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歯医者恐怖症を「おおブレネリ」で乗り切った話(94日目)

こんにちは、あるいははじめまして。アラカンいんこです。

今日は有休をとったついでに、歯医者さんに行ってきました。
そこで繰り広げられた、私の脳内バトルをお話ししますね。

はい、それでは開幕、開幕〜。




妄想パワー最強説、ただし歯医者は除く


いんこは、フルタイムで勤めるかたわら、副業でWEBデザインに挑んでいるアラカン主婦である。

そんないんこの得意技、それは全力で妄想できること

いつでもどこでも、ところ構わず発動可能、変幻自在の万能能力だ。
(しかし、なんの役にも立ちはしない)

目を開けたまま電信柱に正面から衝突できるほどの、我が一点集中的妄想パワー。

⬇︎妄想しながら歩いていて電柱に激突した話。4コママンガ。


しかし、さしものこの妄想力をもってしても叶わない魔界が、この世には存在する。

歯医者さんだ。

歯をガリガリやられている間だけは、妄想の「も」の字も脳内に浮かばず、ただただ耐えに耐えることしかできない。
我が妄想パワーも、歯医者のガリガリキーンなマシンパワーには、文字通り「歯がたたない」のである。

戦闘開始のゴング


今日も私は、子供の頃から通っている、馴染みの歯科医院のドアを開ける。

「チャラ〜ン」

ドアにつけられた鈴が鳴る。
戦闘開始のゴングだ。


今日の診療内容は「歯石のクリーニング」。

歯石クリーニングというやつは、きちんと定期的に行っていれば、そう怖いものではない。
ときどきキーン!という痛みがくるが、微々たるものだ。


ほんとに怖いのは、ずーっと歯石クリーニングをサボっていて、しばらくたってから再開する、その当日
つまり、今日のような日なのである。

ブルブルブル。震えが込み上げてくる。


いつもの綺麗な歯科衛生士の先生が、にっこり笑って椅子を指し示す。

「いんこさん、ずいぶん久しぶりですね〜」

ギクギクッ。

「そ、そっすね」

緊張のあまり、高倉健みたいな太い地声で答えてしまった。
自分、不器用ですから。

本音を申せば、怖いのだ。
これから始まる、あのキーーンガリガリガガガガが怖いのである。

レントゲンという名の前哨戦


「随分久しぶりなので、レントゲン撮りましょう」

口を開けてひととおり確認した後、先生がのたまった。

もしや何か異常でもあったんだろうか。
定期クリーニングをサボっている間に、知らない病変が進んでいたりして…。

プルプル震えながら、レントゲンを受ける。
子供の頃から知っている施術室の中には、いつの間にか立派なレントゲン室ができあがっていて、真新しいレントゲン装置が鎮座していた。


専用の椅子に座り、透明なマウスピースみたいなものを噛んで、顔の周りをくるくると回る摩訶不思議な機器で、レントゲン撮影を終える。

「去年、この機械を導入したんですよ〜」

受付の助手の女性は、心なしか嬉しそうだ。


今どきの機器は現像工程なしに、すぐ端末画面に映像を映すことが可能らしい。
机上のモニターには、今撮影したばかりの私の歯列が並んでいる。


「今のところ、特にこれといった病気はないですね。健康です」

先生の言葉に、ホッと胸を撫で下ろした。

乳歯という名の時限爆弾


「ただ、あなたの場合、乳歯が一本あるのよね?」

私もそれは知っていた。子供の頃、先生がそう言っていたのだ。

「あなたの乳歯、一本だけ、生えてくるべき永久歯が下にないのがありますね。
根もしっかりしていますから、このまま使うことにしましょう」
と。

今回撮ったレントゲンにも、その乳歯ははっきり映っていた。
ただ、明らかに根っこが他の永久歯より短いように見える。

「根っこが他より短いのは、乳歯だから、まあしょうがないんですよ」

歯科衛生士の先生が説明してくれる。

「今のところはまだしっかり植わってますけど、他の歯よりもやっぱりグラグラしやすいんです。
歯と歯茎の間に隙間があるでしょう?
ここから歯は溶けるんです。
弱い乳歯なんか、グラグラしだしたら、まず最初にダメになりますよ?」

先生は説明を終えると、くるっと椅子を回して、私に向かってニヤリと微笑んだ。

「では、いんこさん。クリーニングいきましょうかね!」

私は観念した。

脳内カラオケという救世主


施術用の椅子に戻り、いよいよ歯石クリーニングが始まる。


なぜ長期間サボっていた後の歯石クリーニングが怖いのか。

その理由は、ごっそりベッタリと歯石が付着してしまっている分、先生もやっきになって歯石を取りまくるから、キーーーーーン!の恐怖時間も増大しまくること。
そして歯茎が炎症を起こしていることが多く、痛みが伴うこと。
この二点に尽きる。


先生が私の口を開けさせ、右手に振りかぶったマシーンを、キラリと光らせる。

私は口を開けつつ、脳内で必死に逃げどころを探った。


そうだ、歌おう!

歌だ。歌で気を紛らわそう。
脳内ひとり妄想カラオケで、歯石クリーニングの恐怖時間を乗り切るのだ!

よし、決めたぞ。

脳内妄想カラオケ、発動!

楽曲選定という重要なミッション


(以下、私の脳内独り言です)

何の歌にしよう。

そんじょそこらの歌謡曲ではダメだ。

あの音に負けないくらいのポテンシャルを持つ歌…B'z?
いや、エレキギターのキーンの音が歯石を削るキーンの音と相乗効果になって、余計に痛くなりそう。


では何の曲にする?

歌謡曲より、もっと原始的かつシンプルな曲。

自分の根幹的記憶に触れる歌がいい。
そうだ、美しい自然風景を歌う歌なんかどうだろう?


🎵春のうららの〜、すぅみぃだぁが〜わ〜
のぼり〜くだぁりぃの〜ふ〜なび〜と〜、

がぁ!
ガガガガガガ!)

だめだ!歌詞が弱い!

次いこ次!

自然の描写、自然の風景。
そうだ、アレだ。
あの曲行こう。


(脳内に前奏が流れはじめる)

(ガガガガガガ!)
ヒィィィィィ!


だめだ!前奏があるのはダメだ!
いきなり主旋律が始まるものでないと!

(ちなみにこの時脳内に流れたのは、アルプスの少女ハイジのオープニング曲だった)

「おおブレネリ」という奇跡


キーーーーン、ゴリゴリゴリ、ガガガガガガガガガ!

前歯キター!

耐えろー!歯ぁ食いしばれーッ!
(脳内指令が告ぐ。それダメ。歌え!

ツッピーン!
唐突に思いついた。

そうだ、「おおブレネリ」行こう、
「おおブレネリ」!!

おおブレネリ あなたのおうちはどこ
 わたしのおうちはスイッツランドよ
 きれいな湖水のほとりなのよ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホ ホトゥラララ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホ ホトゥラララ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホ ホトゥラララ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホホ

 おおブレネリ あなたの仕事はなに
 わたしの仕事は羊飼いよ
 おおかみ出るのでこわいのよ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホ ホトゥラララ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホ ホトゥラララ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホ ホトゥラララ
 ヤッホ ホトゥラララ ヤッホホ

おおブレネリ 歌詞

「おおブレネリ」。

これは、撥音の具合がとにかくいい感じ。

前歯の薄いところをギャギャーン!とやられてる最中なんかは、意味のある歌詞など到底再生できないに決まってる。
その点、ヤッホーホートゥラララは、ほぼ思考を必要としない
脊髄反射で歌える。

なんと理想的ではないか!

私は必死に、脳内で「おおブレネリ」を歌いまくった。

脳内絶叫クライマックス


キーーーーン、キーーーーン、キーーーーン!

やっと下顎側の歯列のクリーニングが終わり、クリーニングマシーンの鉾先は、上顎の前歯付近に差し掛かったところ。
マシーンの音も絶好調だ。

おぉブレネリ、あなーたの、お
うっちっはっ、どっ(キーーン!) コーッ!!!🐔

わたぁしの、おうちはぁ〜〜!(←必死)

スィッツランド(ガガガガガガ)ヨーッ!

ハアハア、キレーイな!湖水のっ!

ほとーりなーのーよー、

(キーン、ガガガガガガガガガガガガガガガ!!!)

ヤーッホーッホートゥラララ!

もはや脳内絶叫。


かくして、治療は「おおブレネリ」のサビ部分絶叫のうちに、無事終了。

私の、サボりまくった結果の歯石クリーニング施術も、歯科衛生士の先生の卓越したマシーン捌きをもって、無事に幕を閉じたのだった。

エピローグ


先生からは、
「3ヶ月後に、今度はちゃんと来てくださいねv」
と、しっかり釘をさされた。


「おおブレネリ」。
今後とも私の歯医者のお供となるであろう、名曲である。

noteをご覧の皆さまも、歯医者に行く時には、ぜひぜひお試しあれ。

※歌の効果は個人によって異なります。

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