足が速いとモテる、みたいなこと
子どもの頃、「足が速いとモテる」みたいな話をよく聞いた。
実際それがどれほど本当だったのかはわからない。
(少なくとも僕は足が速い方だったが、特別モテた記憶はないので、そのあたりは科学的にモテると証明されていないと信じたい。。。)
特徴があることの強さ
ただ、それでも今振り返ると、あの頃の「足が速い」というのは単純な運動能力以上の意味を持っていたのかもしれない。
クラスの中で目立つ。
運動会で活躍する。
リレーの選手になる。
「あいつすごいよな」と周囲から認識される。
つまり、“特徴がある”ということだ。
そしてこれは大人になった今、ビジネスの世界でもまったく同じだと感じている。

世の中には本当にたくさんの会社がある。
IT企業だけでも無数に存在しているし、AI関連企業に絞っても毎日のように新しい会社が生まれている。
そんな中で、「うちはなんでもできます」という言葉は、一見すると強そうに聞こえる。だが実際には、あまり強くない。
もちろん本当に何でも高水準でできる会社も存在する。
大企業であればリソースもあるし、幅広い対応力を持っているケースも多い。
だがスタートアップやベンチャー、あるいは個人単位で考えたとき、「なんでもできます」は、裏を返せば「何が強いのかわからない」に見えてしまうことがある。
この領域ならあの人と言われるのが理想
AI業界でもそれを強く感じる。
AIでなんでもできます。
生成AI活用できます。
DXできます。
こういう言葉はここ数年で急激に増えた。
もちろんそれ自体は悪いことではない。
AIの進化が速すぎる以上、広くキャッチアップすることも必要だ。
ただ、依頼する側の視点に立つと、やはり「この人は何が得意なのか」が見えた方が安心する。
Copilot Agentが得意。
RAG構築に強い。
動画生成AIを触り込んでいる。
AIエージェントのPoCが得意。
M365との連携に知見がある。
そういう“特徴”がある人は強い。
「あの領域ならあの人だよね」という認識が生まれるからだ。
それは営業においても採用においても非常に大きい。

これは組織でも個人でも同じだと思っている。
会社としてどんな特徴を出すのか。
個人としてどんな専門性を伸ばすのか。
そこはかなり重要だ。
全部を追うことは現実的ではない
僕自身、経営者として色々な人と会うが、印象に残る人には共通点がある。
何かしら尖っている。
別に性格が尖っているという話ではない。
知識でもいい。
技術でもいい。
経験でもいい。
コミュニティ運営でもいい。
営業でもいい。
「あ、この人はここが強い」というものがある。
逆に、何となく全部をやろうとしてしまうと埋もれてしまう。
特に今のAI時代は情報量が多すぎる。
毎日のように新しいモデルが出る。
新しいツールが出る。
新しい概念が出る。
全部を追うことは現実的ではない。
だからこそ、自分の立ち位置を決める必要があるのだと思う。
僕もエンジニア出身の経営者として、色々な領域を見てきた。
SES。
受託開発。
採用。
営業。
AI。
コミュニティ運営。
イベント。
組織づくり。
もちろん全部必要だったし、全部やってきた。
だがその中でも、「AI × 経営 × エンジニアリング」という立ち位置は意識している。
単なる技術論だけではなく、事業としてどう成立させるか。
ROIをどう考えるか。
現場にどう浸透させるか。
そのあたりを含めて話せる人間でありたいと思っている。
全部を広く浅くやるのではなく、自分なりの軸を持つ。
それが結果として会社の色にもなっていく。
社員たちへ
社員たちにもよく話す。
何か得意を作ってほしい、と。
もちろん最初から専門性なんてなくて良い。
未経験で入社してくるメンバーも多い。
最初は何が向いているかなんて自分でもわからない。

それでも、日々学び、試し、触れていく中で、「自分はこれが好きかもしれない」「この領域なら頑張れるかもしれない」というものが見えてくる。
それを伸ばしていくことが大切だ。
AI時代は特にそうだと思う。
AIが普及することで平均点はどんどん上がっていく。
誰でもある程度のことはできるようになる。
だからこそ、“その人ならでは”が重要になる。
足が速いとモテる。
絵がうまいと人気者になる。
ギターが弾けると目立つ。
子どもの頃のあの感覚と、本質的にはそんなに変わらないのかもしれない。
生き残るためにも、誰かに選ばれるためにも、自分なりの特徴を持つこと。
そしてその特徴を磨き続けること。
会社としても個人としても、そういう集団でありたいと思っている。
