見出し画像

魔女刈り【アマノ文筆クラブ】

今年もまた、魔女刈りの季節がやってきた。

畑の一画には、今年二十歳になる青年が刈り取るための魔女が実っている。

青年が魔女を一本、刈り取る。

すると魔女たちは意思を持ち、一斉に魔女村へ飛んでいく。

魔女の寿命は一年。

その昔、この村は魔女に救われた。
それ以来、村と魔女の間には契約が結ばれている。

ただし、時々「規格外の魔女」が実る。

その場合は可哀想だが、ご祈祷をして燃やすことになっていた。

なのに僕は、その規格外の魔女を持ち帰ってしまった。

だって、可愛すぎたから。

持ち帰った人間が呪われて死んだという話も聞いていた。

それでも、止められなかった。

家に帰り、僕は魔女と向かい合った。

「僕と友達にならない?」

魔女は薄ら笑いを浮かべた。

「お前は掟を破った。私の呪いにかかり、苦しんで死ぬがいい」

「ぷっ!」

「なにを笑っているんだ!」

「だって……」

もっと怖いと思っていた。

でも、小さいし、可愛いし、

全然迫力がない。

「そんなふうに悠々としていられるのも今のうちだけだ。私はお前の命をもらい、この村共々、私の奴隷にしてやる」

……ちょっと、やばいと思った。

「あのっ……」

話しかける間もなく、魔女が魔法の杖を振り上げた。

「魔女刈りぃー!」

いきなり叫んだ。

これは……呪文?

杖の先端が僕の頭を撫でるように動き、髪を一本ずつ刈り取っていく。
やがて頭に、数字が浮かび上がるように刻まれていった。

ああ……出来心のつもりだった。
なのに、僕はとんでもないことをしてしまった。
もう、ダメかもしれない。

「できた! はははは!」

魔女は高らかに笑った。

「お前の頭を666に刈ったぞ。この呪いで、お前はやがて死ぬ。そして、この村もおしまいだ!」

僕は慌てて鏡を見た。
もう、この世の終わりだ――!

「……え?」

僕の頭に刻まれていた数字は、

666ではなく、

999だった。

「……え? 999……?」

一瞬、メーテルがよぎった。

「わあ!! 銀河鉄道999だ!」

喜ぶ僕の隣で、

「ぎ、逆だった……」

魔女はそう呟くと、MPを使い果たして消えた。

キュン!

赤い種が一つ、落ちた。



おまけ
私は小さい頃、よく家族でロードショーの映画を見ました。
その中には海外のホラー映画もあり、それはそれは怖かったです。
その中でも特に怖かった映画の一つが、『オーメン』。
ダミアンという男の子の頭皮に、「666」のアザがあり、チョーホラー😱
そのおかげで、私は数字の中で一番6が好きだったのに、好きじゃなくなりました😑


甘野 充さんのお題『魔女刈り』に参加させていただきました。
いつもありがとうございます😊
#アマノ文筆クラブ #魔女刈り

前回はこちら↓↓↓

#創作 #短編 #掌編 #ショートショート
#なんのはなしですか

いいなと思ったら応援しよう!