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第5回 AI時代、資格の価値は「何を知っているか」から「何ができるか」へ

ここまで4回にわたり、AIPAがなぜ実践型の人材育成を重視しているのかについてお話ししてきました。

最終回では、少し未来について考えてみたいと思います。

生成AIの登場によって、「知識」の価値は大きく変わり始めています。

以前であれば、専門的な知識を持っていること自体が大きな価値でした。

分からないことがあれば本を調べる。

専門家に聞く。

インターネットで検索する。

しかし現在は、生成AIに質問すれば、非常に短い時間で大量の情報を得ることができます。

これからAIがさらに進化すれば、単純に「知識を持っている」ということだけでは、人の専門性を説明しにくい時代になっていくでしょう。

では、資格は必要なくなるのでしょうか。

AIPAは、そう考えていません。

むしろ資格に求められる役割が変化すると考えています。

「知識の証明」から「能力の土台」へ

これまで資格には、

「この人はこの分野の知識を持っています」

という証明の意味がありました。

もちろん、これからもその役割は重要です。

しかしAI時代には、それに加えて、

「この知識を使って何ができるのか」

が、より重要になっていきます。

AIについて100の用語を覚えていることより、

企業の課題を聞き、

必要な情報を集め、

AIも活用し、

解決策を考え、

実行する。

そうした能力の方が、社会では大きな価値を持ちます。

つまり資格も、

Knowledge=知識

だけではなく、

Knowledge × Skill × Practice=知識 × スキル × 実践

へと進化していく必要があります。

AIPAが目指している資格も、この方向にあります。

AIを「競争相手」にしない

AIが進化すると、

「AIに仕事を奪われるのではないか」

という議論が必ず出てきます。

しかし私たちは、少し違う見方をしています。

これから重要なのは、

AIと人間のどちらが優れているかではなく、AIを使って人間が何を実現するか

です。

例えば企業のDX支援でも、AIを使えば、

市場調査、

データ分析、

アイデア創出、

文章作成、

企画書作成、

業務整理

など、多くの作業を支援してもらうことができます。

その結果、人間はより重要な仕事に時間を使えるようになります。

顧客の話を聞く。

課題の本質を考える。

意思決定する。

人を動かす。

新しい価値を構想する。

これらは、これからますます重要になります。

「AIを使える専門家」へ

これからの専門家は、AIを使わない専門家とAIを使う専門家に分かれていく可能性があります。

私は、AIを使うことによって専門家の価値が下がるとは考えていません。

むしろ逆です。

専門知識を持つ人がAIを活用すれば、より短時間で多くの情報を分析し、より質の高い提案を行えるようになります。

重要なのは、AIが出した答えをそのまま信じることではありません。

専門知識を持った人間が、

「これは正しいか」

「この企業に当てはまるか」

「実行可能か」

「どんなリスクがあるか」

と判断する。

つまり、

専門知識+AI活用+実践力

が、これからの専門家に必要な能力になっていくと考えています。

AIPAがつくりたいのは「資格者の名簿」ではない

AIPAが目指しているのは、単に資格者数を増やすことではありません。

資格を取得した人たちが、日本全国の企業や地域で活躍することです。

自社でDXを推進する。

中小企業を支援する。

新しい事業を生み出す。

生産性向上を実現する。

AIやIoTを使って社会課題を解決する。

さらに次の人材を育てる。

そうした人材のネットワークが日本中に広がっていくことに、大きな意味があると考えています。

一人の資格者が一社を変える。

その会社で働く人たちが変わる。

地域が変わる。

産業が変わる。

その積み重ねによって社会全体が変わっていく。

資格制度には、そうした可能性があります。

資格取得の先にあるもの

これまでの5回で一貫してお伝えしてきたことがあります。

AIPAの資格は、

「試験に合格するための資格」ではありません。

学び、

考え、

使い、

実践し、

成果につなげる。

そのための資格です。

もちろん、資格を取得した瞬間から誰もが完成された専門家になるわけではありません。

資格取得はスタートです。

そこから実際の仕事で経験を積み、人と出会い、失敗し、学び直し、さらに成長していく。

その過程こそが重要です。

だからAIPAでは、

資格取得 → 実践 → 経験 → 成長 → 社会への還元

という循環をつくっていきたいと考えています。

AI時代になればなるほど、単純な知識の価値は相対的に変化します。

しかし、

何のために技術を使うのかを考える力。

課題を発見する力。

人と対話する力。

未来を構想する力。

そして実行する力。

こうした能力の価値は、決して失われません。

むしろ、AIが高度化するほど重要になっていくでしょう。

「何を知っているか」だけではなく、「その知識を使って何ができるか」。

AIPAは、これからもこの考え方を大切にしながら、AI・IoT・DXを企業や社会の発展につなげられる実践人材を育成していきます。

そして資格を取得した一人ひとりが、それぞれの地域、それぞれの会社、それぞれの立場から、日本の未来を少しずつ変えていく。

それこそが、AIPAが資格制度を通じて実現したい未来です。

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