一人で泣いた、LAST GIGSの夜
BOØWYが突然解散した。
驚いたけど、今思えばあれは美しい終わり方だった。
そして、LAST GIGSと題し東京ドームで2日間にわたって行われる解散ライブ。
僕はチケットを入手した。
WORMやオベッカを始め、高校時代のバンド仲間みんなで見に行くことになっていた。
それがなんと…
僕の大阪芸大の入学式とかぶってしまって、僕だけが行けないことに。
僕の代わりには三村が行ったらしい。
BOØWYのLAST GIGSが見られないことよりも、プチ卒業旅行のようなバンド仲間での集まりに一人参加できないのが寂しかった。
今頃もうBOØWYは解散のしてるのかなぁと思ってしばらくすると、
ジリリリリリリィ♪
と寮の赤電話が鳴った。
最初は古山だったが、次々と電話を替わるバンド仲間たち。どうやら誰かの家に集まっているようだ。
BOØWY最高だったぜー!
古山なんて大号泣!
と一人一人受話器を替わって話してくれる。
数週間前までは、ここに僕もいたのに、今は大阪で一人。
みんなの声を聞けて嬉しかった反面、一人仲間はずれで寂しい気持ちだった。
ひと通りみんなと喋って電話は切れた。
突然無音の寮に一人佇む僕。
部屋に戻って、3畳の部屋に大の字になって寝っ転がる。
僕はいったい何をやってるんだ…
目から涙がこぼれる。
ホームシックってやつだ。
BOØWYの解散に涙したんじゃない。
ひとりぼっちで、とにかく寂しかったんだ。
電話の向こうでは、高校のバンド仲間の世界は続いているのに、僕だけ違う世界が始まってしまっていた。
僕はボロボロの寮に友達もなく、ひとりぼっちで泣いていたんだ。
希望を抱いて大阪まで来たんだ。
何もせず帰るわけにはいかない。
でも、帰りたい…
バンド仲間とバカやっていたい。
手遅れだけど、大阪に来たことを少し後悔していた。
初めて、東京と大阪の距離の遠さを実感した。
今から行くわー!って行ける距離じゃない。
厄介な場所に引っ越してしまったなぁ…
気を紛らわすために、僕は大きな音で44マグナムを聞いていた。
BOØWYを聞く気にはなれなかったんだ。
そんな44マグナムの大音量に引き寄せられるように、一人の男が僕の部屋の扉をノックした。
そのノックが、僕の大阪時代の始まりだった。
青くてごめん。
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