凹み。(2)
それはとても不思議な凹みであった。
私はその凹みから抜けられないでいる。
気がつけば、はまっているのだ。
ある時、柔らかいその凹みは、
ふに、
として柔らかな肌で私をはめこむのに、
気がつけば
こり、
とかたくなに固まって私を弾く。
弾かれた私は惑いながら、
暮れゆく太陽を見送るような侘びしさを覚えるのに、
たちまち営みに吸い込まれていく。
凹みのことなど忘れたかのように、
私は営みを歩むのだ。
安穏と、約しく、ただぼんやりと。
そして、ある時ついに、
凹みを猛烈に探し惑う。
喉の皮がしおれて、
くっついて息がかなわないような、
水の一滴でも良い、
溜飲が難しく、
声すらも渇く、
そんな苦しさに襲われて混乱し、
このまま消えてなくなりたいと切に願う。
迷子の子猫である私の渇きに、
ふに
と、その凹みは私をはめこむ。
まるで、ずっとそこにいたような素知らぬ顔で。
ああ、
と私は感嘆し、枯渇を潤す。
やわらかな肌を貪り、
噎ぶのだ。
私はこれを幾度も繰り返している。
澄ました顔で、その凹みは私をはめこむ。
ああ、逃げられない。
それはとても不思議な凹みなのだ。
