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私の好きなカバーソング(219)「Black Orpheus (黒いオルフェ)、Manhã de Carnaval(カーニバルの朝)」ルイス・ボンファとエリゼッチ・カルドーゾ、アストラッド・ジルベルト、カサンドラ・ウイルソン、ウエイン・ショーター、菊地雅章、トゥーツ・シールマンス

今回もブラジルの曲を。ブラジルのギタリストで作曲家のルイス・ボンファ(1922-2001)さん作の「Manhã de Carnaval(カーニバルの朝)」です。1959年の映画『黒いオルフェ』(Black Orpheus、ポルトガル語だとOrfeu Negro)の主題歌で、「黒いオルフェ」が曲タイトルになってるものも多いです。映画は巨匠アントニオ・カルロス・ジョビンも音楽を担当、リオデジャネイロが舞台で黒人青年オルフェと、地方から出てきたユリディスという黒人娘の出会いと恋、悲しい結末が丘の上のスラム街でのカーニバルの準備や実際のカーニバル場面を通して描かれます。
曲はカーニバルの熱狂や喧騒と程遠い、哀しみを湛えたまさに哀愁のメロディ、これぞサウダージですね。

  悲しみは果てしなく 幸せは儚い 朝露の玉のように

と、歌われます。映画場面のMV↓ではギターがルイス・ボンファ、ボーカルがブラジルの歌手エリゼッチ・カルドーゾさんです。

多くのカヴァーがありますが、この方は外せません。ブラジルの著名シンガーでボサノバの女王と称されるアストラッド・ジルベルト(1940-2023)さん、アルバム「The Shadow Of Your Smile」(1965)からです。

渋い渋い女性ボーカルをもうひとつ。ジャズ歌手のカサンドラ・ウイルソン(1955-  )さん、アルバム「Loverly」(2008)からです。

ジャズサックスの大レジェンド、ウェイン・ショーター(1933-2023)さん、1961年の作品です。ショーターは後年ミルトンナシメントさんとコラボアルバムを作ったり、ウエザーリポートでブラジル色の強い曲を演ったりで、ブラジル音楽との関わりを深めていきます。

ジャズピアニストの菊地雅章(1939-2015)さんは、この曲を好んで演奏しました。2012年の東京でのソロピアノライヴからです。引き算を重ねて研ぎ澄ました間と音数の少なさ。かったるいと感じる方もいるのでしょうが、自分はスキです。

ラストは前回の「Like A Lover」でも紹介したジャズハーモニカのトゥーツ・シールマンス(1922-2016)さん、「ブラジル・プロジェクト」(1992)から。ギターは曲の作者、ルイス・ボンファさん!ハーモニカの音色が哀しいです。

私は映画「黒いオルフェ」を配信で観ました。老若男女がサンバを踊りまくる絵は壮観でした。サンバって、足の小刻みなステップがかっこいいですね。リオの景観、カラフルな原色の派手なカーニバル衣装も印象に残ります。背景には貧困や黒人差別の問題があって、スラムの住民たちは年に一度のカーニバルで憂さ晴らしをするしかなかったのですね。

なお、この映画はギリシャ神話を基にした物語で、ヴィニシウス・ジ・モライスによる1956年の戯曲を映画化したということです。ヴィニシウスさんは「イパネマの娘」の原詞(いい年こいた中年おやじが10代の娘に恋焦がれるが相手にされない寂寥)を書いた方で、この映画については、”こんなの俺の作品じゃない”と否定したようです。ヴィニシウスさんのユニークな人となり、ボサノバの歴史については約1年前のムーンサイクルお姐さんの記事が詳しくて参考になります。読みやすく楽しい文体で語られてますが、すごい博識で内容は学術論文のようです。
リンク貼らせてもらいます。↓ 続編期待してます。

個人的には、ちあきなおみやいしだあゆみが歌うこの曲を聴いてみたかったです。

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