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AIへの指示書に「始めるとき」しか書いていなかった。管理表7件のうち3件が現実とズレていた

6拠点・スタッフ約70名の会社を経営しています。自分の会社の実務を、AIで実際に直した記録を書いています。

今回は失敗の話です。

何が起きたか

AIに管理させていたタスク表を棚卸ししたら、7件のうち3件が現実とズレていました。

  • 終わっているのに残っている

  • やらなくてよくなったのに残っている

  • 一部だけ終わっているのに、表の上では何も進んでいない

3つ目が一番たちが悪い。表を見ても「止まっている」としか読めません。実際は半分終わっていました。

おかしいのは、表そのものは毎回きれいに更新されていたことです。新しいタスクは漏れなく増えていました。増える一方でした。

なぜそうなったか

指示書を読み返して分かりました。こう書いてありました。

「新しいタスクが発生したら、進行管理ファイルと管理表の両方を、同じセッションのうちに更新する」

「発生したら」しか書いていない。

入口にだけルールがあって、途中と出口には何も無い。水が入る方にだけ弁があって、出る方に無い状態です。だから溜まります。

人間の担当者なら、これで足ります。「増えたら書いて」と言えば「終わったら消す」も当然やる。書かれていない部分を常識で補います。

AIは補いません。 書いてあることは丁寧にやり、書いていないことはやらない。この非対称が、そのまま表のゆがみになりました。

やっかいなのは、指示書の抜けは、AIが指示どおりに動くほど見えにくいことです。指示した部分の品質が高いので、指示していない部分が空いていることに気づけません。

なぜ入口だけ書いたのかも、思い返せば理由がありました。ルールを作った時点で困っていたのが「書き忘れ」だったからです。

そのとき困っていたことだけを禁じる書き方をすると、入口の話になりがちです。始まりは目の前で起きているので書けます。終わりは、まだ一度も起きていないので書けません。

もう1つの原因:1行に4拠点を詰めていた

「4拠点の帳票を新しい型に移す」を、1行で持っていました。

拠点1の移行は先に終わっていました。それでも表の上は「4拠点」のまま。何も変わりません。4分の1が終わっているのに、表の見え方はゼロのときと同じでした。

進捗が見えない表は、見なくなります。見なくなった表は、さらにズレます。

どう直したか

4つ直しました。

  1. ルールを「発生したとき」から「動いたとき」に広げた。 新規・進捗・完了・不要化の4つ全部を、更新の引き金として指示書に書きました

  2. 進捗はタスク名そのものを書き換える。 備考欄への追記で済ませない、と明記しました。一覧で見たときに古い文章が残るのを防ぐためです

  3. 複数の対象にまたがるタスクは、対象ごとに1行に割る。 共通の親タスク名を別の列に持たせました。1つ終わるごとに1行が完了し、進捗の割合が自動で動きます

  4. 完了した行は別のタブへ移す。 管理表には未完了だけを置きます。「完了」と書いた行を残すと、結局また溜まります

地味に効いたのは、「やらなくてよくなった」も完了として扱うと明記したことです。それまでは、消していいのか判断がつかない行が残り続けていました。

あわせて、作業を終える前の自己チェックも1行足しました。「今日、進めた・終わった・不要になったものが1件でもあるなら、その場で表に反映してから終わる」

これを入れるまでは、更新が次の機会に先送りされていました。先送りされた更新は、まず戻ってきません。

学び:指示書は「入口・途中・出口」で点検する

他社でも使える形にすると、こうなります。

AIに手順を指示したら、状態が変わる瞬間を全部書けているかを確認する。

  • 入口 … 何が起きたら始めるか

  • 途中 … 進んだとき、何を、どこに書くか

  • 出口 … 終わったとき/不要になったときに、何を消すか

3つのうち1つでも空いていると、そこに溜まるか、そこから漏れます。うちが空けていたのは、途中と出口の2つでした。

この3つは、指示書を書いた直後に読み返しても見つかりません。書いた本人は入口のことを考えているからです。日をあけて、自分のルールを他人の文章として読むと出てきます。

もう1つあります。AIに任せた表は、中身ではなく「更新のされ方」を疑う。

数字が合っているかは見ていました。「更新されるべきときに更新されたか」は見ていませんでした。今回ズレていた3件は、どれも数字が間違っていたのではなく、更新の機会そのものが指示書に無かったのです。

だから点検も、数字の検算ではありません。表の全行に対して「これは今日の現実か」と1行ずつ聞くだけです。7件しかない表でも3件出ました。行数が増えるほど、放置した分だけ出ます。

うちの規模では、指示書に凝った書き方は要りませんでした。必要だったのは、始め方と同じ熱量で終わり方を書くことだけでした。

――

AIに任せた仕組みの「出口」の話は、ほかにも書いています。

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同じくらいの規模の会社でAIを使う方へ。続きはフォローで届きます。

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