「(仮称)磐田市まなびビジョン」基本構想検討ワークショップの様子を共有します
作家/共創デザイナーの沢渡あまねです(この8月末にも新刊、出します!)。磐田市政策アドバイザーも拝命し、"学び×共創"の地域づくりの活動もしています。
今日は、磐田市政策アドバイザーの立場での発信。
2026年8月12日(水)磐田市役所にて、「(仮称)磐田市まなびビジョン」の基本検討ワークショップが開催されました。その様子を、記録もかねて発信します。

熱量溢れる場でした
主催と進行は磐田市 自治市民部 まなび推進課。この4月に創設された新しい課です。
先日、豊橋市で僕たち(あまねキャリア)も企画・運営協力をした法政大学大学院 石山恒貴研究室合同合宿&ワークショップ(以下にレポート記事リンク貼りました)とは異なり、今回は行政が主催でなおかつ市民と行政職員の対話がメインの場です。
1.タイムスケジュール
市役所の大会議室で13:30~16:00で実施。結論を出す場ではなく、磐田市における「まなび」とは何か、およびまなびによりどんな未来を描くことが出来そうかの言語化を狙いにしたワークショップでした。タイムスケジュールは概ね以下の通りです。
・オープニング
・自己紹介とアイスブレイク
・グループワーク1:「まなび」を見つめなおす
・グループワーク2:「まなび」がつくる地域の魅力を考える
・グループワーク3:「まなび」で目指す未来を描く
・全体共有
・クロージング
なお、今回のプログラムおよびスライドは、まなび推進課の後藤さんが頭をはたらかせつつ、生成AIに相談しながら創ったとのことです。人とAIとの共創作品、素晴らしい!

タイムスケジュール(作成:磐田市まなび推進課)
2.参加者の属性
今回参加した参加者の属性は以下の通りです。ほぼ磐田市民で、50名を越える参加となりました。
・磐田市役所の関係各課の職員
・社会教育委員
・市民ファシリテーター
・地域おこし協力隊
・磐田市”学び×共創”地域連携協定締結企業(※)
・政策アドバイザー(沢渡)
※パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(4名)、あまねキャリア株式会社(沢渡を含む2名)

(作成:磐田市まなび推進課)
3.オープングの様子
まずは、今回の企画者かつ全体ファシリテータでもある、磐田市 まなび推進課 後藤さんによる主旨説明。
このワークショップの狙い、(仮称)磐田市まなびビジョンの方向性、そしてワークショップのグラウンドルールなどが説明されます。
なぜ僕たち他都市の人間がこの場にいるのかも丁寧に説明してくださり、「外の人」も入りやすかったです(このようなセットアップも、共創にはものすごく重要)。



次に、政策アドバイザー(沢渡)からのインプットトークです。
簡単な自己紹介をしつつ、ビジョンにおいて大切にする2つの柱:「ナレッジマネジメント」「ブランドマネジメント」について解説しました。


4.自己紹介とアイスブレイク(ちくわブレイク)
ここからはグループワークが続きます。各グループには、市民ファシリテーターの皆さんが配置され進行をしていきます(実に頼もしく、心強い!)。

その様子を見て、地域におけるファシリテーターの育成や活躍がいかに大事か、実感しました。
まなび推進課の皆さんが、ファシリテーターの皆さんとの事前対話を念入りに進めていたのも大きく、初対面の皆さんであるにもかかわらず、熱量高く場が進行しました。
そして、ここでも……「ちくわ」も大活躍しました!

「ちくわブレイク」しながらのグループワーク
僕たち(あまねキャリア)は、磐田市の2つ西隣の市、豊橋市にある老舗企業「ヤマサちくわ」とさまざまな事業共創もしています。
その共創作品の一つが『オフィスちくわ』。
オフィスお菓子よろしく、職場でちくわを楽しもうという食の文化創造を体現した商品なのですが、今回のワークショップでもヤマサちくわの「豆ちくわ」を差し入れし、食べてもらいながらワークショップをしました。名づけて「ちくわブレイク」。
豊橋市は県こそ異なりますが(愛知県)、磐田市を含む静岡県西部地域とは「三遠(さんえん)地域」と呼ばれ、同一地域としての連携も行われています。

対話と学びに、弾力が加わります!
三遠の共創による、学びやコミュニケーションの促進。それも体現していきたくて、今回も「ちくわブレイク」を仕掛けてみました。皆さん笑顔で「美味しい!」「対話が弾む!」といってくださり何より。
『オフィスちくわ』については、以下の記事をご覧ください。
磐田市に本社があるヤマハ発動機株式会社、お隣浜松市のヤマハ株式会社
でもコミュニケーション活性や知(まなび)の対話の活用事例があります。
5.3つのステップ(グループワーク)でまなびのある景色を言語化
いよいよメインディッシュ。
後藤さんの全体進行のもと、STEP1→STEP2→STEP3の3つのグループワークで、「まなび」の中身と意味、磐田における「まなび」の魅力と未来の景色などが言語化され、各自のイメージが景色合わせされていきます。
この流れ(ストーリーのデザイン)に沿い、「まなび」が参加者それぞれに自分ごと(および自地域ごと)として刻まれていくのが良かったです。


(作成:磐田市まなび推進課)

このように、全体ファシリテーターの丁寧なインストラクションと、各グループのファシリテーター(市民ファシリテーター)の進行により、対話も弾みさまざまな意見が活発に出ました。





今回、各グループから出された意見は、まなび推進課が中心となり集約し、ここからのビジョン策定と取り組みの設計などに生かします。
(もちろん、政策アドバイザーの僕も参画しながら)
また、今回オブザーバーとして参加してくださった、パーソルビジネスプロセスデザインのデザイナー 霜島さんがこのワークショップの流れと様子を素晴らしいイラスト(グラフィックレコーディング)にしてくれました。ありがとうございます。本人の許諾を得て、共有します。

これぞデザインのチカラ!
このような、デザインの能力や意欲がある人が活きるまち創りも目指していきたい(デザインしていきたい)と思いました。
霜島さんからいただいたメッセージも共有します。
昨日のワーク参加者が、昨日の体験を思い出し参加していない人へ話をするネタ(ツール)としていただけたら幸いです。
6.共創に不可欠な3つのプレイヤー
(仮称)「磐田市まなびビジョン」は、行政(まなび推進課)だけで決めるのではなく、市民や市外の人たち(僕たち)との共創でビジョンをデザインしていく。まさに、「共創デザイン」を地で行っています。
僕はこの動きはほんとうに素晴らしいと考えます。
僕は、下總良則さん(東北工業大学)と筆を走らせた書籍『チームプレーの天才』(共創デザインの教科書)でも、「共創に必要なのは、「中の人」「外の人」「さすらいの旅人」」と解説しました(p.281)。
磐田市における、まなびを軸にした地域共創もこの三者で進めていきたいと考えます。ここでの「中の人」「外の人」「さすらいの旅人」は以下の通りです。
・「中の人」:磐田市民や企業・行政の職員
・「外の人」:地域連携協定を締結している他都市の企業
・「さすらいの旅人」:磐田市に出張・旅行・帰省などで訪れる人/通りがかる人
「外の人」について。
今回オブザーバーとして参加した2社(パーソルビジネスプロセスデザインとあまねキャリア)は東京都、浜松市といずれも磐田市外の企業。この2社は、昨年(2025年)に磐田市と締結した「学び×共創の地域連携に関する協定」の主体企業であり、この1年の間に、市役所職員のプロジェクトマネジメント力向上、共創力向上の能力開発プログラムなども行ってきている当事者でもあります。
パーソルビジネスプロセスデザインは、COROPS(コロプス)という名前のナレッジマネジメントのフレームワークも開発・提供しており、「まなび」を地域の資産にしていく上でもこれらのノウハウおよびプロセスをデザインする考え方が不可欠であると考え、今回のワークショップにも参加してもらいました。
ワークショップ終了後は、僕と当社の平野さんとで、パーソルビジネスプロセスデザインの皆さんを磐田のまなびスポット(個人的なオススメスポット)を2か所~見付天神と旧赤松家記念館(開館時間は終了していたため外から)をご案内し楽しんでいただきました。


このような、まなびと関係が深いスポットが豊富なのも磐田の魅力ですし、市外の人たちにも味わっていただきたいです。
ふたたび、パーソルビジネスプロセスデザインの霜島さんの別のメッセージを共有します。
活気のあるワークショップに参加できただけでなく
半日の滞在とは思えないほど磐田市の魅力をたっぷり知ることができ
すっかり磐田市のことが好きになりました。
素敵な時間を、ありがとうございました。
「すっかり磐田市のことが好きになりました」
「すっかり磐田市のことが好きになりました」
「すっかり磐田市のことが好きになりました」
このメッセージが何より嬉しいですし、「まなび」が地域のファンを増やすことができる何よりの証にもなりました。
ここから「さすらいの旅人」、すなわち磐田市に出張・旅行・帰省などで訪れる人や通りがかる人をもファンまたは仲間にできるような取り組みも、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
磐田市は製造業を中心とした企業も多く、一定数の出張者が訪れる都市でもあります。この人たちが、淡々と用事だけを済ませて帰ってしまうのはもったいない。
たまたま来たさすらいの旅人に、「もっと長く磐田にいたい」「また磐田に来たい」「次は仲間を連れて磐田に来たい」と思ってもらえるような、そんな地域づくりも目指していきたいです。
「外の人」や「さすらいの旅人」に「いいね!」といってもらえることで、「中の人」すなわち磐田市民の皆さんの地域に対する誇りもますます高まっていくことでしょう。
7.所感~「磐田、すごい!」
以上、磐田市としてもおそらく初の取り組みである、「(仮称)磐田市まなびビジョン」の基本検討ワークショップの様子を、政策アドバイザーの立場で記録もかねて駆け足で解説しました。
磐田と言えばサッカー、ラグビー、卓球ほかスポーツが盛んで、これまで「スポーツのまち磐田」でブランディングしてきた歴史があります。
一方で、まなびを軸にした地域創生とブランディングも進めていきたい。そして、その可能性と手ごたえを十分感じることができた、素晴らしいワークショップでした。磐田、すごい!
「まなびのまち磐田」を皆さんと共創で形にしていきます。
なにより、イチ公務員である後藤さんおよびまなび推進課の皆さんがファシテーターもとい、ファシリーダー(ファシリテータ+リーダーの造語です)となり、AIや政策アドバイザーおよび地域連携協定企業の力を借りながら、そして市民の皆さんと対話しながら、地域に新しい景色を創ってく。その様に僕は感動しました。
このようなファシリーダーが組織や地域に増えたら、日本はもっと強くなれる。その確信も得ました。
今回のワークショップそのものが、共創のプロセスであり、共創デザインの成果です。
ここからまなびビジョンの完成と実現に向けて、さらに輝く磐田にご期待ください。そして、皆さんもどうぞ巻き込まれてください!
▼磐田市のサイト
▼共創デザインの教科書『チームプレーの天才』
▼COROPSのサイト
▼あまねキャリアの共創デザイン作品集
