいたいかどうかは、人によって違いますけど…私は、1人じゃ嫌ですから、付いてきて欲しいんです。

だから、ついてきて欲しいって言いますし、必要以上に大騒ぎするんです〜!夫たちが付いていかなきゃいけないようにするんです。我慢しないんです〜!」

!!!!!笑

夫が『母は1人じゃ何もできない、大騒ぎするし大変』とかぼやいたことがあったが、それは全て義母の計算づくであったのだ!笑

自分の望む結果を得るために、夫や息子たちを自分の思うように動かすために、義母はちゃんと甘えることのできる、女の賢さを持っている。これは、私の母や私が持っていない、苦手とする技だった。

でも、夫婦円満のためには、この技が必要なときもあることを、私も人生経験を積み理解はしている。わかっちゃいても、なかなかできないのだが…

これは義母から学ぶべきだ。
この義母の技により、新婚旅行母子同室問題が起きた一因もある気がするが…笑

あの事件で、私が苛立ち傷ついた義母の言動の一端を、私が学ぼうとするときが来るなんて!本当に人生はわからない。

もう、いい。あの事件は、もういい。

義母から学べ!これは、私の幸せな未来に必要な技だ!!真似して身に着けろ!!!


「フラミンゴさんは、私と違ってずっと仕事をしてきて自立してますから、自分で頑張ろうとしてしまうかもしれませんが…相手にしてもらいたいことは、『こうして欲しい』って言ったらいいですよ〜大騒ぎしたらいいですよ〜」

「大騒ぎ……笑
そうですね、私も素直じゃなくなっていたかもしれません。自分の気持ちを伝えてみます。」

「そうしてみてください。」


もうあまりよく思い出せないが、義母とは色んな話を1時間くらいした。どんよりした気持ちが、少し明るくなったことを覚えている。

電話を切る直前に、義母が言った。
「本当に、すみませんね〜…」

正直に言うと、義母からの謝罪の言葉に、すっとした。もう40歳を過ぎた息子は、1人の大人の男だ。もはや母親は関係ない、独立した1人の人間である。

でも、私は一連の流れから「この男、一体なんなんだよ!?どうやって育てたんだよ!?」という苛立ちをずっと義母に対して持っていたのが本心だった。

夫に性欲がなく、性的コミュニケーションを一切欲していないことを、お見合い時に告げずに結婚したこと…これは、義母にはまったく何の責任もない。

でも、私はずっと苛立ちを募らせていた。私はただ、身内にわかってもらいたかったのかもしれない。

こんな状態でも、私は夫のことが好きで、どうにかして一緒に楽しく暮らしていく道はないのかと、泣きながら頑張っていることを……夫の身内から、認められたかったのだろう。

「私は、立ち入らずに見守りますからね。辛くなったら、またいつでもご連絡ください。大したことは、言えないかもしれませんけど……」 

私は、何度も何度も義母に御礼を言って、電話を切った。

遠慮がちな口調でおっしゃった言葉、『立ち入らずに見守る』………

その言葉の裏に、『新婚旅行母子同室に、あれだけ怒った理由がやっとわかりました。私は何も介入しませんよ。』そんな隠れたメッセージもあるような気がした。


大仕事が終わった。

一緒に暮らして10ヶ月、怒りにまかせて義母に未完成婚をぶちまけてやりたいと、何度思ったことだろう。

ついに、言った。

怒りにまかせてぶちまけるより、ずっといいカミングアウトだったに違いない。

結婚して1年経つ嫁から、自分の息子とセックスができないまま体外受精をしていて辛いと訴えられる…
義母は、いったいどんな気持ちだったのだろうか…

ただでさえ心配性な義母を、とてもとても心配させたに違いない。

夫に隠れて、義母に告げたことへの後ろめたさは、この時も今も感じている。しかし、私の心は格段に軽くなった。

夫は自らの意思で婚活し、7年という婚活期間を経て私と結婚した…。

そのことが、私にもう一度夫と向き合う勇気をくれた。

私は夫から、愛されていないわけじゃない……

涙目で、もう一度スマホを開く。

夫へ渡す手紙の下書きを始めた。



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