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緩やかに、でも確実に蝕まれているもの

今が、自分史上もっともビジネスの能力が高いと感じている。

エンジニアとして元々持っていた技術は、AIの登場と、これまで積み重ねてきた経験によって明らかに引き上げられた。
経営者としては、顧客と向き合う場数を踏み、意思決定の精度が上がり、人脈も広がった。
技術、ビジネス、マネジメント。そのどれか一つに偏ることなく、オールラウンダーとして戦えている実感がある。

冷静に見れば、今の自分はかなり恵まれた状態にあると思う。

蝕まれていると知りながら

だが、その一方で、確実に蝕まれているものがある。

会食や仕事のストレスで乱れていく生活リズム。
意識しなければ守れなくなった体力。
気づけば後回しになっているプライベートな時間。

そして何より、会社が大きくなるにつれて増していく「責任の質」が、静かに重くのしかかってくる。

社員が増えるということは、単純に人数が増えるという話ではない。
それぞれに人生があり、家庭があり、不安や期待がある。
そのすべてと、経営者として向き合う必要が出てくる。

昔は、自分が頑張れば何とかなった。
多少無理をしても、睡眠を削っても、自分が踏ん張れば前に進めた。

だが今は違う。
自分一人の問題では終わらない。
判断一つ、言葉一つが、誰かの働き方や将来に影響を与える。

組織を守るという宿命

社員の数が増えれば増えるほど、
「自分は本当に正しい判断をしているのか」
「この選択は、彼らの人生にとってプラスなのか」
そんな問いが頭を離れなくなる。

組織を守るというのは、想像以上に消耗する仕事だ。

誰にも見せないところで悩み、
誰にも相談できないまま決断し、
その結果をすべて引き受ける。

それでも、表では平然としていなければならない。

正直に言えば、楽な経営ではない。
体力も、精神力も、確実に削られている感覚がある。

それでも、僕は思う。
これでいいのだ、と。

ベストを追い求めることは大切だ。
だが、すべてを同時に手に入れられるほど、僕は才能に恵まれた人間ではない。

仕事も、組織も、健康も、プライベートも、すべて完璧にこなす。
そんな理想像を追い続けるほど、現実は甘くない。

何かを得るということは、何かを差し出すということだ。
何も失わずに何かを手に入れられるほど、生半可な覚悟でこの道を選んだわけではない。

何も失わずに何かを手に入れようなどと思っていない

今、自分は確実に何かを犠牲にしている。
体力かもしれない。
時間かもしれない。
心の余白かもしれない。

それでも、その犠牲の上に、社員の挑戦があり、組織の成長があるのなら、
その責任は経営者である自分が引き受けるべきだと思っている。

蝕まれているものがあることを自覚しながら、それでも歩みを止めない。
完璧ではない自分を認めた上で、それでも前に進む。

それが今の僕の、
そして今の組織の、リアルな姿なのだと思う。


#AI #経営 #起業家 #組織づくり #働き方

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