「私は6時間頑張った。でも、お婆様にとっては な話し。
老人保健施設(老健)で29年間、現役で介護福祉士をしているともやです。
前回の記事で、19時から深夜1時まで「駅に行きたい」と繰り返すお婆様と、6時間のタイムループを戦ったお話を割とユーモラスに書きました。
でも、あの記事を書き終えたあと、私の心の中に、ある「重い本音」がぽつりと浮かび上がってきたのです。
それは、「私はあれだけ色々と対応して、疲れ果てて、ものすごい『やった感』があるけれど、お婆様からしたら、私は『何もしてくれなかった人』でしかないんだな」という、冷厳な事実でした。
お婆様のニーズは「駅まで行きたい」。
私の対応は「今日はお泊まりしましょう(=駅には連れて行かない)」。
結果として、お婆様の願いは1ミリも叶っていません。納得もしていないし、気分も落ち着かないまま、ただ疲れて寝ただけです。
老人介護の世界には、こういう「利用者のニーズと、こちらのケアが、最初から絶対に合っていないこと」が、あまりにも多すぎます。
「駅に行きたい(でも連れていけない)」
「オムツなんか替えてほしくない(でも替えないといけない)」
私たちは毎日、最初から「ほぼ無理なこと」を、全力でやっているのです。
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