第2回 利益は売上ではなく業務改善から生まれる―守りの経営が企業を強くする
超円安時代に入り、中小企業の利益構造は大きく変化しています。
原材料費、燃料費、電気代、物流費、仕入価格が上がり続ける一方で、価格転嫁は簡単ではありません。売上が増えても、コスト上昇によって利益が減る企業も少なくありません。
だからこそ、これからの中小企業に必要なのは、「売上を増やす経営」だけではなく、「利益が残る体質をつくる経営」です。
その第一歩が業務改善です。
多くの企業には、利益を生まない業務が残っています。紙の書類、Excelへの転記、二重入力、電話やFAXでの確認、属人的な作業、目的の曖昧な会議。これらは一つひとつは小さく見えても、年間では大きなコストになります。
経営者が見るべきなのは、社員が忙しいかどうかではありません。社員が利益を生む仕事に時間を使えているかどうかです。
AIを使えば文書作成や議事録、提案書作成を短縮できます。RPAを使えば請求書作成や売上集計などの定型業務を自動化できます。クラウドを使えば情報共有が早くなり、IoTを使えば現場の状況を見える化できます。
これらは人を減らすための技術ではありません。人が本来やるべき価値ある仕事に集中するための技術です。
業務改善によって生まれた時間は、営業活動、顧客対応、新商品開発、人材育成へ振り向けることができます。つまり、守りの経営は攻めの経営へつながるのです。
超円安時代は、コスト増を嘆くだけでは乗り越えられません。自社の中にあるムダを見直し、利益体質をつくることが重要です。
DXとは、ITを導入することではなく、利益を生み出す仕組みをつくることです。
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