⑩ 排気ガスで気分悪かった朝が、光に救われた日。|地中海クルーズ6日目
※公開順が前後しましたが、今日は6日目・パレルモ編をお届けします。
排気ガスで気分が悪くなって、窓を開けた瞬間に視界が変わった。
太陽が差し込んで、町は“絵画”みたいに色づいた。

色も形も不揃いなまま並べる
“ありのままの”シチリアが好き。
今日のシチリアは、旅のなかでも特別な一日になった。
■ 排気ガスの坂道からはじまるシチリア
パレルモの朝は、想像以上に刺激的だった。
ガイドのアレッシアと、女性ドライバー。
車は年季が入っていて、道路は渋滞。排気ガスが車内いっぱいに入り込む。
正直、少し気分が悪くなった。

アレッシアと女性ドライバーの掛け合い。
道案内も雑談もテンポよくて、
車の中からすでに“シチリアの旅”が始まっていた。
道路はガタガタ。
建物は古くて、壁の色が剥がれかけている。

壁が剥がれてても、なぜか絵になる街。
生活と時間がそのままアートになるのがパレルモ。
■ モンレアーレの光に包まれる
山の上にあるモンレアーレ。
車が坂道を進んでいくと、排気ガス地獄から解放されて、空気が一気にクリアになる。

パレルモの街と海と山が全部入る、
シチリア屈指の景色。
大聖堂に入ると、黄金のモザイクが輝いていた。キンキラの大聖堂はたくさん見てきたけど、
ここは、暖かい生活感があるなあと、感じた。

黄金のモザイクが輝いて、
ただ立っているだけで胸が熱くなった。
ガイドのアレッシアが語ってくれる一つひとつの言葉。
説明の仕方や、私たちへのさりげない気づかいの端々から、
“この街を心から愛しているんやな”
という想いがにじみ出ていた。
まだ23歳の彼女。
英語がびっくりするほど聞き取りやすい。
たくさん勉強したんやろなあ。
■ 10年前まで、シチリアは観光の島じゃなかった

パレルモ大聖堂の前は、光が跳ね返る広場。
歴史の重厚さと自由な空気が同時に流れていた。
移動中、アレッシアが話してくれた。
10年前のシチリアは、
「ゴッドファーザーの島」
「マフィアの本拠地」
そんなイメージで、観光客は少なかったらしい。

“マフィアの島”と言われた昔の名残。
いまのシチリアは安全で明るいのに、
こういうTシャツがまだ観光客に人気らしい。
でも、アレッシアの彼氏さんが
SNSで本当のシチリアを世界に発信し続けたという。

パレルモの人は“空気を楽しむ”
のがほんま上手やと思った。
• 美味しい料理
• 陽気で優しい人々
• 街並みの美しさ
• 歴史が溶け込んだ生活文化
• 治安が改善されていること
その発信が広まり、
ついにはクルーズ船が来るほどの観光地になった。

外カリッ、中はチーズがとろ〜り。
シチリアのソウルフード“アランチーニ”は間違いない。
■ 結婚できない理由も、シチリアらしい
アレッシアは彼氏との結婚は、まだ考えていないという。
理由はひとつ。
シチリアの結婚式は“とんでもなくお金がかかる”から。
新郎新婦、それぞれが100〜200人招待するのが当たり前。
料理は豪華、お酒もたっぷり。
パーティー文化が強いシチリアでは、
結婚式は家族の大イベント。

偶然見かけた花嫁さん。
街そのものが映画のワンシーン。
でもアレッシアは笑って言った。
「私はね、結婚式より旅とか、おいしいものとか、
人生の経験にお金を使いたいの。」
ああ、日本と一緒や。
世界中の若者の“幸せのカタチ”って、
ほんまに静かに変わってるんやなと思った。
■ 旧市街とマーケットを歩く

太陽が差した瞬間、
ただの路地が映画セットみたいに光る。
そのあとは旧市街へ。
• クアットロ・カンティ
• サン・カタルド教会の赤い丸屋根
• 洗濯物の揺れる路地
• 市場の雑踏
• 生活の音、色、匂い
“生活そのまま”が絵になるって、すごい街や。

スリはいるけど、雰囲気は明るくて
エネルギーに満ちてる。
アレッシアの言葉が印象的だった。
「パレルモは安全よ。でも、市場だけは気をつけてね。」

カポナータ、魚介、揚げ物……
全部おいしそうで迷う。
どこの国でも同じやと思う。
ガイドという仕事には、
“旅を楽しんでほしい” という気持ちと同じくらい、
“守りたい” という優しさがある。
観光地の明るさの裏には、
いつも小さなトラブルの影がある。

古い建物が並ぶ大通り。
生活感と歴史が同居する“シチリアらしさ”
がぎゅっと詰まった場所。
■ チョコ20個買った話
最後に市場で
シチリア名物のモディカチョコを20個買った。

フレーバーがとんでもなく豊富で、
つい20個も買ってしまった…🤣
ザクザクした食感でめちゃくちゃ美味しい。
3ユーロとは思えんクオリティ。

パレルモは、
“美しいから好きになった”のではなく、
“誰かが愛している街やから、美しく見える”
そんな場所やった。
帰りの車は太陽が差し込んでいて、
もう排気ガスも気にならなかった。
ーーAppy
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