AI画像バナーを「伝わる」デザインへ修正せよ! 現役Webデザイナー 5つの手直し【実践編】
前回の記事で、生成AI画像の「惜しさ」と、バナー広告のビフォーアフターをお見せしました。
👇前回の記事
今回はその続き。
実際にどう改善すればいいのか、現役Webデザイナーの私が作業するときの考え方をお伝えします。
ちなみにこの記事、
「大量にAI画像を生成して稼ぎまくるぜ!」
という方には向いておりません。
▼こんな悩みを持つ方に読んでほしい内容です。
「クライアントから修正依頼されたAI画像、どう修正すればいいんだろう」
「自分で生成したAI画像、このまま提出して大丈夫かな?」
「プロンプトを変えて何度も試したけど、AIだけじゃ限界があるな…」
AIで生成したデザインを、もっと良くしたい。
そう前向きに取り組んでいる方に向けた内容になっています。
架空のプリン広告を手直ししてみます
前回の題材は、「極卵プリン」という架空の商品。
20~40代女性向けの、少し上品なお取り寄せプリンです。
目的は、お取り寄せページへの誘導。
クライアントがAIで作ってみたものの、
「しっくり来ないんですよね。もっといい感じにしてください」
と修正を依頼してきた、という設定です。

今回はこのバナーを手直ししていきます。
ただし、「デザインの正解」を教える記事ではありません。
とあるデザイナーが、どこを見てどう判断しているか。その頭の中をお見せします🧠
① 特長は読ませない、感じさせる
🔍 気になるポイント
●「ふんわり」という特長が目に入ってこない
●コピーが説明文ぽくて、広告の主役になっていない
このプリンのいちばんの特長は何でしょう。
プリンのコピーといえば、「ぷるん」「とろける」「なめらか」「濃厚」などが一般的ですよね。
なのに、このプリンは「ふんわり」。
珍しくないですか?
ふんわりってどんな食感なんだろう?!
じゃあここを軸にすべき!
小さく「ふんわり」って書くだけじゃもったいない。
もっと、ふんわり感を伝えたい。
文字を大きくして、
形をふんわ~り、やわらか~くして、
卵のシズル感を印象づけるあしらいも入れよう。
おさまらないなら、はみだしちゃえ!

文字で感覚を伝える。五感に訴える。
ただの文だったコピーが、広告の主役になります。
「ふんわりってどんな食感なんだろう」
そんな小さな引っかかりが生まれる。
これが広告では大事なんです。
商品のどの特長を、どの言葉で、どのくらい強く見せるか。
ここを判断するのがデザイナー。
特長が見つからなければ、クライアントにヒアリングしてみましょう!
自社の製品に興味を持ってくれていること、質問されたこと自体が、印象アップにつながります。
② 商品写真に「存在感」を。
🔍 気になるポイント
●プリンの写真がなんとなく暗い
●食べてみたいなと思うシズル感が足りない
プリン、もう少しおいしそうに見せたいですね。
撮影データやAI画像をそのまま配置すると、 暗かったり、少しぼやけたり、背景になじみすぎたり。 せっかくの商品写真が、目に止まりません。
ならば、明るさやコントラストを補正する。
影や光もほんのり足して、立体感を出す。

ただし、大事なのは派手にすることじゃなくて、 見た人の目に、どの順番で情報を届けるか。
バナーは一瞬で判断されます。
まず「 ふんわり」で目を止めて、次に商品が目に入るようにする。
この順番を作るために、プリンの存在感を調整するんです。
「なんとなく補正する」のではなく、 視線の流れを作るために補正する。
そこに意図があるかどうかで、仕上がりはまったく変わります。
③ 商品名をただのテキストから卒業させる
🔍 気になるポイント
●「極卵プリン」という商品名が、ただの文字として埋もれている
●商品名なのかコピーなのか、パッと見で区別がつきにくい
「極卵プリン」
印象に残りそうな名前なのに、ただの文字扱いではもったいないですね。
商品名は情報でありながら、ブランドの顔でもあります。
まずは先方に確認。 ロゴが支給されていれば、それを使ってください。
なければ、簡易的にロゴっぽい文字組みに整える。
これだけで印象はかなり変わります。
クライアントにも喜ばれます!
たとえば文字サイズを少し上げる。
字間を調整する。はらいを伸ばしてみる。
カラメルのようなツヤ感を少し入れる。

ほんの少しの手直しで、「記憶に残る商品名」になります。
ここは、AIがまだ苦手なところだと感じます。
フォント選び、文字の大きさ、装飾の足し引き、上品さと目立ちやすさのバランス。 こうした微調整は、人の目と判断が必要です。
それに、AIは契約していない有料フォントや、他のクリエイターが作ったロゴデザインを勝手に使ってしまうことがあります。
そこはデザイナーの目で、しっかりチェックしなければなりません。
④ 補足情報で、不安を取り除く
🔍 気になるポイント
●情報が少なくて不安が残る
●「クリックして確認するのも面倒だし、まあいいか」で離脱されそう
バナーを見た人が「おいしそう」と思ってくれたとしても、それだけではクリックされません。
なぜなら、小さな不安があるから。
何個入りなんだろう。
ギフトにできるのかな。
冷蔵で届くのかな。
自分用にはちょっと高いかな。
こういう不安が残っていると、人は動きません。
だからバナーに、不安を取り除く情報を入れます。
ただし、情報を詰め込みすぎるのは逆効果。
情報量が多すぎるとごちゃつきます。
個数、ギフト対応、冷蔵配送、素材のこだわり、価格、賞味期限、送料無料、口コミ…… 入れたい情報はたくさんあるけれど、欲張ると伝わらなくなる。
限られたサイズの中で、私はこの3つの情報に絞りました。
3個入りセット。ギフト対応。冷蔵配送。

ギフト対応や冷蔵配送は安心感につながるし、 3個入りセットは、商品ページを見る前に内容量のイメージがつく。
価格は少しお高めラインなので、あえてここでは見せません。
ここで大事なのは、目立たせすぎないこと。
補足情報は、最後の一歩を後押しするためのもの。
強く売り込むのではなく、不安をそっと取り除くためにあるんです。
実務では、こうした情報がクライアントから用意されていないことも多いです。
その場合は、こちらから聞いたり、提案してみましょう。
「ギフト対応の表記は入れられますか?」
「配送方法は訴求できますか?」
「個数やセット内容を小さく入れると、クリックしやすくなると思います」
こういう一言があるだけで、クライアントからの信頼はぐっと上がります。
⑤ 押したくなるボタンにする
🔍 気になるポイント
●ボタンのデザインは雰囲気に合っているが、行動を促す力が弱い
●コピーやボタンが同じフォントで、役割の違いが伝わらない
ボタンは、読む場所ではなく、押す場所です。
見た瞬間に「ここを押せばいいんだ」とわかる必要があります。これをアフォーダンスといいます。
プリンに合わせてツヤ感を出す。
背景から浮くようにする。
矢印を入れて、視線を流す。

そしてフォント。
本文やキャッチコピーは、上品さを出すために明朝体でもいい。 でも行動につながるボタンは、視認性を優先してゴシック体にしてみました。
ここでフォントを変えるのは、統一感を崩すためじゃありません。 役割をはっきり分けるためです。
「ここは雰囲気を伝える場所」
「ここは行動してもらう場所」
役割を考えると、バナーの中のフォントの扱い方が変わってきます。
生成AIのバナーは、全体の雰囲気をまとめるのは得意です。 でも、こういう役割の分担が甘いことがある。
だから、人の目で確認する必要があるんです。
こうして改善されたバナー

上記が、AI画像を手直しした広告バナーです。
やっていることはどれも地味なんですよね。
でも、その一つひとつにちゃんと理由があります。
デザインは、見た目をきれいに整えるだけの作業じゃない。
どの言葉を目立たせるのか。
どの情報を足すのか。
どこに配置すれば次の行動につながるのか。
必要なら、どんどんクライアントに質問する。
わからないことは聞いて、提案して、一緒に作っていく。
そうやって改善していくのが、今後のWebデザイナーの仕事なのだと、そう思っています。
AIで作った画像を、そのまま出すのが怖い。
でも、どこをどう直せばいいのかわからない。
そう感じているなら、それはデザインとちゃんと向き合っている証拠!
目で見て、手を動かして、理由を持って整える。
その積み重ねが、AI時代のWebデザイナーとして成長していく力になります。
そしてその力は、クライアントにも伝わります。
AIではなく、あなたの手でもっと良くしてほしい。
そう思って依頼してくれるはず。
「あなたに頼むと、何が変わるのか」
その答えを、一つずつ積み上げていきましょう!
そしてクライアントワークでは、「見た目を整える」先の「編集できる納品データに仕上げる」までが仕事。
その実際の作業工程(Photoshopの再構築・各種プロンプト・納品チェックリスト・メール文例)を、こちらにまとめています。
反応がよければ、また別のテーマでもやってみようと思います。
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お読みいただきありがとうございました!
この記事を書いたのは、鳥好き・千葉ロッテ好き・食べるの大好きな、フリーランスのWebデザイナーです。
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