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第3回 AIPAが考える「実践力」とは何か―DX人材に必要な5つの力―

「AIPAの資格は実践を重視しています」

そう説明すると、

「では、実践力とは具体的に何ですか?」

という質問をいただくことがあります。

実践力という言葉は非常に広い言葉です。

そこで今回は、AIPAが考えるDX人材の実践力を、5つの力に分けて説明したいと思います。

1.課題を発見する力

最初に必要なのは、技術の知識ではありません。

企業の課題を正しく発見する力です。

例えば、

「売上が伸びない」

という経営者の悩みがあったとします。

しかし、それだけではDXのテーマにはなりません。

なぜ売上が伸びないのか。

新規顧客が少ないのか。

既存顧客のリピート率が低いのか。

営業活動が属人化しているのか。

顧客データが活用されていないのか。

課題を分解することで、初めてデジタル技術を使う場所が見えてきます。

DX人材に必要なのは、表面的な問題ではなく、問題の原因を見つける力です。

2.技術を選択する力

課題が分かったら、次に必要なのが技術です。

AI、IoT、クラウド、データベース、ロボティクス、RPA、各種SaaSなど、現在は非常に多くの選択肢があります。

しかし「新しい技術だから使う」という考え方ではいけません。

大切なのは、

その企業の課題に対して最適な技術は何か

という視点です。

高額なAIシステムよりも、既存のクラウドサービスを利用した方がよいケースもあります。

高度なシステムを構築するよりも、Excelや既存ツールの使い方を改善した方が効果の出る企業もあります。

技術を知ることと、技術を選択できることは別の能力なのです。

3.効果を考える力

企業が投資をする以上、

「導入すると何が良くなるのか」

を考える必要があります。

例えば、

月100時間の作業が30時間になる。

不良率が下がる。

営業担当者一人当たりの訪問件数が増える。

問い合わせ対応時間が短縮される。

在庫が削減される。

新しい顧客サービスが生まれる。

こうした効果を具体的に考える必要があります。

DXは単なるIT導入ではなく、経営活動への投資です。

だからこそDX人材には、技術と同時に経営的な視点が求められます。

4.人を巻き込む力

実際のDXで最も難しいのは、技術ではなく「人」であることが少なくありません。

新しい仕組みを導入しようとすると、

「今までの方法で問題ない」

「仕事が増えるのではないか」

「自分には使えない」

といった意見が出ることがあります。

これは決して悪いことではありません。

現場には現場なりの理由があります。

そこで必要なのが、関係者の意見を聞き、目的を説明し、一緒に進める能力です。

経営者、現場、IT部門、外部ベンダーなど、それぞれ立場の違う人をつなぐ。

これも重要なDX能力です。

5.実行し、改善し続ける力

計画書を作っただけでは、企業は変わりません。

重要なのは実行です。

そして最初から100点のDXを目指す必要もありません。

小さく始める。

効果を見る。

改善する。

成果が出たら広げる。

こうしたサイクルを回すことが重要です。

AIPAでは、DXを一度きりのシステム導入ではなく、継続的な企業変革として捉えています。

5つの力をつなげて初めて「実践力」になる

整理すると、AIPAが重視する実践力とは、

課題を発見する
→ 技術を選択する
→ 効果を考える
→ 人を巻き込む
→ 実行し改善する

という一連の能力です。

技術知識は、この中の重要な一部分です。

しかし技術だけでは企業を変えることはできません。

逆に、経営について分かっていても、AIやIoTなどの可能性を知らなければ、新しい解決策を提案することは難しいでしょう。

だからこそAIPAは、

経営 × 業務 × デジタル技術

をつなぐ人材を育成することを重視しています。

資格試験に合格することは、その第一歩です。

その後、学んだ知識を実際の企業や組織で使い、経験を積み、さらに能力を高めていく。

AIPA資格は、その成長のための土台でありたいと考えています。

次回は、こうした実践型DX人材が企業の中でどのような役割を担うのかについて考えていきます。

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