介護職になって14年
来週から復職することになった。
シフトが送られてきて、
あー、いよいよやな。なんとかなるかな。まずは行ってみるか。そう思った。
8月中はかなり余裕のあるシフトにしてくれていて本当にありがたいなと思っています。
そんなこともあって、改めて「私が介護職になったきっかけってなんやったんやろう」と思って少し書いてみることにした。
まずは、20代の頃に大好きやったおばあちゃんの介護を自宅でしたこと。
少しずつ認知症が進んでいったおばあちゃんを家で介護した。
その時はいくら大好きなおばあちゃんであってもつらかったし、きつかった。いいことなんか全然なかったけど、やっぱり好きなおばあちゃんやから、失禁して汚れたベッドでも横になったりもした。
それで施設の入所が決まった時は、心の底からほっとした。
ありがたかったけど、私の中には「介護はつらい」という気持ちしか残っていなかった。
それから何年か経った。
友だちと飲みに行った帰り道。
マンションの前にある大きなゴミバケツのところで、私は思わず立ち止まった。
最初は自分の目を疑った。
こんなところにおじいさんがいるわけないやん。とそのまま歩いた。
でも、なんとなく気になって引き返した。
やっぱりいた。
おじいさんが、体をくの字に曲げた状態でゴミバケツに埋まっていた。
「うー、うー」
と声を出している。
慌てて引っ張り出した。
こんな時、だいたい私は気付くと体が勝手に動いてしまっている。
どうしてそんなことになったのかはわからない。
ズボンも濡れていた気がする。
でも、その時はそんなこと気にならなかった。
近くに自動販売機があったから、急いでお水を買って渡したら、ごくごく飲んでいた。
なぜか救急車に乗るのは頑なに嫌がった。友だちに近くの交番までお巡りさんを呼びに行ってもらった。
お巡りさんが来てくれて、あとは任せた。お巡りさんとふたりでアパートの階段をとぼとぼと上がっていかはるのを、私と友だちはただ見守った。
そして、緊張の糸がとけた私たちは、ふたりで大爆笑した。
「バケツやで!ありえへん。あんなとこに人いると思わへんやん」
「あんなんなりたくないなー」
人間、何があるかわからんけど、まあそんなことにはならへんやろうなと思う。
助けたからって感謝されるわけでもないんやなー、とその時思った。
バケツにハマってんのに、ありがとうもないんか!と思った。
なんでそんなことになったんですか?
それが一番知りたかったけど聞けへんかった。
ほんまになんで?
散々笑ったあと、友だちに言われた。
「私、ああいう時動かれへんわ。すごいなと思った」
私は、その時は特に何も思わなかった。
困っている人がいたから助けただけ。それくらいにしか思っていなかった。
それからまた何年か経った。
前の職場をストレスが限界になって体にも不調が出たので辞めることにした。
次の仕事を決める時、今度はもっとちゃんと仕事を決めよう。
そう思った時に、あのバケツのおじいさんのことを思い出した。
人生、ほんまに何がきっかけになるのかわからない。
あれから14年、介護の仕事をしている。
