街で見かけた素敵なマダム。普通の服なのに、なぜかとても素敵だった。
先日、とあるバッグのお店で、とても素敵な女性を見かけました。
目立つブランド品を身につけているわけでもない。
流行を意識した格好でもない。
いってしまえば、どれも普通のアイテム。
なのに、とにかく素敵だったんです。

白髪をぼかした明るめのカラーに、少しウェーブのあるショートヘア。
あっさりしたメイクに鼈甲フレームのメガネ。
耳元には、青い石の小さなピアス。
日に焼けた肌に、短くきれいに整えられた爪。
黒のトップスの胸元には、小さなロエベのブローチ。
グレーがかったタック入りのクロップドパンツに、白のレザーレースアップシューズ。
そして、白いレザーを編み込んだトートバッグ。
目を引くファッションをしているわけではないのに、なぜか目を引く。
年齢は50代前半くらいに見えました。
もちろん、美人だったこともあると思います(笑)。
でも、それだけじゃない気がしました。
その方が、私と同じバッグの色違いを購入されたので、少しだけお話をしました。
「使うのが楽しみですね」
そう笑顔でおっしゃって、そのまま帰っていかれました。
その後も、私はその女性の姿を思い出していました。
いつもの私のファッションとは、少し違うジャンル。
だから、「私も同じ服を着てみよう」とは思わなかった。
というより、私が同じ服を着ても、きっとあんなふうにはならない(笑)。
髪型も、メガネも、ピアスも、服も、靴も、バッグも。
ひとつひとつを見れば、特別なものではないのに、全部がその人に馴染んでいました。
無理をしている感じがない。
頑張っておしゃれをしているようにも見えない。
ただ、さらりと着ている。
それなのに、素敵。
そこで思いました。
素敵な人って、自分のことをよく知っている人なのかもしれない。
自分には何が似合うのか。
何を足して、何を引けばいいのか。
どんなものを身につけると、自分らしくいられるのか。
それが自然にわかっている人は、何を着ても、その人らしく見えるのだと思います。
ブランドを身につけているから素敵なのではない。
ブランドを身につけていないから、素敵じゃないわけでもない。
高いものを持っているから素敵なのでもないし、普通のものだから残念なのでもない。
結局、素敵な人は、何を身につけても素敵。
その人自身と、身につけているものとのバランスがいいのだと思います。
50代になって、ファッションとの付き合い方も少しずつ変わってきました。
若い頃のように、流行っているものを取り入れればいいわけでもない。
高価なものを身につければ、それだけで素敵になれるわけでもない。
「何を着るか」よりも、
「私は何が似合うんだろう」
と考えることのほうが、大切になってきました。
この日見かけた女性は、私とは違うファッションでした。
でも、だからこそ素敵だと思った。
誰かの真似をするのではなく、自分に似合うものを知っている。
そして、それをさらりと身につけている。
そんな女性って、やっぱり素敵です。
私も50代後半。
自分をよく知ることも、おしゃれのひとつ。
そんなことを思わせてくれた、街で見かけた素敵なマダムでした。
