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うちがAIに渡している仕事を、全部並べます。「で、あなたは何級ですか」の答え合わせ

前回、宿題を出しておいて、自分の答えを書いていなかった

前回の記事で、AIの習熟度を勝手に5段階に分けました。5級から1級まで。実在する検定ではなく、あくまで私見の目安です。

そして最後に「あなたは、そして御社は何級ですか」と聞いて、終わっていました。

読み返して気づいたのですが、これは聞くだけ聞いて、自分の答えを書いていません。3級、つまり会社の記憶をAIに残す場所を作るところまでは説明しました。その先で自分が実際に何を渡しているかは、一行も書いていません。

なので今回は、その答え合わせです。うちがいまAIに渡している仕事を、全部並べます。自慢でも反省でもなく、ただの棚卸しです。読みながら「うちはここまでは渡している」「ここはまだ人がやっている」と数えてもらえたら、それがそのまま現在地になります。

いま、うちがAIに渡している仕事

以下は全部、いま実際に動いているものです。

経理・会計

  • 会計ソフト(freee)の仕訳を自動で起こす

  • 請求書の取り込みと、支払い・入金のまとめ

  • 請求書のファイル整理から、資金サマリーの作成まで

  • 月末の会計処理を、ひと続きで

  • 毎月の給与計算(明細づくり)

  • 関連会社の経理処理と、ファイル整理

一番「渡してよかった」と思っているのがここです。経理は締め切りが動かせません。締め切りが動かせない仕事ほど、人の予定を人質に取ります。

営業・顧客対応

  • 営業メールの下書きから、送信準備まで

  • お客様からの問い合わせ・返信の下書き

  • 電話の一次対応の台本づくり

ここは下書きまでです。送信ボタンは、毎回わたしが押しています。

書類・法務

  • フォルダの整理と、ファイルの振り分け

  • 契約書のたたき台づくり

  • 法務・税務のレビュー(社内の下調べ)

法務・税務は「下調べまで」と決めています。論点を並べて、確認すべきことを形にするところまで。判断は有資格者に持っていきます。

制作・発信

  • 登壇資料・提案資料づくり

  • チラシ・名刺

  • SNS(note・X)の下書き

この記事も、下書きはAIが起こしています。並べ替えて書き直しているのが、わたしです。

分析・集客

  • リユースショップの購買データ分析

  • Google広告の分析と運用

販売・出品

  • EC/サブスク/Yahoo!ショッピング/ヤフオクへの自動掲載

社内の記録・連携

  • 日々の記録から、自動で日記(ログ)を起こす

  • 社内連絡ツール(Slack)の自動巡回と、内容の自動まとめ

「日記」といっても文章の練習ではなくて、決めたことは記録に残るのに、なぜそう決めたかのほうは消えていくので、そこを毎日拾い直しています。素材には、社内チャットでの自分の発言も入れています。

並べてみると、共通しているのは「毎回やり方が同じで、締め切りがあって、誰かが必ずやらないといけない」仕事でした。逆に言えば、そういう仕事しか渡していません。

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この3つがそろう仕事から探すと、たぶん早い

全部が最初からできたわけではない

こう書くと一気に組んだように見えますが、順番がありました。そして最初に効いたのは、上のどれでもありません。

記憶を置く場所を作ったことでした。前回の記事で3級と書いた、あれです。

会社のことが書いてある場所を用意して、AIがそこを読み書きできるようにする。それだけです。地味です。その日のうちに目に見える成果は出ません。

でも、これを先に作らないと、上の一覧はどれも成立しませんでした。「請求書を整理して」と頼むにも、どこに何を置く会社なのかを毎回説明することになる。説明が面倒になると指示は雑になり、返ってくるものも雑になります。


順番を入れ替えると、たぶんどれも動かない

もう一つ、これは自社サイトにも書いていることですが、すでに使っている仕組みは、そのままにしています。勤怠、Excel、Webアプリ、ECの管理画面、メール。新しいシステムに乗り換えてもらうのではなく、いまある場所にある情報をAIに渡して、その会社の仕事の形に合わせて組み上げる。この進め方は、自社でもお客様のところでも変えていません。

渡してみて分かったこと

渡せる仕事と、そうでない仕事の見分け方が、少しずつ分かってきました。

1. AIに人と同じ手順をやらせている間は、まだ渡しきれていない

先日、ある顧客の現場で、業務アプリへの入力をAIに任せていました。やり方は単純で、ブラウザを開いて画面に1件ずつ入れていく。人がやっているのと同じ手順です。動きます。動きますが、何百件となると、時間もコストもかかる。

そこで、その業務アプリのほうにCSVの取り込み口を足しました。1件ずつ画面を触るのをやめて、まとめて流し込めるようにした。それだけで、同じ仕事がずいぶん軽くなりました。


渡す前に、渡し方を作る

学んだのは、AIに人の手順を真似させるより、機械が通れる入り口を1つ足すほうが速いということです。渡す前に、渡し方を作る。この順番を間違えると、「AIは使えるけれど、遅いし高い」というところで止まります。

2. 渡す仕事は、たいてい現場の人が名指しする

先月、ある顧客先で、事務の方から「自分の環境にも入れてほしい」と言われました。理由も具体的で、月末の締め作業と、請求書の送付をやってもらいたい、と。その場で入れました。

こちらが「この業務が効率化できます」と持っていくより、毎日その作業をしている人が名指しした仕事のほうが、はっきり当たります。締め切りがあって、毎月おなじで、面倒くさい。それを一番よく知っているのは、やっている本人です。

うちの一覧が経理から始まっているのも、たぶん同じ理由です。

もっとも、渡したら終わり、でもありません。今週も、毎朝走らせている見張り番の仕事を別のパソコンへ移し替えていました。人が辞めないぶん、置き場所と段取りの面倒は、こちらに残ります。

これから、1本ずつ書きます

一覧にすると、どうしても「全部できています」に見えてしまいます。でも実際には、一つひとつに「どうやって渡したか」があります。何を先に用意して、どこでつまずいて、いまはどこまで人が見ているのか。

なので、これから何回かに分けて、この一覧から1つずつ取り上げて書いていきます。まずは経理から。渡し方の話なので、同じ業務が無い会社でも、たぶん流用できます。

そして今回の答え合わせで言うと、うちは「渡す先を先に作ってから、締め切りのある仕事から順に渡してきた会社」です。何級かは、自分で作った基準で自分を採点するのが気恥ずかしいので書きません。代わりに、一覧を出しました。

あなたの会社は、いまどこまで渡していますか。


株式会社Grid Linksでは、こうして自社で実際に使っているAIの型を、そのまま中小事業者向けに導入支援しています。すでにお使いの仕組みはそのまま、そこにある情報をAIに渡して組み上げます。


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