【まとめ】気のいい同僚たち 松本くんと須藤くん
どうも、哲兄です。
ブラック企業の話を書いているはずなのになんだか様子のおかしい『プロベーション・レポート』という群像劇を書いています。
さて、第二章は、営業二課の同僚である松本くんと須藤くんの焼肉会を中心に進みます。
本編第一章では、営業二課長の視点から小林という新入社員を観測していました。
では、同じ営業二課の同僚たちから見た小林はどうだったのか。
それが第二章です。
とはいえ、彼らは小林のことを真面目に分析しているわけではありません。
焼肉を食べています。
ひたすら焼肉を食べながら、最近入ってきた変な新人について噂話をしています。
松本くんはなんというか『ザ・メガネくん』です。
何の変哲もない感じの。
すごく悪いことをするわけでも、すごく良いことをするわけでもない。けれど、なぜか印象には残るタイプです。
悪い人ではありません。
むしろ気のいい人です。
ただし、何故か少々うざい。
小林くんのことが大好きだったり、気になる女性に話しかけられなかったり、その割には何かと距離感がおかしかったりします。
ただ、松本くんには松本くんの良さがあります。
彼は場を重くしません。
ブラック企業で働いている人間たちの話なので、放っておくとどうしても空気は重くなります。
しかし松本くんがいると、妙に軽くなります。
小林というよくわからない新人が何かをしている。
会社が少しずつ変わっている。
でも、それをいきなり深刻な話として受け止めるのではなく、焼肉を食べながら「なんかすごいね」「なんなんだろうね」と話す。
この軽さは、実はけっこう大事です。
一方で須藤くんは、松本くんよりも少し斜に構えた人です。
口も悪いです。
態度も軽いです。
でも、話が早い。
小林が何をしているのかを完全に理解しているわけではありませんが、会社の変化や人の動きを見る目はあります。
松本くんが「え?なんで?」と騒いでいる横で、須藤くんは「そりゃそうだろ」と言う。
そういう役割の人です。
この二人は会社を変えるために立ち上がる人ではありません。
小林を助けるために何か大きな決断をする人でもありません。
本当に普通の同僚たちです。
でも、彼らは小林の変化を見ています。
そんな二人は、小林から見ても、まさに気のいい同僚たちです。
小林本人が自分のやっていることを説明しない分、第二章では松本くんと須藤くんの焼肉会を通して、会社の中で小林がどう見られているのか、どんな噂になっているのか、そして二課の空気がどう変わっていくのかを描いています。
つまり第二章は、単なる焼肉です。
しかし同時に、米崎ライスという会社の変化を、同僚たちの雑談から観測する章でもあります。
小林はこの章ではほとんど出てきません。
それでも、小林の影響だけはあちこちに残っています。
誰かが少し早く帰れるようになった。
職場の空気が少し軽くなった。
変な新人の噂が広がっている。
焼肉の席で、その話題が尽きない。
しかし、松本くんも須藤くんも、小林を完全には理解していません。
ただ、理解しきれないまま面白がり、少し寂しがり、少しだけ影響を受けていきます。
重い会社の話ではありますが、この章はかなり気楽に読める会話劇です。
この二人の雑談に混ざるような楽しみ方をしていただけると思います。
小林本人ではなく、周囲の同僚たちから見た「よくわからない新人」を楽しんでもらえれば嬉しいです。
ちなみに、私の作品で『スキ』を押すとこの二人が満面の笑みでお礼を言います。
松本くんの顔がまあまあうざいのでそれも楽しんでいただければと思っております。
