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追っかけ(1年後)

1年たったら前に書いた記事と状況が全然変わってきてしまったので、現在の心境とこの言葉と折り合いをつけるまでを書いてみます。

あのころは想像もできなかったのだが、上の記事を書いたときと推しの状況が全然違うことになってしまい、私の向き合い方も変わった。以前はかなり自分を律していたし、ファンアカウントを続けて10年目だけれど、もう私に貢献できることはないと思っていた。

2025年の7月には「インスタグラムは今シーズン限りで閉じるし、Xのアカウントも現役を引退したらおしまいにする」と本人に伝えたのだけれど、そのとき推しの反応が予想外にショックを受けていて「それはSNS上だけの事か、それとも僕との関係もなのか?」と聞かれ、逆にこっちがびっくりしてしまった。たまに会って話をするぐらいで、連絡事項のメッセージを交わし、試合やアイスショーを見に行く私とどんな「関係」があるというのだろうかと?

だがその後推しのトレーニング環境が激変し、次から次へと困難が押し寄せ、そして7月すでにそれが分かっていた推しは、こんな私でも離れていくとしたら寂しいと思ってくれたのだなと8月ごろに判明して、申し訳ない思いでいっぱいになってしまった。

もちろん私にはほとんど何もできなかったのだけれど、それでもどんなときにも応援していると伝え続けること、他の誰にも明かせないレベルの心情を聞いて励ますこと、そしてファンアカウントを通じて推しが自分で始めた活動を宣伝することで、(実際に役に立っていたのかはともかく)自分にもまだ貢献できると言う思いが得られた。

何年も推しがやりたがっていたプロジェクトを今シーズンは自らスタートさせ、それが赤字を出さずにファンからも予想外に好意的に受け入れられた。本来はアーティスト支援のプラットフォームなのだが、これも長年書き続けていずれは本を出したいと言う思いを持っていた推しが、Kofiにブログ的な投稿を週一回始めた。定期的に推し自身が写真と文章を公開してくれると言うのは、素晴らしかった。

だがそれも、状況がさらに悪化し、怪我をしてしまったり、志半ばで後戻りを強いられたり、それが原因で恋人との仲がぎくしゃくしたりとつらいことが多すぎてある時点で中断してしまった。

わたしはもはや、他人がどう思うかとか、見栄とか自意識はどうでも良くなり、自分にできることがあればどんどんやろうとしたし、こちらから「何かできることはないか?」と頻繁に声をかけるようにした。

一番大切な欧州選手権の少し前に「体に負担のかかる治療が必要になった」と落ち込んだメッセージをもらった。その治療は、ドーピングに引っかかるリスクがあり、ウォッシュアウト期間を慎重に計算しないといけないものだった。メッセージからは欧州選手権に出られるのかは読み取れなかったのでとても心配だったが、棄権を考えていた時期もあったぐらい、痛みがひどかったようだ。

何とか欧州選手権が終わり、戻ったその日に治療を受け、その後は治療のせいでまたしばらく練習ができなかったそうだ。4年間準備を重ねてきたオリンピックにわずかの練習で臨むことになったが、そこへ向かう車で同乗していたコーチからうつった症状で、今度はオリンピック選手村で具合が悪くてずっと寝ているような状態だったそうだ。欧州選手権では連日練習が見学できたので痛みがひどいことは一目瞭然だったが、オリンピックはあまり練習が見られなかったので、そこまで具合が悪いのはわからなかった。

3度目のオリンピックは推しにとっても大きな達成で、何年もずっと支援を受けてきた母国のオリンピック委員会への義理も果たせたし、これからは自分のやりたいように競技と向き合っていくと、上手く行っていないけれど変わりが見つからない、変化が怖いなどの理由で長年続いてきた関係から一歩踏み出すために、色々な契約を見直し始めたと、2月末にアイスショーを見に行ったときに教えてもらった。久しぶりに前向きな表情をしていた。

今シーズン最後の試合、世界選手権はだが、最終的に結果が良くなく、本人に納得がいかない形でシーズンを終えることになってしまった。幸いその後、彼の母国でマスタークラスとアイスショーが開催されることになり、そこで母国のファンや家族と時間を過ごし、なお今後についての方向性を探る旅ができたのは何よりだった。

私はこのイベントにも行き、かつてないほど長時間推しと時間を過ごした(もちろん向こうから声をかけてきた時だけ)。ここではもう遠慮をせず、これまでずっと辞退してきたが送ってくれると言ってくれれば(二人きりではなくご家族と一緒だったので)ありがたく車に同乗し、一度ならず自宅に食事に招いてくれたのも(オリンピック時にご両親の到着から出発まですべてのアテンドをやっていたので、その返礼と言う感じだったと思う)喜んで受けて楽しく過ごせた。

これまでも二人でプライベートに話したりお茶や食事をしたことは何度もあるのだが、ご家族といる時の推しはそれよりもフィルターを全て取り去った素のままの状態で、果たしてそれを見るのが私にとって良かったのかはまた別だが、公の場で立派に振舞っていればそれでいいのだろう。

さて、私が忌み嫌い、自分はそんなファンではないとこだわって来た『追っかけ』と言う言葉だが、先日映画祭にいっしょに行った、ドラマファンの友人の使い方だと『現場に行くこと=追っかけ』に近いようだった。ドラマは現場に行くことが無いのかもしれないが、フィギュアスケートはファンも選手も現地観戦が醍醐味なので、そこで相手に嫌がられないように、付きまとったり、誘われないのについて行ったりしなければ、一緒に過ごすことをためらわなくてもいいんだな、と自分の中で落としどころを見つけた。

ファンアカウントについても、けじめなどどうでもよくなり、でもさすがにいつまでも『公式』と言う形は荷が重いので現役を退いたら返上し、情報提供程度で時々更新して行けばいいかなと思っている。推しが今後どのような形で活動を続けていくのかはわからないが、どんな形でもできることがあれば、そして向こうが話したいと思ってくれるのであれば、これからもフォローして行こうと思っている。


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